ワイン体験レポート『6月』Vol.2

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予定変更の土曜日

2017年6月10日(土)から一泊二日でエコビレッジにお邪魔しました。
いつもはワイン葡萄の栽培作業を土曜日にしていたのですが、今回は雨が降ったり止んだりの不安定な天気で、雨の降り方もかなり強かったので、作業は日曜日に延期となりました。
予定が変わり、急に時間が空いてしまった土曜日でしたが、そのお陰で今まで行ったことがなかった地元のワイナリーを訪れてランチや施設見学を楽しんだり、エコビレッジ新しく仲間入りした動物たちを観察しながら過ごしたりと、なかなか面白い展開になりました。

お食事会

夜は、エコビレッジと関わりのある近所の農家などの人たちが集まり会議をした後にお食事会が開催されました。
各家庭から手作り料理を持ち寄ってみんなで頂くというシステムで、テーブルの上には大きな容器に入った様々な料理が並びました。
私はお食事会用の差し入れとして、シードル(林檎のスパークリングワイン)ジュースなどの飲み物と、おつまみのポップコーンを用意しました。

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様々な家庭料理

エコビレッジゲストスタッフとして来日していた韓国人男性お手製の本場のチヂミと、3人の男の子のお母さんが作った栄養満点のチヂミ、以前は飲食店で料理を担当していたという女性の色鮮やかな五目ご飯、中学生の女の子がお家の人と一緒に作った旨味たっぷりのハンバーグ、ハイハイ上手な赤ちゃんのお母さんが作った大きなおにぎり、その他にも自分の畑でとれた野菜をふんだんに使ったそれぞれの自慢料理の数々に感激しました。
久し振りに、人が作った温かい家庭料理を味わいながら、エコビレッジのスタッフのチェロ演奏を聴いたり、地元の人たちと交流できた素敵な夜でした。

パワーチャージ

一週間フルで働いた後の盛り沢山の土曜日だったので、新しく仲間入りしたニワトリの鳴き声夜中も響いていましたが、ぐっすりと眠れました
朝方は雨が降っていたようですが、雨が止み曇り空へと変わったので、午前中にワイン葡萄の栽培作業ができそうだということで、安心した気持ちで朝食を頂きました。
ニワトリが生んだ新鮮な卵を納豆やなめ茸に和えて、炊き立てのふっくらとした白米と一緒に頂きました。
甘みのある濃厚な生卵と、何種類かの美味しいお漬物、温かいお味噌汁を頂いて、作業をする為のパワーをしっかりとチャージしました。

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鮮やかなワイン葡萄畑

食後のコーヒーを飲み終えた頃に、ワイン葡萄の栽培作業の指導をしてくれるワイナリーのオーナーが到着しました。
急いで上下の雨具に着替え、しっかりフードをかぶって軍手をはめ、ワイン葡萄畑に向かうと、雨を浴びたワイン葡萄の木たちは一段と鮮やかで艶のある緑色に見え、より強く生命力を感じさせてくれました。
レクチャーを受けながら、私が今までに参加した『剪定』『棚上げ』の作業とは少し違い難易度が高くセンスが問われる作業だと感じ、緊張してきました。

特別な事情

葡萄の房の超ミニチュアといった感じの、可愛らしい葡萄の芽が意外とたくさん出ていて感動しました。
でも、一つの木が摂れる養分の量に対して芽があまりありすぎると、養分が分散されてしまい一つ一つが栄養不足の状態で育ってしまうので、芽の数を減らして育つ葡萄の数を調整してあげるという作業が『芽欠き』です。
毎年きちんと規則正しく整えられた葡萄の木々であれば、どの木もだいたい同じ状態にすれば良いので『芽欠き』簡単順調に進むのですが、エコビレッジのワイン葡萄の木は事情が違うので作業が大変そうでした。

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快挙の収穫

エコビレッジのワイン葡萄の木たちは、実は昨年栽培を再開するまでしばらく放っておかれていたので、だいぶ荒れた状態だったそうです。
それをその年その年の手入れを繰り返し修正をしながら、葡萄の木も土も良い状態にしていかなければならない段階なので、どの年も気が抜けない大事な時期とのことでした。
それを考えると、昨年このワイン葡萄畑で収穫し、美味しいスパークリングワインを立派に造り上げたというのは物凄い快挙だと思いました。

基本的な『芽欠き』と『除葉』

『芽欠き』は上に向かってしっかり育っている芽を残し、下向きやおかしな向きに育っている芽は取り除きます。
更に、一つの木に対して残す芽の数がだいたい決まっているので、規則正しく均等なバランスになるように取り除きます。
『除葉』は、育てる芽のすぐ下の葉っぱを取り除き、育てる芽(残す芽)日光から遮ってしまっている葉を取り除き、混み合っていて風通しが良くなく、霜などの湿気でカビを発生させてしまいそうな余分な葉を取り除きます。
また、葉には害虫がついている場合があるので、それもチェックしながら害虫も取り除きます。

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エコビレッジ編『芽欠き』と『除葉』

でも、エコビレッジの葡萄の木たちは痩せ細っていて元気がまだまだ足りないらしく、一つの木に育つ葉っぱや芽の量が足りないぐらいで『芽欠き』は必要なのですがあまりマニュアル通りに減らしてしまうと、実る葡萄の数がほとんどなくなってしまうとのことで、『減らし過ぎるよりは残し過ぎる方が良い』というイレギュラーな注意事項のもと、減らすか残すか迷いながらよく考えて決断しなくてならない、体力よりも精神力を使い、尚且つ理解力とセンスを問われる作業でした。
葡萄の木の枝からではなく本体から生えている芽は、立派な枝として育つ可能性があるので、とりあえず残しておくとのことでした。

害虫vs私

葉の表や裏をよく見てみると、緑色の小さい青虫茶色の小さいしゃくとり虫がくっついて、たくさんの葉が食べられて穴だらけになっていました。
葉もマニュアル通りに取り除いてしまうと少なくなりすぎて困るので、よほどグッタリとしおれていなければ、穴があいていても葉は残したまま虫だけを摘まんで『地面にバーン!長靴の底でドーン!』という作業を繰り返しました。
ワイン葡萄の木たちを守り育てる為の大事な作業なので、ワイナリーのオーナーの指導のもと、心をオニにして遂行しました。

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ワイン葡萄の植え替え

ワイン葡萄棚の一番下の段の高さでの作業がほとんどなので、中腰だったりしゃがんだりで、とにかく腰が痛くなる作業でした。
これからどんどん葡萄の枝やツルが伸びれば、ワイン葡萄棚の二段目、三段目へと高さが変わっていくので、楽な姿勢で作業が出来るようになるのだと思うと、ワイン葡萄の木たちの成長が更に待ち遠しくなりました。
しばらく放っておかれている間にすっかり枯れて死んでしまったワイン葡萄の木もあり、その木を抜いて新しく植え替える為の苗木が他の作物の苗と一緒にコンテナにたくさん並んでいて、ぜひワイン葡萄の苗木の植え替え作業に参加したいと思いました。

貴重なチャンス

毎年の作業を繰り返すことで少しずつワイン葡萄の木たちを良い状態にしていくという段階から栽培作業に関われたことはとてもラッキーなことだと思っています。
既に良い状態のワイン葡萄畑も美しくて素敵ですが、変化の過程に実際に関わって試行錯誤を共にすることができるのは、滅多にないチャンスだと思うからです。
なるべくこのワイン葡萄の栽培作業に参加して、この畑がどんな風に変わっていくのかを、じっくりとこの目で見ていきたいと思いました。

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地球を楽しむ体験

また雨が降り始め、段々と強くなってきたので一旦作業を中断しました。
コーヒータイムをとりながら面白い体験談を聞き、人にはそれぞれいろんな環境と選択肢がありますが、やはり経験は人生の宝だなぁと思いました。
私は、せっかく地球で生きているのだから地球上の美しい景色や興味深い場所をなるべくたくさん見たいと思い、いくつかの国を訪れ素晴らしい宝を得ました。
娘にも将来、地球単位の刺激をたくさん得て、『様々な体験』というを手にして欲しいと思っています。

意識の変化

雨が小降りになったので作業を再開し、黙々と集中しながらワイン葡萄の木たちと向き合いました。
慣れない決断に頭を悩ませ「この芽は残した方がいいし・・・この葉は邪魔になるし・・・でも葉が少ないから残さないとまずいし・・・」と考えに考えた分だけ、思い入れもますます強くなったように思いました。
葉を取り除くときも、変に力を入れると細いツルは簡単に折れてしまうので、そっと大切に扱い『お世話をしている』という感覚で、前回の『アート作品を作る』という感覚とはかなり違っている自分の意識の変化不思議でもあり、面白いと思いました。

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充実感がもたらすパワー

ランチは野菜が中心の料理で、塩麹や生姜で味付けされていて、とても健康的でした。
このところストレス味の濃い物やジャンクフードをつい食べてしまい、腎臓の調子が微妙だったのですが、エコビレッジの食事はそんな私の身体にデトックス効果をもたらしてくれそうな気がしました。
帰りに駅前まで送ってもらうと、街はお祭りで賑わっていましたが、もうクタクタだったのでバスに乗って帰りました。
大好きな日本海の景色を車窓から眺め終わると、すぐに眠りに落ちました。
体力的にはかなり疲れましたが、充実した幸せな週末満足感と元気をもらい、また次の日から頑張れる気がしました

エコビレッジ情報 http://ecovillage.greenwebs.net/


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