動物園 今日は娘の小学校が代休でお休みだったので、久しぶりに動物園に行った。
寒い時期に動物園に行くのは初めてだったが、お天気にも恵まれて動物好きの私たち親子はハイテンションだった。
カンガルー カンガルーのエリアに行くと、小さなカンガルーが自分よりも一回り大きなカンガルーに飛びかかり、正に乱闘が始まる瞬間に出くわした。
大きい方のカンガルーは穏やかで、なるべく相手にしないでやり過ごそうとしていたのだが、小さいカンガルーがあまりにしつこいので途中から本気で戦っていた。
笑えるパンチ カンガルーの戦いはまず細くて短い手で相手を「エイッ、エイッ!」とパンチしようとするのだが、お互い顔に当たらない様に上を向きながら両手をバタバタさせるので全くヒットせず、人間の2~3歳ぐらいの男の子同士の未熟なケンカみたいで何だかちょっと可愛いのだ。
エスカレート カンガルーは頑丈な尻尾で体重を支えることができ、ケンカが白熱してくると尻尾でバランスを取りながら両足キックを繰り出し始める。
カンガルーの足の爪は鋭くて危険なのでこれが出始めると大変だ。
身を守る知恵 以前オーストラリアにいた頃、カンガルーに身体をキックされると腹が裂けて死んでしまうことがあるから、特に野生のカンガルーに遭遇したときはキックされないように距離を置いて身を守りなさいと教わったことがある。
困った反抗期 エスカレートするケンカを止めようとお母さん的な大人カンガルーが間に入ったところ、今度は小さいカンガルーがお母さん的カンガルー相手にパンチを繰り出してきた。
だが大きさがあまりに違い手の長さも違うのであっさり「バシッ」っと追い払われていた。
小さいカンガルーはますます癇癪を起こし、周りのカンガルーに手当たり次第攻撃を始めるも、結局は敵わずに「しょぼーん」と撃沈していた。
動物にもいわゆる「中二病」ってあるんだなと思いながら、その場を後にした。
キリンのまつ毛 新しくなったアフリカゾーンに行くとキリンが食事をしていた。
館内で間近で見るせいか物凄く大きく感じられて怖いくらいだったが、相変わらず長いまつ毛がキュートで羨ましく思った。
適応能力 知人が、「転勤でドバイに2年ほど家族で住んで帰国した友人に久しぶりに会ったら、家族みんなのまつ毛がフサフサになっていて驚いたよ。人間の環境適応能力ってすごいよね。」と言っていたのを思い出し、ドバイに住むのは無理だけど鳥取砂丘でも環境適応してまつ毛フサフサになるのなら、ぜひ鳥取に住んでみたいと思った。
百獣の王 ライオンも館内ではとても近い距離でクリアなガラス越しに見ることができ、その迫力と威圧感に百獣の王の貫録を感じた。
バギーに乗せられた赤ちゃんを見る度に、まるで獲物を見るような眼で狙いを定めて唸っていて、とても恐ろしいワイルドな姿を見せてもらった。
動物との距離 その隣にはハイエナがいて、ポカポカの館内が気持ちいいのかスヤスヤと寝ていた。
ハイエナもサーバルキャットもカバも以前よりだいぶ近くで見られるようになり、子供たちが動物たちの様子を見て知るのにとても良い環境だと思った。
猫の毛玉 アジア館に行くと、私が特に大好きなネコ科のユキヒョウやトラがいてますますテンションが上がった。
どちらも毛並みがゴージャスで美しく、いつものようにしばらくウットリと見とれた。
ユキヒョウもトラもサーバルキャットもハイエナも、ネコ科の動物たちは毛玉ができていて、何だかウチの猫のようで親近感がわきますます好きになった。
リスキーな願望 「ハサミであの毛玉を切ってブラッシングがしたい!」という衝動に駆られたが、それは命懸けの作業で多分食べらてしまうだろうと思った。
ライオンキング ネコ科でしかも、あんなにたてがみがフサフサしているライオンには毛玉がなく、やはりキングたるものは特別なのかもしれないと感心した。
小悪魔?! レッサーパンダは外で元気に遊んでいて、絶対的なその可愛らしさに癒された。
屋内のレッサーパンダはずっと天井の梯子の通路で遊んでいて、同じ場所に来ると知らんぷりをしてちょっとずつオシッコをするという、なかなかの小悪魔ぶりを発揮していた。
動物園でレッサーパンダを下から見るときは気を付けなくてはと思った。
サービス いつも人が密集してなかなか前に進めない狭い通路の爬虫類ゾーンも、平日だけあってゆったりと見ることができた。
何だか今日は動物たちがサービス精神旺盛で、ヘビたちも珍しく積極的に動いてガラスを指でなぞるとそれにニョロニョロとついてきて遊んでくれた。
パイソン オーストラリアの動物園でボランティアとして飼育員のアシスタントをさせてもらったとき、パイソンを首からかけて写真を撮ったことがある。
担当の飼育員が少し目を離すとそのパイソンは徐々に私に巻き付こうとしてきて、飼育員がそれに気付いて引き離されたその顔は「チェッ」という感じの表情に見えた。
さすがはマスキュラースネイク、動物園で生まれ育っていても獲物を絞め殺す本能は健在のようだった。
忍耐 ガラスケースに戻す前に「ちょっと持ってて」と、ぐるぐるのボール状に丸められた状態のパイソンを手渡された。
おそらく1.5mぐらいで2.5~3kgだったと思うのだが、言われた通り両手で持っていると、チーフ飼育員がやってきて二人で話し出し何やら白熱し始め15分程が過ぎた。
「ずっと同じ姿勢で両手にパイソン、厳しいです・・・」と言いたかったのだが、会話があまりにも熱く盛り上がっていたので何も言えず、もうしばらくそのままパイソンを持ち続けた。
プレゼント 爬虫類担当の飼育員二人はとても良い人で私にも優しく、私の動物園最後の日に「記念に俺たちの宝物をあげるよ」と完璧なパイソンの抜け殻を差し出して「ここで一緒に働いた記念に日本の家族や友達に見せてあげるといいよ」と言ってくれた。
完璧な形のままの抜け殻はなかなか手に入らないそうで、本当にアートの様な美しい抜け殻だった。
気持ち 法律に詳しくない私は、帰国の際にもしもワシントン条約にひっかかりトラブルになったら困ると思い、気持ちと思い出だけ頂くことにした。
それにあの美しい抜け殻は彼らの宝物なのだから、やはり彼らの手元で大事に観賞された方が良いと思った。
人生の宝物 オーストラリアのその動物園の飼育員は陽気でフレンドリーな人が多く、いろんな人や動物と一緒に働くことができる日々は本当に楽しかった。
あの貴重な体験の思い出は今でも私の宝物だ。
犬っぽいハイエナ 帰りにアフリカゾーンを通りがかると、ハイエナが外に出ていた。
私と娘が「ハイエナちゃーん」と呼びかけると、離れた場所からハイエナが走って私たちの所にきてくれた。
そして柵越しに娘と一緒にあっちに走ってこっちに走ってと楽し気に遊んでくれた。
ハイエナはネコ科だが顔が犬に似ているから、性格も犬寄りで人懐っこいのかなと思った。
優しいお母さん このところ私は自分の勉強の為に外出が多く、土曜日はスクールに参加し日曜日は家でゆっくりと過ごしていたので、「今日はママと久しぶりのお出掛けだね」と娘に言われてハッとした。
ずっとどこにも連れて行ってあげずつまらない思いをさせてしまっていたが、今日は娘の為だけに時間を使って久しぶりに「優しいお母さん」でいられたような気がする。
素敵な場所 動物好きの私たち親子にとっては特に、動物園は一緒に楽しめる素敵な場所だ。
今年は冬の動物園も挑戦してみようかなと思う。