ワイン体験レポート「11月」 Vol.1

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ついに! 

2016年11月19日~20日、1泊2日で「エコビレッジ」という大自然の中にある施設にお邪魔して、ワイン葡萄の剪定作業を体験した。
11月はもう既に十分寒いので過酷な畑作業を覚悟していたのだが、驚くくらい温かい1日となりとてもラッキーだった。

エコビレッジ  

この「エコビレッジ」とはECOや自給自足的な生活、農作業、田舎暮らしを体験できる環境の施設だ。
広大な敷地にはいろんな種類の畑があり、野菜はもちろん林檎、梨、さくらんぼ、ワイン葡萄などが植えられていて、レンタル畑スペースもある。

学習環境

「学び舎」というバイオトイレなど趣向が凝らされた宿泊可能なエコハウスがあり、そこで希望の研修を受けて学ぶことも可能だ。
宿泊してじっくり体験も日帰りの体験も、自分たちに合った内容での滞在も相談でき、費用はその内容によって変わってくる。

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シェアハウス

田舎の共同生活を体験できる「シェアハウス」は、海外からの訪問滞在者も多く、インターナショナルな語学や知識のブラッシュアップもできるようだ。
都会から修学旅行(農業ステイ)として少人数グループの学生にも利用されている。

ワイン葡萄作りのスタート時期

私は今回、来年のワイン葡萄作りの為の剪定作業をさせてもらった。
この地域でワイン葡萄作りが始まるのは5月なのだが、本当の意味でのスタートは葡萄の枝を剪定して準備をするところからだということで、タイミング的にちょうど良かったこともあり11月からワイン葡萄作り体験をスタートさせてもらった。

学びのスタイル  

ここではワイン葡萄作りを始めてからまだそんなに年月が経っておらず、近所のワイナリーの指導を受けながらエコビレッジの会員シェアハウス滞在者みんなで試行錯誤しながら進められているようで、好奇心旺盛な私にはピッタリなシチュエーションだ。
プロの美しい葡萄畑で学ばせてもらえるのも、サバイバル精神であれこれ苦労し工夫しながら達成するというのも、それぞれ違う魅力があり私にとってはとても興味深い。

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身支度

私が訪問する1週間くらい前には雪が積もって葡萄棚が潰れそうになり、慌てて雪かきをしたとのことだったが、当日はすっかり雪も消えていて晴れた温かい日となった。
とはいえ外での作業なので、防寒にダウンコートを羽織り長靴を履いて軍手を着けた。
腰ベルトに通したケース入りの剪定バサミと小さめのノコギリを装着し、初めて味わう職人気分にワクワクしながら畑に向かった。

選定のコツ  

葡萄の枝は一定の方向に伸ばすようにして、一番しっかりしたメインになるフレッシュな枝を選んで残し、反対側を向いている枝はどんなに立派でも潔く切り落とす
残した枝の先端となるフレッシュなツルを決め、芽を8~10個ほど残してその先はどんなに長くて沢山の芽がついていようとも切り落とす。
枝から出ているツルは長いままにせず、3つだけ芽を残してその先は切り落とす。
枝や芽の数が多いと葡萄の木の養分が分散されて良い実がならないので、きちんと見極めて潔く切り落としていくのがコツのようだ。

プロの技 

剪定にはいろんな方法があるようでこれだけが正しいという訳ではないようだが、私が今回教わったのはこの方法だ。
ワイナリーにお邪魔して畑を見せてもらったところ、ワイン葡萄の木は枝が一定方向に伸びており枝の長さや芽の間隔もほぼ規則正しく整っていた
潔い剪定できれいに揃えると、次のシーズンの剪定が楽になるようだった。

ツルとの戦い

剪定して不要な枝を取り払う作業があるのだが、これがなかなか大変だった。
枯れて茶色くなった葡萄のツルがスナック菓子のベビースターのように固い状態でグルグルとぶどう棚の針金や枝に巻き付いていてなかなか外れないのだ。
剪定は頭を使い、枝の取り払い作業は根気を使うものだと思った。
しばらくの間は、ベビースターを見ると「キッ!」となりそうな気がする。

葡萄の生命力

今回、ワイン葡萄に触れながら実際に作業をすることで、葡萄の生命力の強さを感じた。
今までは自分の好みでないワインには全く興味を示さなかったが、今後は強い生命力で実った葡萄から造られる全てのワインに敬意を払おうという意識に変わった。

実体験の威力

ほんの少しではあるがワイン葡萄畑で実際に作業をすることによって、こんなにもすぐに意識の変化や学びを実感できることに驚いた。
この体験をするまでの経緯を、とても有り難く貴重な御縁だと感じている。

情報と笑顔

自分が素晴らしいと思ったものは独り占めせずに他の人たちにも情報を広めて、それに関連する需要者にも供給者にも笑顔が増えれば良いと思うので、今後その方法を考えながら情報発信に挑戦したいと思っている。

エコビレッジ情報  
http://ecovillage.greenwebs.net/

Vol.2へ続く