ドキドキの新校舎
秋は行事が盛りだくさんで、週末はいつもバタバタと忙しくしています。
今日は娘の小学校の日曜参観があり、通勤の日よりも少し早めに起きて準備をしました。
娘のお洗濯の腕前によりブルーグレーに染め上げられたお洋服を着て出掛けました。
私が外で働き始めてからは仕事が忙しくて余裕がなかったり、娘がお年頃で『授業参観は来なくてもいい』と言い出したりで、運動会以外の学校行事にはずっと参加していませんでした。
小学校に久し振りに足を運んだことと、この春に完成したばかりの新築の校舎ということで、少しドキドキしながら学校の中を眺めてまわりしました。
キャットウォーク
最初は、体育館で全校生徒による歌の発表がありました。
『キャットウォーク』と呼ばれる、体育館を上から見下ろせる通路があり、そこには校舎2階の廊下から行けるようになっていたので、早速行ってみました。
子供たちはステージの方を向いて並ぶので、体育館の後方で観ている保護者には後ろ姿しか見えないのですが、その『キャットウォーク』という通路からは子供たちの顔がとても良く見え、便利で親切な造りだなぁと思いました。
またその通路にはスポットライトなどの設備があり、新しい設備で演出される学芸会の劇を12月に鑑賞できることがとても楽しみに感じられました。
音楽の先生
小学校には音楽担当の先生がいて、その担当の先生の手腕と情熱次第で各小学校のブラスバンドなどのレベルが左右されるものなんだろうなと、私は思っています。
私の小学校のブラスバンドは(私は所属していませんでしたが)とても指導熱心でスパルタな音楽担当の先生のもとで特訓を重ねたお陰で、大きな大会によく出場してたくさんの賞をとっていました。
娘の小学校の音楽担当の先生は、ブラスバンドの指導にとても熱心な上に全校生徒の歌の指導にも力を入れているようで、発声練習でも声の出し方、歌い方をとても的確でわかりやすく上手に指導していました。
驚きの歌声
その成果があり、子供たちの歌は小学生によくありがちな『元気いっぱい力任せに叫ぶような歌声』ではなく『澄んで響く美しい歌声』に仕上がっていました。
心地良く聴き入ってしまうほどの素晴らしい歌唱力に驚きながら、もっと聞いていたいなと思いました。
自身が優れた結果を出せる人はそれなりにいると思いますが、優れた結果が出るような優秀な導き方ができ、大勢の子供をまとめる能力がある人はとても貴重だと思います。
ここの小学校の子供たちは、この音楽担当の先生に出逢い『歌唱』というものを自然に楽しく習得することができてラッキーだなと思いました。
新校舎にツッコミ
歌の発表の後は、各教室に移動して授業が始まりました。
年に1度の日曜参観日は2つの授業を続けて観ることになっていて、今回は道徳と社会科でした。
仕事でなかなか平日の参観日に来られない保護者や、兄弟姉妹の参観日が重なっている為、いつも1つの授業を半分ずつしか見られない保護者にはありがたい行事です。
新しい校舎はホールが吹き抜けになっていて廊下が広々としている、木の温もりいっぱいの造りで、教室はオープンスタイルになっていました。
廊下が広いのに対し肝心の教室が残念ながらけっこう狭く「バランス!!」と思わずツッコミを入れてしまいました。
重要なポイント
教室のすぐそばに水飲み場とトイレがあったので偵察してみました。
旧校舎は和式トイレが多く、2つしかない洋式トイレは古いタイプで便座がやたらと冷たく、座る度に「うわぁー、冷たいっ!!」と心臓をバクバクさせていましたが、新校舎は新しくて使いやすそうな洋式トイレでした。
私にとってトイレは、施設の良し悪しを左右する大きなポイントで、どんなに美味しい飲食店でもトイレの環境が悪ければ行きたいと思いません。
実は今の職場を志望した動機には『トイレがとても綺麗だったから』というのがけっこう上位に入っています。(もちろん履歴書には記入しませんでしたが・・・)
暑さと後悔
昨夜の大雨とは打って変わって爽やかな秋晴れとなったのは良かったのですが、日差しと大勢の人の熱気で校内はとても暑く、40人近くの子供たちがぎゅうぎゅう詰めになっている教室はまた一段と暑くて「しまった!もっと薄着にして、扇子を持参すべきだった!!」と早い段階で汗だくになりながら後悔しました。
立ちっぱなしで倒れないように、ちょっと廊下に出てみたり立ち位置を変えてみたりしていると、廊下や教室の壁に書道の作品や、子供たちの目標が書いてある顔写真付きのシートが貼ってあるのが目に入ったので、娘の作品や目標シートを探しました。
衝撃の『目標シート』
娘の目標シートを見つけて読んでみると『苦手な算数を頑張ります!』と書きたかったのでしょうが『若手な算数を頑張ります!』と書いてありました。
ガックリとその場に崩れ落ちそうになりながら『娘よ・・・どうやら苦手なのは算数だけじゃなさそうだから、国語もしっかり頑張ってくれ!!』と心の中で強く願いました。
『この間違い方は正に「野比のび太⇒野比のび犬」と同類のパターンじゃないか!』と気付き『やっぱりこの子って「野比のび子」だよねぇ・・・』と深く再認識しました。
もう母親としては『娘がどうか逞しく、笑顔で幸せに生きていけますように・・・』と祈るばかりです。
意外な一面
そんな調子の娘ですが、意外とスゴいところも実はたくさんあります。
自分が興味を持ちやりたいと思う事柄においては、物怖じせずにチャンスをしっかりと掴むのです。
マジックや大道芸などのショーで「誰かお手伝いしてくれる方いませんか?!」と声が掛かるといち早く手を挙げ、選ばれるとサッと前に出て、ミスすることなく堂々とお手伝いをこなし、満足げな表情で拍手をもらっていました。
授業参観では見たこともない、ピンと上に伸びた素早く美しい挙手でした。
一度ぐらい授業参観でもそんな姿を見てみたいものだなぁと思いつつ、娘の度胸の良さに感心しました。
合理的な楽しみ方
ディズニーランドでは『シングルライダー』といって、同行者と一緒には乗れないけれど、1人分の席が空いていれば乗せてもらえるというシステムが限られたアトラクションにだけあるのですが、娘は小学3年生の頃からすでに「私はシングルライダーでもいいからいっぱい乗りたい!」と、短い待ち時間で何度も乗っていました。
私はジェットコースターなどが苦手なので遊園地に一緒に出掛けても「ここで待ってるよ」となってしまいます。
でも娘は「じゃあ乗ってくるね!」と1人で行列に並んでは乗り、並んでは乗りを繰り返し、何の問題もなく遊園地を満喫してくれます。
1人でもしっかり楽しめるタイプなので、体力も気力もついていけなくなってきている私としては楽で助かります。
『持っている』娘
劇団四季の『キャッツ』のミュージカルには、劇中でダンス好きな猫に観客の一人が選ばれてステージ上で一緒に踊るというシーンがあるのですが、娘は小学校低学年の頃に選ばれてステージに上がりました。
大勢の人の前で、猫のメイクの役者さんと一緒に怖がることもなく楽しそうに踊り、エスコートされながら自分の席に戻った娘は、満面の笑みでとても嬉しそうでした。
他にもそういったことがけっこうあったので、自分が『こうなったらいいな』と願うことを実現させられる運のようなものが、もしかしたら娘にはあるのかなと思いました。
私の本心
人生はトータルで見ると良いことも悪いことも半々だとよくいいますから、娘は勉強や日々の生活では残念なことが多い分、自分が望むチャンスを手にできる機会も多いのかもしれません。
私は、もし自分なら常に平凡で起伏のない穏やかな人生よりも、ガツンと悪いことがあったとしても飛び抜けたスゴイことや楽しいことがある人生の方が良いなと思うタイプなので、娘の『のび太っぷり』を見せつけられる度に切ない気持ちになり嘆きもしますが、その残念さに本気で悩んだことは実は一度もありません。
本当はいつでも『この子はきっと大丈夫!』と思っています。
心のスキル
他人に左右されず自分の思う道を進み、自分は幸せだと自信を持って思える心の強さと、他人を気遣える優しさがあれば、例えテストでいい点数が取れなくても人間はオッケーだと私は思っています。
逆に、テストでいい点数をとって難しい試験に合格し、エリートの肩書きを手にしても、それを応用して自分を上手くプロデュースできていない人や、高い地位でチヤホヤされるのに慣れてしまって謙虚さを忘れ『裸の王様』になってしまっている人を見ると、せっかくなのに残念だなぁと思います。
やはり人生で学び、身につけるべきは『心のスキル』かなと私は思います。
私はたまに『勝ち気で強気な自分』がひょっこり顔を出してしまうことがあるので、謙虚さを忘れずにいなくてはと反省します。
いい大人の『強引に我を通す幼稚さ』は洒落になりません。
とはいえ
ただまぁ、あんまり勉強がダメすぎるのも問題なので『苦手』という漢字ぐらいは間違わないで書けるようになって欲しいかな・・・とは思います。
娘の教室の壁のあの目標シートは、一体いつまでそこに張られ続けるのかなぁ・・・
まったくもってトホホです。(←お気に入りの昭和の死語)