近づく春を感じながら


我が家の春

最近、少し気温が上がり穏やかなお天気が続いているせいか、何だかとても眠くてまったりとしがちです。
私が住んでいる地域にしては珍しく早い雪どけと、柔らかな陽射しに、近づく春を感じます。
年度の変わり目は娘の学校行事や新年度の準備があるのですることが多く、仕事もいろいろな業務が重なり一段と忙しくなりますが、楽しい行事新しい始まりがいっぱいの、明るい色彩溢れる春はやっぱり私の大好きな季節です。
3月は雛祭りもあり、我が家の愛しい老猫ちゃんも娘も私も、みんな揃って3月生まれなのでお誕生日のお祝いが続く上に、今年は娘の卒業入学という記念すべき行事もあるので、この春は一段と大盛り上がりになりそうな予感の我が家です。

ミュージカル鑑賞のこだわり

先日『リトルマーメイド』のミュージカルを鑑賞してきました。
公演が始まったのは何か月も前なのですが、私はロングラン公演の舞台を鑑賞するときは、早い時期に観ることよりも納得のいくお席で観ることに重点を置くタイプなので、人気の高い『リトルマーメイド』でお目当ての席が購入できる公演日を選んだところ2月の公演を観に行くことになりました。
新たな演目として東京公演に始まり、いくつかの都市で公演を重ね、やっとこの地域に来てくれたミュージカルなので、鑑賞する日を心待ちにしていました。
わざわざ遠くまで出掛けなくても素敵な舞台鑑賞ができる環境に感謝しながら、娘が4歳の頃から私たちは様々な舞台を鑑賞させてもらっています。


『リトルマーメイド』

海の中という設定で創り上げられたステージには、様々な工夫が凝らされていて、舞台の隅々まで興味深かったです。
深い青色にカラフルな海の生き物や海藻などがとても映える華やかな世界観に加え、海の中を泳いでいるように見せる為に役者がワイヤーで吊られた状態で身体を動かし続ける演出に、感心しながらずっと目を奪われていました。
私は、ディズニー映画として『リトルマーメイド』が上映された頃から、娘は小さい頃から何度となくDVDで観ていたお話なので、劇中の歌にも親しみがあり「無邪気にプリンセスに憧れていた小さい娘が、この春からは中学生になるのかぁ・・・」懐かしさと感慨深さを感じながらミュージカルを鑑賞していました。

新しい魅力

この演目は通路を役者が通るような演出がない為、ステージ全体を一目で見られるようにと後方真ん中ブロックの最前列の席を選んだので、ステージいっぱいに広がる歌やダンスをしっかりと楽しめました。
観客席には幼稚園児くらいの女の子がけっこういて、聴き慣れた歌と綺麗なお魚や人魚が次々と出てくる舞台を夢中でおとなしく観ていました。
子供にも人気の『ライオンキング』では、悪役が出てくるシーンがかなりシリアスな演出ですが、この演目では悪役コミカルな演技をするので、小さな子供も怖がることなく観れるのだろうと思いました。
最近、近くは見えるけど遠くがぼやけて見える私の目には、ステージ上の役者の顔がハッキリと見えずちょっぴり残念でした。


制服の下見

観劇の後はレストランで早めの夕食をとり、娘が中学校で着る制服を見に行きました。
販売している店舗が複数あり、その店舗により扱うメーカーが違う為、中学校から配布された案内広告を見ただけではよくわからなかったので、何店舗かまわりメーカーごとのデザインを見てからどれを買うか決めることにして、まずは下見をすることにしました。
第一候補に考えていた、女の子に人気のメーカーデザイン生地を見ると、思ったよりも特別感がなかったので、デザインよりも機能性を重視して購入することにしました。
その日は試着をしないつもりだったのですが、ある店舗で60代ぐらいの女性店員さんにとても感じ良く勧められ試着をすることになりました。

意外と可愛い制服

娘が通う中学校の制服は、地味でパッとしないデザインだと私たちは思っていたのですが、試着してみると思っていたよりも可愛くて、ちょっと嬉しくなりました。
制服となると、通常は3年間通して着るものなのでサイズ選び苦戦します。
大きい洋服は小さくお直しすることができても、小さい洋服を大きくお直しするのは難しいので、大きめのサイズを選ぶのが無難なのですが、あまり大き過ぎるサイズだと見た目が良くないので、制服のサイズ選びは本当に悩みどころです。
結局、1サイズ大きめの制服に決め、本格的に生地を切ってお直しをすると元の寸法に戻せなくなるので、生地を切らずに私が簡易的なお直しをして現在のサイズに合わせることにしました。


努力の成果

私は以前、アパレルの仕事をしていたのですが、金融機関からの転職だった為、ファッションへの興味と情熱は強くてもお洋服の仕組みに関する知識があまりなかったので、個人的に洋裁教室に通って勉強した結果、多少のお直しや娘のお洋服を作るぐらいはできるようになり、娘が小さい頃はお洋服浴衣、幼稚園の卒園式用のハロウィーン用の仮装ドレスなどを作っていました。
現在の仕事を始めてからは、とにかく忙しくて何かと時間が足りないので、手間は掛からないに越したことはないのですが、自分が身につけた技術を活用する機会があると過去の努力の成果を実感できるので、娘の中学校生活の準備に自分の技術がまた役立つことを嬉しく思います。

接客のプロ

最初は下見のつもりでしたが、娘が制服を試着したことでサイズお直し方法などが具体的に決まったので、私たちはその場で制服を注文してきました。
お洋服の販売に大事なのは、まずは試着をしてデザインの良さを知ってもらうことなので、試着する気のないお客様にも気分良く試着してもらえるような接客技術が必要となります。
私は、娘が気持ち良く試着できるよう導いてくれた店員さんに接客レベルの高さを感じました。
「感じの良さというものは仕事をしてきた年数だけでも、トークの上手さだけでもなく、心掛けや心遣いによっても大きく違いが出るもので、必然的にそれに伴った実績へと繋がるのだろうなぁ・・・」と思いました。


『洞察力』と『リスク管理

心遣い洞察力には密接な関係があり、どんな仕事においても重要な要素といえると思います。
なぜなら、洞察力がなければ状況を正確には把握できませんし、目に映る上辺のことだけが全てだと思っている人は、本人が深く状況を理解している気になっているだけで実際は浅い理解しかできていないので、心遣いはもちろんのこと的確な段取りもできないからです。
仕事にはリスク管理が必要となりますが、それは「こんなことが起きたらどうしよう・・・」とか「スムーズに事が運ばず悪い方に転んだらどうしよう・・・」というネガティブな発想があるからこそ考え出される対応策なので、常にポジティブシンキングだけで仕事を考えている人にリスク管理はできません。

段取りの仕方

それは段取りの仕方においてもいえることで、順調なら1週間でいける案件だからといって「じゃあ、1週間あれば問題ない!」と、リスク管理もせずに希望的観測で段取りを決めれば、何か起きたときにすぐさま締め切りに間に合わなくなり、立て直す時間もなく取引相手に迷惑が掛かります。
「間に合わなかったら待ってもらえばいい」という考えでは信頼を失うということも知っておかなくてはなりません。
時間がない場合は仕方ありませんが、日程を決める段階で融通が利く状況ならば、わざわざ余裕のない日程を組んで自分のチームを追い込む必要はありません。
段取りを任されている人間には、思いつき予想ではなく、きちんと状況確認リスク管理をした上で段取りを組む責任があるのです。


『木を見て森を見ず』

また、運営においても同じことがいえ、目先の数字や実績の為に取引相手に無理難題を押し付ければ一時的に数字を上げることができますし、自分たちの方が優位な立場なら押し付けるのも簡単でしょう。
ですが、取引相手が表立った非難をしてこなくても、そんな強引なやり方をすれば嫌われて敬遠されるのは必至です。
世の中には『木を見て森を見ず』な行動に対し「数字を上げたいなら相手に迷惑を掛けない方法でしないと信用を無くす」諭して他の方法を指導する管理者もいれば「いいぞ、その調子だ!数字を上げた者勝ちなんだから相手の都合なんて関係ない!」煽る管理者もいて、後者のような『木を見て森を見ず』な運営をする管理者の下で、その管理者と同様に良くない方向に進んでしまう人は可哀相な気がします。

読み聞かせと教訓

『北風と太陽』というお話があり、私は娘が小さい頃その絵本を何度も読み聞かせしていました。
旅人の洋服を脱がせる競争で、北風は力任せに風を吹き付けて服を飛ばして脱がそうとしますが、寒い風に吹かれた旅人は凍えながら必死に自分の服を手で押さえて離しません。
太陽は温かい光で辺り一面を照らし、旅人は陽気暑さに自ら服を脱ぎ、太陽が競争に勝つというお話です。
私は娘に、そのお話の北風『強引さ・意地の悪さ』を、太陽『優しさ・温かさ』を、旅人『人の心』を表していて、人は嫌がらせをしたり力づくで支配しようとする人には頑なに心を開かず優しく温かい気持ちの人には自然に心を開くものだと、娘が小さい頃から教えてきました。


シンプルな道理

そのお話の教訓は、子供にだけではなく大人にも大切だと思います。
威張っている人間や、中心となる人間だけが良ければ他の人間はどうでもいいと考えている組織のもとに人は留まりません
私は、世間で最近よく耳にする『人材不足だから働く人間が集まらない』というセリフは、本来なら大事に育てるべきだった人材を今まで随分な差別的扱いで、次から次へと使い捨てにしてきたツケが回ってきたことへの言い訳にすぎないと思っています。
とは言え、どんなに周りが悪習批判したところで何も変わりはしないので、今までそんな風にしてきた人々組織自体が、北風から太陽に変わる努力をする時だと自ら気付き行動をすれば良いと思います。
小さな子供でも理解できるシンプルな道理を、大人が理解できない訳がなく、自分たちが変えようとしなければ悪い状況はずっとそのまま変わらないのですから。