意外と快適な『おうち時間』
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年の春から全国的に自粛生活が始まり、我が家では毎年恒例のゴールデンウィーク旅行が中止になりました。
その上、週末もどこにも行けずにストレスを感じる生活になるかと思っていましたが、意外と私たち家族はまったりと過ごす『おうち時間』を快適に楽しみました。
休校になったことで活発な活動ができなくなってしまった娘ですが、パソコン好きなのでインターネット配信される学習プログラムを利用する勉強法を「繰り返し見られるし、自分のペースとタイミングで進められるのがいい」と好んで取り組んでいました。
家から娘の中学校までは徒歩で40分程かかり、教科書が入った重いリュックを背負い、部活道具のバッグを肩に掛け通学する娘を、私は常々「まるで10キロの米袋、またはそれ以上の重さの荷物を担いで遠くまで歩くのと同じで可哀相だなぁ・・・」と思っていたので「通学がなくなって超ラクちん!」と喜ぶ娘の姿に納得でした。
我が家の過ごし方
我が家の愛しい老猫ちゃんは、いつもお留守番だったのに、私たちがずっと家にいて老猫ちゃんをたくさん撫でて抱っこする新生活にご満悦の様子で、うんと甘えん坊さんになりました。
休校で給食がなくなり朝昼晩の食事を自宅で食べるようになった娘のために私はお料理に力を入れ、新型コロナウイルスに負けない免疫力を維持できるように、たくさんの緑黄色野菜と発酵食品を使った料理を作って食べさせました。
外食にも行けないので淋しい食生活にならないよう、なるべく娘と自分の好物を食卓に並べて気分をアゲるように心掛けていました。
世間ではマスクが品薄状態で購入が困難ということだったので、私は自分でマスクを作ることにしました。
家にはお裁縫が趣味の私が長期に渡り買い込んだ布地が山ほどあったので、インターネットに紹介されていた立体型マスクの型紙を少しアレンジして、私と娘の一週間分14枚と数枚のスペアで約20枚のマスクを作りました。
マスクのリメイク
家の片付けをすると、数年前に購入した子供用不織布マスクが大量に見つかりました。
開封済みのマスクなので誰かに譲るのも気が引け、大人用マスクを使用している娘は「今さら小さいマスクなんか着けたくない!」と言うので、私はマスク用のゴム紐を入手して子供用マスクに付け足し、長さを緩く調整して自分で使うことにしました。
「顔を覆う部分が小さすぎて変かな?」と不安に思いましたが、実際に着けてみると、暑いときは布地の手作りマスクで顔の大半を覆うよりも涼しくて良さそうに感じました。
話題の『アベノマスク』が我が家にも届いたので開封してチェックしてみると、特に汚れなどの問題はなく、良質のガーゼが何重にもなっているしっかりした造りで縫製も丁寧でした。
大きさは、鼻から顎下まですっぽりと覆える立体型マスクに慣れている私たちには縦幅が足りなかったので、私は届いた2枚の『アベノマスク』の上下に布を付け足し、両脇にタックを入れて立体型マスクにリメイクしました。
愛着のある洋服
家で過ごす時間が大幅に増えたので、私は家のスペースの大半を占めている洋服の見直しをすることにしました。
娘が小さい頃の洋服は私の手作りが多く、既製品は品質やデザインに一目惚れして購入したお洒落なものなので、娘の成長に伴い洋服が小さくて着れなくなっても布を付け足して着丈や身幅を直すと、娘も喜んで着てくれていました。
それ以上のリメイクが難しくなり、いよいよ娘が着れなくなってからも私は洋服を保管していたので、押し入れの中は洋服入りの段ボール箱でいっぱいでした。
今回その子供服を箱から出し、まずはキレイな状態のものと着古したものに仕分けし、私が手作りした洋服でキレイな状態のものは「いつか誰かに譲る機会があったら喜んで着てもらえるかもしれない」という希望の下、自分の作品として記念に引き続き保管することにしました。
そして私はその他の子供服を眺めながら「なんとかこの子供服をリメイクして再活用できないかなぁ・・・」と考えました。
エコバッグへのリメイク
日本でも自然環境保護運動(エコロジー)の一環で販売店のプラスチック袋が有料制になり、マイバッグの使用が強く推奨されているので、私は何点かの子供服をエコバッグにリメイクすることにしました。
幼稚園や小学校で着たスモックは動きやすいように身幅が広めに作られているのでエコバッグにピッタリの大きさでした。
私が作った娘の洋服も、過去に布を足して身幅を広くするリメイク済みだったので標準のお稽古バッグよりも大きなサイズになり、裾を縫い合わせて肩ひもを取っ手として付け替えただけで簡単にエコバッグに変身しました。
エコバッグを作りながら私は、15年以上前に受けたカルチャーショックについて思い出しました。
私はオーストラリア滞在中に、ヨーロッパのオーストリアから旅行に来ていたオーストリア人女性と友達になり、数年後、オーストリアの首都であるウイーンに住む彼女のところへ遊びに行きました。
そして彼女の家に滞在した約2か月の間にヨーロッパの国々に足を伸ばし、刺激的な時間を過ごしていました。
自然環境保護運動(エコロジー)
初めてウイーンのスーパーマーケットで買い物をした私は、レジ袋をもらえなかったのでレジ係の女性にたずねると「持ち帰るための袋は有料だから、袋を購入するか自分のバッグに購入した物を入れて持ち帰るかです。」と言われ、マイバッグを活用する文化を初めて知りました。
そのスーパーマーケットで販売しているのは1200円程の立派な布製のバッグか80円程の取っ手なし紙袋で、私はとりあえず安い紙袋を買ったのですが冷蔵・冷凍食品を入れると湿気で紙がもろくなり、重い物を入れると破れやすくなるので持ち帰るのに苦労しました。
当時の私はそれを単に『文化の違い』と捉え、驚いた思い出として記憶しただけで深く考えませんでしたが、日本でもプラスチック袋の使用を本格的に減らすための対策が制度化されたことを受け「遅いスタートではあるけれど、これを機会に便利さよりも自然環境保護運動(エコロジー)についてもっと真剣に考えた行動をしていこう!」と強く思いました。
洋服のリメイク方法
洋服のリメイクをいろいろ考え、娘が小学生のときに履いていた着心地の良いハーフパンツやジャージは、両脇の縫い目をほどいて横幅15センチの同色系の布2枚を左右に付け足しウエストと脚幅を広くし、部屋着としてリメイクしました。
ほとんど着ないままサイズが小さくなってしまったTシャツも、袖から裾までの両脇の縫い目をほどいて横幅15センチの布2枚を左右に付け足して身幅と袖幅を広げ、Tシャツの裾に上下幅20センチの布をぐるりと縫い付けて着丈を長くし、夏用パジャマにリメイクしました。
自分の洋服も一通りチェックし、現在の年齢的に丈が長く感じられるスカートの丈詰めをしたり、サイズがきつくなったものは娘の洋服のリメイクと同じ要領で身幅を広くしたり、パンツはゆったりと楽に履けるデザインに変更したり、袖が短く感じられる洋服には布を付け足して袖丈を長くしたりと、ずっと着続けてきた大好きな洋服をこれからも着続けられるようにリメイクしました。
万能なプチ雑巾
我が家では、使い古して不要になった布製品はすぐに捨てずに、一度洗濯をして10センチ×15センチぐらいの布切れに裁断してプチ雑巾として使います。
今回、リメイクが難しいと判断した着古し済みの洋服も、老猫ちゃんが吐く毛玉の掃除や家の掃除に使用するプチ雑巾になりました。
また、食器洗いを少ない水で済ませ、油類をなるべく排水溝に流さないための試みとして、私は油や調味料がついたフライパンやカレーなどを作った鍋、油汚れがついた食器は汚れを拭き取ってから洗うので、その際もプチ雑巾が重宝します。
キッチンペーパーなどを使うより、捨てるつもりの不要な布製品から作ったプチ雑巾を使う方が合理的なエコロジーだと考えて実行しています。
老猫ちゃんがこの頃ベッドと壁の間にすっぽりとはまってあたふたすることがあるので、老猫ちゃんの転落防止にプチ雑巾を袋に入れて危険な隙間に詰め込むなど、安全な環境づくりにも役立っており、我が家ではプチ雑巾が大活躍です。
『捨てればゴミ、活かせば宝!』
今回の自粛期間中、私はリメイクをしてかなりの枚数の洋服を再活用できるようにした他、以前いただいたサイズが合わない新品のカーテンをベッドのシーツにリメイクしたり、我が家では使わないシングルの敷布団カバーに布を付け足して掛け布団カバーにリメイクしたり、日常生活に必要なアイテムを作ることもできました。
不要な物をゴミにせず、活用できる状態へのリメイクを成し遂げた達成感と、今後も自分が好きな洋服を着続けられる嬉しさ、ずっと箱の中にしまっていた大量の布地をリメイクのために有効活用することができた充実感で私の心は満ち溢れています。
『捨てればゴミ、活かせば宝!』という考え方は自然環境保護運動につながる大切なキーワードにもなると思うので、私は今後もエコロジーのために良いアイディアが浮かんだら実行していくつもりです。
どこにも出掛けられない自粛期間でしたが、私には充実したリメイク生活をしながら家族と穏やかで贅沢な時間を過ごせた貴重な機会となりました。