『過去のブログ』を振り返る Vol.6

ブログを始めた頃の記事を、現在の書式スタイルに編集して掲載し、皆様にぜひご覧頂きたいと思いました。
どうぞよろしくお願いいたします(^^)/

Vol.8『言葉貯金』


旅立つ言葉たち

人は会話をしたり文章を書くことで、自分の中から日々いろんな言葉を発信します。
特に生活の中で口から出る言葉は多く、大半は何気なく話す事柄なので、自分の発言の全てを覚えているのは難しいものです。
発信され自分のもとから旅立っていった言葉たちは言霊を持ち、自分には想像もつかないどこかで、誰かを勇気づけたり新たなアイディアのヒントや何かを選択する際の後押しになって人の役に立っているかもしれません。
人の心を動かし励ますような印象深い言葉は、受け止めた人の中に意味のある大切なものとして残るので、発信した自分がその言葉を忘れてしまったとしても誰かの心の中にずっと存在し続け受け継がれます。
強い信念を持っている人でも、状況や環境の変化によって時に心が揺らぎ、悩んだ末に迷走し、自身の大事な基本が見えなくなってしまうことがありますが、言葉は時を超えて自分を励まし助ける為に自分のもとへ戻ってくると私は思っています。


言葉との再会

人のことは客観的に冷静に分析することができても、自分に関することは意外と気付かないでしまうことがありがちです。
私は2011年の東日本大震災で被災し、今後の生活についてどうするべきか決断をしなくてはならず考えを巡らせていたときに古い友人と久しぶりに会い、お互いの近況を話しました。
私が今後の生活環境や娘を育てていく上での環境についてどんな選択が一番良いのか、大きなジレンマを抱えながらハッキリと決められずにいることを話すと、その友人に「人生で起きる全てのことは、その人が生まれたときから決まっていて、実は死ぬ日だって同じように決まっているんだよ。今こうしてどちらの道に進むか迷うことも、考え抜いた末にどんな選択をするかも、あなたが生まれた時点で本当はもう決まっていて、結局はあなたが最終的に出した答えが正解なんだよ。だから自分の選択を信じればいいんだよ!」と言われました。


心を助ける言葉

その言葉は何年も前、その友人が悩んでいたときに相談にのった私が掛けた言葉でした。
私から聞いたということは覚えていない様子でしたが、その友人がその言葉を大切に心の中に持ち続けていた感じが自信と思いやりに満ちた話し方から伝わってきました。
私は、その友人がその言葉を発信したのが私だと覚えていないからこそ、こうして私に真剣に伝えてくれているのだろうし、前に私がその友人の為に掛けた言葉が今は私に必要だからこうして私のもとに帰ってきたのだろうと思い、戻ってきてくれた言葉に感謝し言霊の力を受け止めました。
突然の震災で多くのものを失った喪失感と、生活環境がガラリと変わってしまう先の見えない不安の中、前向きさ潔さで人を励ましていた強い自分の姿などすっかり忘れて深く沈み込んでいましたが、「私は大丈夫、もう迷わない!」と気持ちを切り替えると今まで悩んでいたのが急にバカバカしく思え、気持ちが軽くなりました。

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言葉貯金

久しぶりに会った友人が思い出させてくれた過去の自分の言葉で私は、物事を単純に捉え自信を持って行動できていた頃の自分を取り戻しました。
言葉というものは、発信して誰かの記憶に残したり、書き記して文字で残したりすることで貯金をすることができ、心がこもった言葉はいつか自分を助ける心強い味方になってくれるものなのだと思います。
また、私が発信した言葉で励まされた誰かがその言葉を他の人に伝え、更に誰かが心を動かされ、その繰り返しでどんどんポジティブの輪が広がるのはとても嬉しいことで言葉の発信名利に尽きますし、自分が誰かの言葉に感銘を受けて新しい気持ちで前進する度に言葉の力の大きさを感じます。
年齢を重ねる毎に様々な経験をして学び、若い頃とは考え方行動も変わるものですが、私は素晴らしいと思ったことには「賞賛の言葉」を、元気がない人には「寄り添う言葉」を、悩んでいる人には「そっと背中を押す言葉」を発信できる素直さ真っ直ぐさは変わらずに持っていたいと思います。
ブログという発信ツールを手に入れた今の私は更に言葉貯金のし放題。
これからも私は誰かの為にも自分の為にも、自分の中の言葉たちを綴り発信し続けていきます。