慌ただしい連休
今年のゴールデンウィーク前半の3連休はお部屋のお片付けと衣替えをしました。
ゴールデンウィーク後半の4連休は、101歳のおばあちゃんに会いに里帰りをする予定で、私たちの留守中にウチの老猫ちゃんのお世話をお願いするペットシッターさんとの打ち合わせもあり、前半の3連休はあっという間に過ぎました。
おばあちゃんに負けず、老猫ちゃんも21歳となかなかのご長寿で、特に問題もなく元気に生きてくれているのですが、やはり何かと心配だったので、5日間あるとゆっくりできる里帰りを、今年は4日間に短縮して行くことにしました。
ビッグなゲスト
ペットシッターさんとの打ち合わせには、またトカゲちゃんが一緒に遊びに来てくれました。
前回、トカゲちゃんが来てくれたのは昨年の10月で、恵まれた環境で大事にされながら一冬を越したからか、身体が一回りほど大きくなっていて、お腹が一段とポッコリしているように見えました。
ビッグになった黄色のゴージャスなトカゲちゃんは、春の陽気に気持ち良くお昼寝中で、移動用のバッグから取り出されて娘に抱っこされても警戒したり騒いだりもせず、ずっとスヤスヤと眠り続けたままで、その可愛らしい姿に私も娘もメロメロで夢中になりました。
無理矢理のグリーティング
ウチの老猫ちゃんは、長く生きているだけあり、自分の身を守り生きる為の術を習得しているようで、自分の知らない生き物や、関わらない方が良さそうなことには「は?!私は何も知りませんし、何も見えませんけど、何か?!」という態度で知らんぷりを決め通します。
前回、トカゲちゃんが遊びに来てくれたときも全く見ようとせずに、別の部屋でひたすら寝ていました。
ですが今回は娘に抱っこされて無理矢理トカゲちゃんに挨拶をさせられて「えぇー、ちょっと何すんのぉー・・・」と、とても困った顔をしていました。
トカゲちゃんも少し固まっていました。
トカゲちゃんと私
お互いに威嚇し合うこともなく、老猫ちゃんとトカゲちゃんのグリーティングは静かに終了し、老猫ちゃんはまた別の部屋へと消えました。
初めて見る生き物を見てすっかり目が覚めてしまったのか、トカゲちゃんはさっきまでとは打って変わって活発になり、ジタバタと娘の手から逃げようとしてペットシッターさんに取り押さえられていました。
「じゃあ、今度はママが抱っこしたら?!」と娘に言われ「そうだね!こっちにおいで!」と言いながらトカゲちゃんに手を伸ばすと、思いきりプイッとそっぽを向かれてしまい「ガガーン!」とショックを受けました。
拒絶される理由
私は動物が大好きなのですが、たまに動物に全く相手にしてもらえないことがあります。
ペットシッターさんが気を遣い、私にトカゲちゃんを差し出してくれたのですが「いいんですよ、こういうことにはもう慣れっこなのでお気遣いなく・・・」と私が言うと、トカゲちゃんはまた娘に抱っこされておとなしくしていました。
動物はもともと子供には優しいのか、子供は身体が小さいから怖い存在ではないのか、子供には邪気がないから安心するのかなどと考え、何だかおもしろいなぁと思いつつ、ふと「ならば一体、私にはどれほどの邪気が漂っているというんだろう?!」と少し不安になりました。
長旅のビール休憩
里帰りは、乗り継ぎが何度もあり所要時間も長いので、身軽に動けるようにスーツケースを先に送るのですが、今年は天気予報が日ごとに変わって気温が全く読めず、荷造りするのに苦労しました。
昼の飛行機に乗り、時間通りに中継地点の空港に到着し、電車で街まで移動して、まずはビール休憩をとりました。
バス移動の時間が長すぎるので、ほろ酔いで眠りながら行かないとやってられず、バスに乗る前はお気に入りの牛タン屋で食事をするのが恒例となっています。
娘は牛タン定食を、私は牛タンとホヤのお刺身とホタルイカの沖漬けを注文し、その土地の名物を味わいました。
ホヤと牛タン
ホヤのお刺身は、わさび醤油かポン酢で頂くのが一般的で、私はポン酢と紅葉おろしで頂きました。
『ばくらい』というホヤの塩辛も好きなのですが、今回は新鮮なホヤの味を楽しみたくてお刺身にしました。
最初の一口は苦みと渋みが舌に残り、それ以降はホヤの甘みが感じられるようなります。
私は、一口目のホヤの苦みと渋みが強すぎて二口目からは苦みを通り越して甘みだけを感じるようになり、ビールも甘く感じるような気がします。
牛タンは分厚いのが好みで、私のお気に入りのお店では分厚くても噛み切れるように上手な調理がされています。
薄くて噛み切れない牛タンを出すお店もあるので、お店の選択はとても重要です。
『よしもと新喜劇』の威力
バスに乗るとすぐに、iPadにイヤホンを繋いで、娘と一緒に動画を見ました。
私は最初に見たバラエティー番組の序盤でウトウトと寝入ったのですが、娘がバラエティー番組の次に『よしもと新喜劇』を見て、声を殺しながら体をゆすって大爆笑しているその振動で目が覚めました。
「眠ってる人のことを起こしちゃうくらい、そんなに激しく笑う?!」と思いながら、寝起きのボーっとした頭で一緒に見ていると、お約束のボケに思わず「いやいや、そんなバカな!(笑)」と普通に声に出してツッコんでしまい、ハッとしました。
おばあちゃん孝行
バスの停留箇所が少し変わったことで高速道路をより長く利用でき、道路も空いていたので、3時間程で目的地に到着しました。
バスを降りてさらに車で移動し家に着くと、おばあちゃんは待ちくたびれて居間で眠っていましたが、声を掛けて起こすと、私たちを見て嬉しそうに笑って迎えてくれました。
かつて、おばあちゃんのお気に入りはずっと私だったのですが、娘が生まれてからは娘が一番のお気に入りになったようで、二人はいつも隣に並んで仲良く一緒に過ごします。
私はそんな二人の姿を見る度に「あぁ、おばあちゃん孝行ができて本当に良かったなぁ・・・」としみじみ思います。
健康と長寿の秘訣
夕食は地元の野菜や山菜を使った煮物や炒め物で『懐かしの味』を期待しながら食べるとどれもやたらと辛く、舌が痛くて濃い味の料理を控えている私と、薄い味付けに慣れている娘にとってはちょっとした地獄でした。
どうしてこんなに辛い味付けなのかと聞くと、健康の為に最近は何にでも唐辛子を使っているとのことで「そういえば昨年は何にでもニンニクを使って料理をしたり、毎日ニンニクの味噌漬けを食べていたなぁ・・・」と思い出しました。
常に健康の為に食の情報を仕入れて実行しているから病気知らずで長生きできているなら、唐辛子もまた良しと思いました。
特別なラーメン
私は、里帰りすると必ず一度は地元のラーメンを食べに行きます。
自家製麺率が高く、煮干しダシが特徴のスープと薄皮のとろけるようなワンタンがとにかく美味しくて、私はいつもワンタンメンの大盛りを注文します。
評判のお店がたくさんあるので、毎回どのお店に行こうか迷うのですが、今回は久しぶりに物凄く混むお店に行きました。
11時からの開店だったので、朝ご飯抜きで10時45分にお店に着くように行くと、もう既に行列ができていました。
連休だからか3家族12人で来ているグループもいて、このお店のラーメンの魅力を物語っているように思いました。
地元のラーメンへの愛
開店と同時に店内に案内され、ワンタンメンが出されたのは11時25分でした。
最初に麺をすすると「うまい!」という言葉が口から飛び出し、10~15分ぐらい掛けて「うまい!」を連発しながらワンタンメンを完食するという至福のひと時を過ごしました。
私は今回、職場でお世話になっている上司たちに地元のラーメンをお土産に選びました。
私が今住んでいる地域もラーメンが有名なのですが、それとは違う独特なラーメンを、私のお気に入りの煮干しダシのスープを味わって欲しくて、重いのを承知で決めました。
自分の分のラーメンは、スーツケースがもういっぱいだったので諦めました。
お墓参り
ラーメン店を出て、満腹かつとても幸せな気持ちでお墓参りに向かいました。
お天気にも恵まれ、すがすがしい気分でご先祖様のお墓を回り「いつもありがとうございます。お陰様でとても幸せです。ありがとうございます。」と墓石にお水をたっぷりとかけ、手を合わせて何度も感謝の気持ちを伝えました。
青空の下、桜の花びらが浮かぶお寺の池のほとりでは、亀たちが気持ちよさそうに甲羅干しをしていました。
昨年も同じ場所で、ほのぼのと過ごす亀たちと、遅咲きの綺麗な桜を見ました。
来年も変わらず、平凡ながらも穏やかに幸福感を感じられるこの光景が見られるといいなと思いながらお寺を後にしました。
後編へ続く。