年に一度の里帰り ~後編~


感謝のご挨拶

ゴールデンウィークの後半の連休で、101歳のおばあちゃんに会いに里帰りをしました。
乗り換えを繰り返し長い移動を経てようやく実家に着き、元気そうなおばあちゃんの笑顔を見てまずは一安心し、お仏壇に手を合わせ、ご先祖様のお墓参りをし、自分の大切な人たちが元気でいてくれていることに改めて感謝しました。
お墓参りの後は、海岸沿いにある温泉旅館にみんなで泊まりに行きました。
午前中はとても良いお天気で、お寺の池のほとりでのどかな風景を楽しんでいたのですが、午後からは急に雨が降ったり晴れたりと何だかおかしなお天気になりました。

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温泉旅館にて

大好きな日本海を眺めながらのドライブを40分程し旅館に到着すると、窓から海が見える広いお部屋に案内されました。
お茶を飲んで一休みしてからすぐに大浴場に行き、ゆっくりとお湯につかりました。
ずっと入っていられるような心地良いぬるめのお湯で、おばあちゃんもご機嫌でした。
一度お部屋に戻り海を眺めていると、青空だったのが急に曇で暗くなり、凄い勢いでヒョウが降ってきました。
「えーっ、せっかくの日本海の景色がぁ・・・」と私も娘も残念に思っていると、空から稲光が走り、少し遅れて雷鳴が轟き「うわぁーっ!」と大声を出して驚きました。


無意識の解説

「海に落ちたのかなぁ?!」「ここにも落ちるかなぁ?!」ビクビクしながら話していると、また稲光が今度はさっきよりも近くに大きく見えて「ヒェェェェェッ!」と悲鳴をあげました。
「この旅館に雷が落ちたらどうしよう?!」と不安そうな顔で焦る娘の問いに、私は無意識のうちに「高い建物には普通、雷が落ちても電気を地面に流して被害を避ける為の避雷針という物が設置してあるから大丈夫なはずよ。」と口早に答えていて、自分の頭の中でその言葉を再認識することで「あ、そういえばそうだった、大丈夫なんだった・・・」とホッとしました。

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稲光と檜風呂

気持ちに余裕ができると、さっきまでとは打って変わって「灰色の空にジグザグに走る一本の太い黄色の稲光、これはまさに大自然のアートだよねぇ!贅沢な景色が見られてラッキーだね!」と盛り上がりました。
夕食まで時間があったので、今度は別のお風呂に入りに行ってみました。
中途半端な時間だったからか私たち以外には誰もおらず、貸し切り状態に妙にテンションが上がった私たちは、ヒャッハーな気分で円形や四角形の五種類の檜風呂を満喫しました。
私と娘は、樽型の檜風呂が特に気に入り、お漬物になった気分でしばらくお湯に浸かっていました。


夕陽のグラデーション

世間には『ワイン風呂』というお風呂にワインを入れて楽しむ入浴方法もあるらしいので、私は本物のワイン樽にお湯とワインを入れた『ワイン樽風呂』なんてものがあったら面白いだろうなぁと思いました。
私はワインを最後の一滴まで飲みきり、絶対にお風呂に入れたりはしないので「そんなお風呂があったら贅沢感が倍増しそうだなぁ」などと考えていると夕食の時間になりました。
お天気が落ち着き、やや曇ってはいましたが夕陽を見ることができました。
夕陽は、晴天よりも雲に光が映えた方が色のグラデーションが楽しめるので、より美しさが増していました。


アワビ三昧

私は、海に沈む夕陽を見て育ったので見慣れていましたが、久し振りに眺めるとやはり懐かしくて感慨深い気持ちになりました。
夕陽が彩る空と海の綺麗なグラデーションを楽しんだ後は、地元の食材をふんだんに使ったお料理に感激しました。
器の蓋を開けると、大きな肉厚のアワビが貝殻ごと入っていて、旅館の人がそこに地酒を注いで酒蒸しにしてくれ、ナイフとフォークで頂きました。
その他にお刺身にもアワビが使われており、どちらもとてもやわらかくて、おばあちゃんと娘がお腹いっぱいで食べきれなかった分も私が頂き、約3個分のアワビを食べてとても幸せでした。

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お風呂三昧

夜はまた違う浴場で露天風呂に入ったのですが、海風が冷たすぎて寒く、お湯がぬるめなので身体が震えて歯のガチガチが止まらず、早々に出て屋内の岩風呂でじっくりと温まってから寝ました。
次の日は朝から快晴で、朝食後に檜風呂に浸かり、お風呂上りは海を一望するカフェコーナーで紅茶を頂きました。
毎年、この温泉で宿泊した後に寄っている絶景が楽しめる島があるのですが、風が強くて危なそうだったので行くのをやめてお寺に行きました。
私の故郷には即身仏を祀ってあるお寺があり、私と娘は里帰りの際は必ずそこに行き二体の即身仏にご挨拶をします。


即身仏

この土地や人々を見守り続ける為に自ら決意した僧侶が、即身仏になる為の特別な修行を重ねた後に土の中の空洞に入り、鈴を鳴らしながらお経を唱え続け、鈴の音が止み、息が絶えたとされてから三年後に掘り出され、即身仏として祀られているのだそうです。
エジプトのミイラは、死体になってから腐らないよう手が施されますが、即身仏の場合は死んでも腐らない身体を自ら作る為に木の実などの決まったものだけを食べ、その後は断食をします。
人の為に自分の命を差し出す献身的な精神と、厳しい修業を全うし成し遂げるその覚悟と意志の強さに深く敬意を払い、里帰りの際はご挨拶に行くことにしています。


元気な二人

そのお寺の名前には『海』という字が使われており、またそのお寺の住職を務め即身仏になった二人の僧侶の名前にも『海』と言う字が使われています。
私は海が大好きで娘の名前にも『海』という字を使って名付けたので、そのお寺には何だか親近感を感じています。
お寺から戻ると、おばあちゃんと娘は仲良くお散歩に出掛けました。
おばあちゃんは昔から足腰が強く握力も強いので、手をつないでいると手を握り潰されそうになります。
眼下には、遠くには青い山々を望む眺めの良い道を歩き「お花が綺麗だった!」と二人ではしゃぐ姿を見て、元気で何よりだなぁと思いました。


食べられる幸せ

夜は地元のお寿司屋さんに行き、おばあちゃんも娘もお散歩でお腹が空いたようで、よく食べていました。
人間は、年齢と共にあまり食が進まなくなると、どんどん体力が落ちて弱り動けなくなってしまうと聞いたことがありますが、おばあちゃんが101歳にして元気でいられるのは、好き嫌いせずに出されたものは何でもモリモリと食べるからなんだなぁと納得しました。
海側の地域なので、もともとお肉よりもお魚を食べる率が高く、おばあちゃんの時代の人は特に野菜中心の粗食が多かったこともあって、いまだに内臓が丈夫なんだろうなと思いました。


懐かしの動物園

次の日はおばあちゃんに「また来るからね!」と告げ、昼頃のバスに乗りました。
渋滞やら悪天候でバスの到着が遅れても飛行機に乗れるように、いつも飛行機は遅い便をとっており、順調にバスが到着して時間があったので、娘の希望で動物園に行きました。
娘が小さい頃、よく行っていた動物園なので、懐かしく思いながら園内を見て回りました。
夕方になり涼しくなったからか、動物たちは活発に動き回っていて、特にシロクマたちがプールに飛び込んではザッブンザッブン激しく水しぶきをあげて遊んでいて、とても見応えがありました。


空港でのひととき

空港のレストランで夕食をとり、娘は地元のチーズを使ったピザを、私は牛タンとビールを頂きました。
食後はエアポートミュージアムに行き、娘はパイロット席での写真撮影や、飛行機の操縦体験ゲームをしました。
けっこう本格的な体験ゲームで、40代後半ぐらいの男性がかなり真剣に取り組んでいました。
ゲームの途中でも10分程たったら自動的に終了するシステムだったので、娘はとりあえず挑戦したのですが、目的地に近づいているのかどうかもわからないまま20分近くたっても終了の気配がなかったので、私が強制終了ボタンを押しました。


旅の終わり

「体験ゲームがずっと終わらなくて、どうなることかと焦ったよねー!」と二人で胸を撫で下ろして笑い、その地域の名物『ずんだシェイク』を味わい「里帰りって移動が大変だけど、美味しいものや楽しいことがいっぱいだよね!」と、数日間の旅に満足して帰路につきました。
夜遅くに帰宅すると、お留守番をさせられたウチの老猫ちゃんが、寝起きかつご立腹のご様子「うんにゃー!(怒)」力強く鳴いて出迎えて下さったので、私たちはひたすら謝り撫でさせて頂きました。
今年も無事に里帰りができ、家族の思い出を作れて良かったなぁと思いながらベッドに入ると、疲れと安堵感が押し寄せ一瞬で眠りに落ちました。

来年もいろんな意味で、無事に里帰りができたらいいなぁと思います。

年に一度の里帰り ~前編~


慌ただしい連休

今年のゴールデンウィーク前半の3連休はお部屋のお片付けと衣替えをしました。
ゴールデンウィーク後半の4連休は、101歳のおばあちゃんに会いに里帰りをする予定で、私たちの留守中にウチの老猫ちゃんのお世話をお願いするペットシッターさんとの打ち合わせもあり、前半の3連休はあっという間に過ぎました。
おばあちゃんに負けず、老猫ちゃんも21歳となかなかのご長寿で、特に問題もなく元気に生きてくれているのですが、やはり何かと心配だったので、5日間あるとゆっくりできる里帰りを、今年は4日間に短縮して行くことにしました。


ビッグなゲスト

ペットシッターさんとの打ち合わせには、またトカゲちゃんが一緒に遊びに来てくれました。
前回、トカゲちゃんが来てくれたのは昨年の10月で、恵まれた環境で大事にされながら一冬を越したからか、身体が一回りほど大きくなっていて、お腹が一段とポッコリしているように見えました。
ビッグになった黄色のゴージャスなトカゲちゃんは、春の陽気に気持ち良くお昼寝中で、移動用のバッグから取り出されて娘に抱っこされても警戒したり騒いだりもせず、ずっとスヤスヤと眠り続けたままで、その可愛らしい姿に私も娘もメロメロで夢中になりました。


無理矢理のグリーティング

ウチの老猫ちゃんは、長く生きているだけあり、自分の身を守り生きる為の術を習得しているようで、自分の知らない生き物や、関わらない方が良さそうなことには「は?!私は何も知りませんし、何も見えませんけど、何か?!」という態度で知らんぷりを決め通します。
前回、トカゲちゃんが遊びに来てくれたときも全く見ようとせずに、別の部屋でひたすら寝ていました。
ですが今回は娘に抱っこされて無理矢理トカゲちゃんに挨拶をさせられて「えぇー、ちょっと何すんのぉー・・・」と、とても困った顔をしていました。
トカゲちゃんも少し固まっていました。


トカゲちゃんと私

お互いに威嚇し合うこともなく、老猫ちゃんとトカゲちゃんのグリーティング静かに終了し、老猫ちゃんはまた別の部屋へと消えました。
初めて見る生き物を見てすっかり目が覚めてしまったのか、トカゲちゃんはさっきまでとは打って変わって活発になり、ジタバタと娘の手から逃げようとしてペットシッターさんに取り押さえられていました。
「じゃあ、今度はママが抱っこしたら?!」と娘に言われ「そうだね!こっちにおいで!」と言いながらトカゲちゃんに手を伸ばすと、思いきりプイッとそっぽを向かれてしまい「ガガーン!」ショックを受けました。


拒絶される理由

私は動物が大好きなのですが、たまに動物に全く相手にしてもらえないことがあります。
ペットシッターさんが気を遣い、私にトカゲちゃんを差し出してくれたのですが「いいんですよ、こういうことにはもう慣れっこなのでお気遣いなく・・・」と私が言うと、トカゲちゃんはまた娘に抱っこされておとなしくしていました。
動物はもともと子供には優しいのか、子供は身体が小さいから怖い存在ではないのか、子供には邪気がないから安心するのかなどと考え、何だかおもしろいなぁと思いつつ、ふと「ならば一体、私にはどれほどの邪気が漂っているというんだろう?!」と少し不安になりました。


長旅のビール休憩

里帰りは、乗り継ぎが何度もあり所要時間も長いので、身軽に動けるようにスーツケースを先に送るのですが、今年は天気予報が日ごとに変わって気温が全く読めず、荷造りするのに苦労しました。
昼の飛行機に乗り、時間通りに中継地点の空港に到着し、電車で街まで移動して、まずはビール休憩をとりました。
バス移動の時間が長すぎるので、ほろ酔いで眠りながら行かないとやってられず、バスに乗る前はお気に入りの牛タン屋で食事をするのが恒例となっています。
娘は牛タン定食を、私は牛タンホヤのお刺身ホタルイカの沖漬けを注文し、その土地の名物を味わいました。


ホヤと牛タン

ホヤのお刺身は、わさび醤油ポン酢で頂くのが一般的で、私はポン酢と紅葉おろしで頂きました。
『ばくらい』というホヤの塩辛も好きなのですが、今回は新鮮なホヤの味を楽しみたくてお刺身にしました。
最初の一口は苦みと渋みが舌に残り、それ以降はホヤの甘みが感じられるようなります。
私は、一口目のホヤの苦みと渋みが強すぎて二口目からは苦みを通り越して甘みだけを感じるようになり、ビールも甘く感じるような気がします。
牛タン分厚いのが好みで、私のお気に入りのお店では分厚くても噛み切れるように上手な調理がされています。
薄くて噛み切れない牛タンを出すお店もあるので、お店の選択はとても重要です。


よしもと新喜劇』の威力

バスに乗るとすぐに、iPadにイヤホンを繋いで、娘と一緒に動画を見ました。
私は最初に見たバラエティー番組の序盤でウトウトと寝入ったのですが、娘がバラエティー番組の次によしもと新喜劇を見て、声を殺しながら体をゆすって大爆笑しているその振動で目が覚めました。
「眠ってる人のことを起こしちゃうくらい、そんなに激しく笑う?!」と思いながら、寝起きのボーっとした頭で一緒に見ていると、お約束のボケに思わず「いやいや、そんなバカな!(笑)」と普通に声に出してツッコんでしまい、ハッとしました。


おばあちゃん孝行

バスの停留箇所が少し変わったことで高速道路をより長く利用でき、道路も空いていたので、3時間程で目的地に到着しました。
バスを降りてさらに車で移動し家に着くと、おばあちゃんは待ちくたびれて居間で眠っていましたが、声を掛けて起こすと、私たちを見て嬉しそうに笑って迎えてくれました。
かつて、おばあちゃんのお気に入りはずっとだったのですが、娘が生まれてからは娘が一番のお気に入りになったようで、二人はいつも隣に並んで仲良く一緒に過ごします。
私はそんな二人の姿を見る度に「あぁ、おばあちゃん孝行ができて本当に良かったなぁ・・・」としみじみ思います。


健康と長寿の秘訣

夕食は地元の野菜や山菜を使った煮物や炒め物『懐かしの味』を期待しながら食べるとどれもやたらと辛く、舌が痛くて濃い味の料理を控えている私と、薄い味付けに慣れている娘にとってはちょっとした地獄でした。
どうしてこんなに辛い味付けなのかと聞くと、健康の為に最近は何にでも唐辛子を使っているとのことで「そういえば昨年は何にでもニンニクを使って料理をしたり、毎日ニンニクの味噌漬けを食べていたなぁ・・・」と思い出しました。
常に健康の為食の情報仕入れて実行しているから病気知らずで長生きできているなら、唐辛子もまた良しと思いました。


特別なラーメン

私は、里帰りすると必ず一度は地元のラーメンを食べに行きます。
自家製麺率が高く、煮干しダシが特徴のスープ薄皮のとろけるようなワンタンがとにかく美味しくて、私はいつもワンタンメンの大盛りを注文します。
評判のお店がたくさんあるので、毎回どのお店に行こうか迷うのですが、今回は久しぶりに物凄く混むお店に行きました。
11時からの開店だったので、朝ご飯抜きで10時45分にお店に着くように行くと、もう既に行列ができていました。
連休だからか3家族12人で来ているグループもいて、このお店のラーメンの魅力を物語っているように思いました。


地元のラーメンへの愛

開店と同時に店内に案内され、ワンタンメンが出されたのは11時25分でした。
最初に麺をすすると「うまい!」という言葉が口から飛び出し、10~15分ぐらい掛けて「うまい!」連発しながらワンタンメンを完食するという至福のひと時を過ごしました。
私は今回、職場でお世話になっている上司たちに地元のラーメンお土産に選びました。
私が今住んでいる地域もラーメンが有名なのですが、それとは違う独特なラーメンを、私のお気に入りの煮干しダシのスープを味わって欲しくて、重いのを承知で決めました。
自分の分のラーメンは、スーツケースがもういっぱいだったので諦めました。


お墓参り

ラーメン店を出て、満腹かつとても幸せな気持ちお墓参りに向かいました。
お天気にも恵まれ、すがすがしい気分ご先祖様のお墓を回り「いつもありがとうございます。お陰様でとても幸せです。ありがとうございます。」と墓石にお水をたっぷりとかけ、手を合わせて何度も感謝の気持ちを伝えました。
青空の下、桜の花びらが浮かぶお寺の池のほとりでは、亀たちが気持ちよさそうに甲羅干しをしていました。
昨年も同じ場所で、ほのぼのと過ごす亀たちと、遅咲きの綺麗な桜を見ました。
来年も変わらず、平凡ながらも穏やか幸福感を感じられるこの光景が見られるといいなと思いながらお寺を後にしました。

後編へ続く。

『過去のブログ』を振り返る Vol.3

ブログを始めた頃の記事を、現在の書式スタイルに編集して掲載し、皆様にぜひご覧頂きたいと思いました。
どうぞよろしくお願いいたします(^^)/

Vol.5『おばあちゃんの知恵袋』

今年で100歳になった大正生まれの私のおばあちゃんは、有り難いことに今も元気に暮らしています。
おばあちゃん子の私は、おばあちゃんにたくさんの愛情をもらいながら育ちました。
ここでは、おばあちゃんが私にしてくれた愛情溢れる行動ほんの一部を紹介しようと思います。

タンコブと梅の漬け汁

幼稚園に入ったばかりの頃、私は壁に頭をぶつけてタンコブができてしまいました。
痛がって泣き続ける私のタンコブを早く治してあげようと、おばあちゃんは自慢の知恵袋から一番良い方法を選び、自家製の梅とシソが漬け込んである壺をもってきて、たっぷりと漬け汁を含ませた赤いシソの葉を、私のタンコブの上にふんだんに乗せました。
私は「おばあちゃん、なぜ食べ物を私の頭の上に?!」と戸惑いながら、「これをつければもう大丈夫だからね」と微笑むおばあちゃんの隣で、顔に垂れてくる梅の漬け汁を拭くのに必死で、コブの痛みは続いていましたが、もはやそれどころではなくなり、早々に泣き止んだ記憶があります。
梅の漬け汁がコブの痛みに効果的だったかは未だに不明ですが、痛みで泣いている子供を泣き止ませるのには効果的だったと言えるのかもしれません。

しもやけとミョウバン

日本海のすぐ側で生まれ育った私は、冬の冷たい海風で手がかじかみ、毎年しもやけになって大変な思いをしていました。
両手が野球のグローブのように腫れ上がり、指が曲げられず箸を持つのも難しく、冷えれば痛くなり、温めれば痒くなるという、どうにもならない酷い状態のしもやけを見て、幼い孫の両手を何とかあげたいと思ったおばあちゃんは、私の為に自慢の知恵袋から治療法を探り出しました。
茄子のお漬物を作る際に、鮮やかな青紫色にする為に使うミョウバンを持ってきて、洗面器に入れたお湯に溶かして私の前に置き、「これに手を浸すと、血行が良くなってしもやけが治るからね。」とおばあちゃんは微笑みました。
促されるままミョウバンを溶かしたお湯に両手を浸す私の横で、おばあちゃんは「これで大丈夫」と一安心していました。 
そして数日が過ぎましたが、私のしもやけは一向に良くならず、むしろ段々と手が青紫色に変化していきました。
ミョウバンは確かに血行を良くする作用があるらしいのですが、肌質によっては色素沈着を起こすらしく、私の手はそれからしばらく、立派な青紫色のグローブと化してしまいました。

風邪とネギ

小学4年生の時に風邪をこじらせてしまい、学校を何日も休んだ私を気遣ったおばあちゃんは、久しぶりに登校する日の前夜「可愛い孫に、もう二度と風邪など引かせまい!」と、自慢の知恵袋からとっておきの予防法を取り出しました。
長ネギは風邪の予防に効くからと、私の首に軽く炙った1本の長ネギをぐるりと巻いたのです。
「おばあちゃん、なぜ野菜を私の首に?!」と、私はタンコブに梅の漬け汁をつけられたとき以来の衝撃を受けましたが、まだ子供だったので「きっとおばあちゃんが言うのだから間違いないのだろう」と思い、おとなしく首に長ネギを巻いて寝ました。 
次の朝、おばあちゃんは「学校にも巻いて行けるようにカッコよくしたからね」と、タオルで包んだネギを私の首に巻きつけました。 
タオルで包んでもネギを首に巻いて出掛けるのは恥ずかしかったのですが、自分の為に一生懸命にしてくれるおばあちゃんの優しい笑顔を曇らせたくなくて、私はネギを巻いたまま登校しました。


純朴なクラスメイト

学校に着き教室に入ると、クラスメイトはすぐに長ネギのニオイと私が首に巻いているタオルに気付き、私を囲んで物珍しそうに眺めていました。(そりゃそうだ!) 
久し振りの登校な上に、首に長ネギなんか巻いてきて、クラスメイトに何を言われるのかと、私はドキドキしていたのですが、そこは昭和時代の田舎の小学生、馬鹿にするのではなく「なんだかスゴイものを巻いていて特別な感じだぞ」「仮面ライダーのスカーフみたいでカッコイイ」「できれば自分も試したい」という予想外の反応で、私はその日の話題の中心となり、一躍してヒーロー的な扱いを受けました。
その日、家に帰ってから早速、風邪予防の為に首に長ネギを巻いてもらったというクラスメイトが何人もいて、おばあちゃんの知恵はちょっとしたブームになりました。
おばあちゃんの知恵と、首に長ネギを巻いた私の姿が学校で笑われるんじゃないかと心配していた私は「純朴で素直なクラスメイトに恵まれていて良かった・・・」とホッとしました。

ハンドルカバー

中学生になった私は、雨の日も風が強い日も自転車で通学しなくてはいけませんした。
幼い頃、おばあちゃんお薦めのミョウバンによって青紫色のグローブと化した手が、風雨にさらされてますます痛そうな様を見て、可哀想な孫の為に何とかしてあげたいと思ったおばあちゃんは、今度は自慢の知恵袋からではなく自分の自転車からシニア感漂うハンドルカバーを外して私の自転車につけてくれました。
私はもう中学生お年頃だったので「さすがにこれは恥ずかしいなぁ・・・」と言うと、おばあちゃんは「任せて!」と近所の自転車屋さんに向かい、赤い縁取りが素敵な白い本革のハンドルカバーを買ってきて「これなら大丈夫!」と微笑みました。
せっかくのおばあちゃんの厚意を断るのも気が引けたので、とりあえず素直に使ってみたところ、実際に暖かくて便利だったのですが、いくら田舎の純朴な子供とはいえ、さすがに思春期で恥ずかしかったので、少しの間だけハンドルカバーを使い、その後は「おばあちゃんに貰った手袋を使うことにしたから」と言って、そっとハンドルカバーを外しました。

更なる強者

高校に通うようになると、いろんな地域に住む友人ができました。
たまたま話の流れで、小学生のときに首に長ネギを巻かれた話をしたところ、新しい友人から「私は中学生の頃、熱で寝込む度、おばあちゃんに4センチぐらいに切った生の長ネギを鼻に詰められてたよ。」と、私の経験を遥かに上回る、パンチの効いた強烈なエピソードが飛び出しました。
「鼻に生の長ネギを・・・しかも中学生で・・・それはニオイも状況もあまりにキツイ・・・」衝撃を受けた私は「あぁ、ウチのおばあちゃんがその知恵を持ち合わせていなくて本当に良かった~!」と胸を撫で下ろしました。
そのとき私は、おばあちゃんがいつも私に言っていた「どんな事柄においても、必ず上には上がいるものだ。自分の目に見えているだけの小さな世界で『自分が一番だ』なんて過信してはいけないよ。」という言葉を思い出し、心から実感しました。


長い冬が終わったら、そんな様々な思い出を胸に、私の為にいつも一生懸命に手を尽くしてくれた大好きなおばあちゃんに会いに行こうと思います。


この記事を書いたのは2016年11月です。
おばあちゃんは現在101歳、お陰様で病気もせず元気に長生きをしてくれています。
2018年のゴールデンウィークも、お土産をたくさん持って会いに行く予定です★

『ワイン体験レポート2年目』4月


今年の作業スタート

2018年4月14日(土)に、娘とワイン葡萄の栽培作業に行ってきました。
今年の秋に収穫するワイン葡萄の為の作業としては、前年のワイン葡萄の収穫を終えた11月頃にする、ワイン葡萄の木の『剪定』からがスタートとなるのですが、雪を伴う悪天候で剪定作業への参加が難しかった為、今年のワイン葡萄の栽培作業は今回の『棚上げ』からのスタートとなりました。
4月といっても風はまだ冷たく、街に出掛けて歩き回るのと、畑に立ちっぱなしで農作業をするのとでは体感温度がかなり違うので、油断せずにダウンのロングコートを着て長靴を履き、マフラーをしてニット帽をかぶり、完全防備で挑みました。

大自然の癒し

ワイン葡萄の畑がある施設は宿泊もでき、以前は泊りがけでワイン葡萄の栽培作業に参加していましたが、週末の予定が段々と増えてきたので、最近は日帰りで参加しています。
朝早いバスに乗るのは大変ですが、海岸沿いの道路から大好きな日本海を眺めるのが一つの楽しみとなっています。
畑に着くと、広大な景色と溢れる春の大地の香りに、心身ともに癒されていくのがわかりました。
私は、職場でいろんな経験を重ね、日々学べるのが楽しくて、絶対に病気などで仕事を休みたくないので、普段はマスクを着けて生活しているのですが、今回はマスクなしで大自然の中、マイナスイオン満喫しました。


新たなスタイル

施設の近所のワイナリーのオーナーが、いつものように作業のレクチャーをしてくれました。
この施設のワイン葡萄棚は、一番下のワイヤーが一般的な葡萄棚よりも低い位置に張られていて、本来ならワイン葡萄が成長していくにつれ立って出来るはずの作業が、腰を曲げないとできない状態だったので、今年はワイヤーが高い位置に張られていました。
また、昨年は質の良いワイン葡萄を実らせる為に、余計な枝は潔く切り落とす剪定をしたのですが、雪の重みで枝が折れたり虫や病気の被害で枝がダメになり、ワイン葡萄の実りが少なくなってしまうリスクを考え、今回は枝を多めに残していたので、今年の棚上げ作業は昨年とは勝手が違いました。

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予想外の被害

雪深い冬の間、ワイン葡萄の木たちは雪の下で眠るのですが、今年はネズミが雪の下に潜ってワイン葡萄の木の皮を食べてしまうという被害がその地域で発生したとのことで、見てみると木の皮が部分的にない木が幾つかありました。
木が成長する為に土から栄養分を摂り入れる管は、木の中心ではなく外側の皮にあるので、木をぐるりと一周する形で皮を食べられてしまうとその管が途中で途切れた状態になり栄養を枝に運ぶことができず成長できなくなってしまうのだそうです。
残念ながらそんな木が何本か出てしまっていたので、今回の枝を多く残して多くの実りを確保する方針の剪定正解だったと思いました。

娘との共同作業

『棚上げ』は、雪に潰されて地面の上に横たわっているワイン葡萄の木を、葡萄棚の一番下のワイヤーの高さまで持ち上げ、枝をワイヤーに巻き付けて括る作業なのですが、ワイヤーの位置がだいぶ高くなっていたので、ワイン葡萄の木を起こすのに苦労しながら、娘と二人掛かりで作業を進めました。
私が起こした木や巻き付けた枝を娘が押さえ、私が麻紐でワイヤーに括りつけ、娘が紐の端を切るという共同作業はなかなか楽しかったです。
枝が多く残っているので、本来なら一定の方向に統一して枝を括るところを左右に伸ばしたり、何本も重なった状態でワイヤーに括りつける必要があり、枝の方向やバランスに悩みました。


ミラクルな出逢い

冷たい風が吹く中、腰を曲げた状態で作業を続け、ふと体を起こして一息つくと、黄金色のフサフサしたものが視界に入りました。
この地域は大自然の中にあり、飼い犬たちも自由なので、たまに脱走して遠くまで冒険に出ることがあるようで「あぁ、どこかの家の柴犬が脱走して遊びに来たのかな・・・」と見てみると、なんとキタキツネでした。
私が過去に見たことがあるキタキツネは小さくてとても細い印象でしたが、そこに登場したキタキツネは、しっぽは勿論、身体の毛もまだ冬仕様なのかフサフサで、身体も大きめでした。
「うわぁー、可愛い!キツネちゃんが見れるなんて感激!!」と、私はドキドキしながら近づいて行きました。


キタキツネと私

そんな私に警戒して逃げる様子もなく、キタキツネは「いつも通り散歩してるだけなんですけど、何か用ですか?!」という感じで、しばらく私を見ていました。
私がじわじわと距離をつめていくと、さすがにキタキツネは少し移動して一定の距離を保ち始めました。
キタキツネが進むと私も進み、キタキツネが止まると私も止まるという『ダルマさんが転んだ状態』を続けている内に、私とキタキツネは葡萄棚からだいぶ離れ、道路を越えて向かい側の草原まで進んでいました。
キタキツネは草原に座り込み、石をかじったりゴロゴロ転がったりして遊び始め、私はその姿に感動しながらキタキツネがいなくなるまでずっと見ていました。

大自然の恵み

「あのキツネちゃんは、ワイン葡萄の木の皮を食べて栄養補給したネズミたちを捕まえて食べたりして、食に困らない恵まれた自然環境で生きているから身体が大きめでふこふこしていたのかもしれないね!」と、大自然食物連鎖について娘と話しながらお昼ご飯を食べました。
施設のスタッフが、畑で採ったふきのとうで作った『ふき味噌』を、白米と一緒に試食させてくれました。
『ふき味噌』は、一度ゆがえてからすぐに調理すると苦味がイイ感じに消えるそうで、程よい苦味の甘辛いお味噌を、圧力鍋で炊いたツヤツヤの白米で美味しく頂きました。
春の恵みを味わえて、得した気分になりました。


コーヒーマイスター

午後も少し作業をし、キリの良いところで止めると畑の方に歩いてくる人がいました。
この施設の会員さんで、コーヒーの差し入れに来てくれたとのことだったので、みんなで少し早めのおやつ休憩をとりました。
その方は趣味でコーヒーマイスターの資格を取得したとのことで、持参した季節限定の豆を挽いて丁寧にコーヒーを入れながら、コーヒーの入れ方のコツなどを教えてくれました。
その方のコツは、はかりを使って豆とお湯の量をきちんと一定にすることと、挽いたコーヒをコーヒーメーカーに入れお湯をかけて蒸らすときに、お湯が均等にいき渡る様に、バターナイフを使って湿った粉に切り込みを入れることでした。

贅沢なコーヒータイム

コーヒーは、ぬるくなってからの方が甘みが増すとのことだったので、少しおいて、ドーナツと一緒に頂きました。
私は常々、酸味のあるものやビターなもの、種類やブレンドによって味が違うことなどから、ワインとコーヒーには通ずるものがあると思っており、そんな話をしながら贅沢なコーヒータイムを楽しみました。
帰りは、その地域の駅前のお店で地元の食材を購入し、キャリーケースいっぱいに詰め込みました。
海が近い地域なので、野菜や果物の他にも新鮮な海の幸や加工品が揃っていて、私たちはいつも帰りにここで買い物をします。
今回は、ゴールデンウィークに帰省する際のお土産も購入しました。


不思議なワインバー

時間に余裕があったので、以前から気になっていた、地元産のワインが味わえる週末だけオープンワインバーへ行ってみました。
想像していたお店の雰囲気とは若干違いましたが、ボトルに残ったワインの保管はきちんと真空がなされ、リーデル社製のグラスを使用していてセンスが良く、シックでシンプルなお店の造りは居心地が良かったです。
午後3時から営業していてカフェメニューもあったので、私はワインを、娘は地元産のアップルティーを注文しました。
このところ、ずっと舌が痛くて赤ワインから遠ざかっていたのですが、やっぱりせっかく飲むならと、地元で有名なワイナリーの赤ワインを2種類頂きました。

絶妙な味わい

薄いグラスから舌の上に流れるワインを味わうと、どちらのワインも適度な重みと濃厚な果実味が感じられる絶妙なバランスで、グラスで1000円程のお値段に値していると思いました。
ワインと一緒に注文した『3種のおつまみ盛り合わせ』は、地元産の無農薬の枝付きレーズン地元の野菜のお浸しと和え物で、枝付きレーズン以外は私がイメージしたものとは違い「チーズや生ハムじゃなくて、地元産の野菜推しなんだな・・・」と思いました。
美味しい赤ワインをグラスで2杯頂きエンジンがかかり、もっと飲みたくなったのですが、大荷物を持ってバスで帰らなくてはならないので、おとなしく帰りました。


大人への道

ワイン葡萄の栽培指導をしてくれているワイナリーのワインが発売されていたので2本購入し、キャリーバックいっぱいに持ち帰った海の幸やその地域産の野菜、お惣菜と一緒に家で頂きました。
コクがありつつもスッキリと飲めるロゼワインで、一晩で一本飲みきってしまいました。
年齢と共に肝機能や腎機能が低下してきているので、最近はフルボトルのワインを一本空けると次の朝まで酔いが残ってしまい「あぁ、半分にしておけば良かった・・・」後悔を繰り返しつつ、気に入ったワインと大好きなシャンパはつい一本飲みきってしまうので、そろそろ『ちゃんと我慢ができる大人』にならなくてはと思っています。

次回のワイン葡萄の栽培作業は5月半ば、今からとても楽しみです★

どうぞよろしければ、娘氏のブログもご覧ください。

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アートの影響力


クラッシックコンサート

先日、娘とクラッシックコンサートに行きました。
この地域には、斬新なデザイン音響効果にも優れた、素晴らしいコンサートホールがあり、私は移住してきたころから、世界でも有数のその贅沢なホールに、よく娘を連れて音楽鑑賞に通っていました。
私が仕事を始めて毎日が慌ただしくなってからは、足を運ぶ機会がずいぶんと減ってしまい、今回は半年振りのコンサートでした。
この地域にゆかりのある有名な作曲家の作品を、地元の交響楽団が演奏するコンサートで、私は何年か前にも同じ作曲家をテーマにしたコンサートを娘と鑑賞したことがあったので、何だかとても懐かしく思いました。

ノリノリな演奏

今回のコンサートのテーマになっている作曲家と繋がりの深い指揮者が迎えられ、いろんなエピソードトークを交えながらプログラムは進んでいきました。
とてもアクティブで大胆な指揮をする方で、両手を高く挙げてそのままジャンプするんじゃないかと、私は指揮者に目が釘付けでした。
演奏が終わる度に見せるとても活き活きとした笑顔から、音楽という表現に情熱を注ぎ、心から楽しんでいる様子が伝わりました。
交響楽団の何人かの演奏者も、指揮者の勢いに影響を受けたのか、上半身や頭を音楽の流れに預けて大きく左右に動かし、定期演奏会で見せる表情とは違い、ノリノリに見えました。

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生演奏の魅力

指揮者はもともと打楽器奏者として活躍をしていた方のようで、今回のコンサートでは全体的に打楽器の魅力を引き出すようなプロデュースがされていました。
最後列には多くの種類の打楽器がずらりと並び、いつもあまり目立たない打楽器奏者がフルに活躍し、ステージ上で忙しく移動しては、様々な打楽器を力強く演奏して輝いているのが新鮮で印象的でした。
演奏は、指揮者によって曲のイメージ音の広がり方だけではなく演奏者のテンションまで変わり、コンサート会場ではそれがわかりやすいくらい伝わるので、興味深くて面白いなぁといつも感じます。

感性の活躍

指揮者の方は、アカデミックな知識がほぼない状態音楽大学に入学し、アカデミックな学習を重ねつつも、感性を第一に音楽を楽しんで学ぶという姿勢を持ち続けて現在に至っているとのことでした。
「知識よりも感性を大事にして音楽と向き合っているから『音で表現できることの喜び』が溢れ出て、聞く側の心まで明るくするような演奏を導くことができるのかな・・・」と思いながら、まるで青空のように気持ち良く広がる音楽を聴いていました。
私は感性第一で生きることに大賛成で、自分自身もそうして生きているので、感性を生かして活躍している人の凄さを、実際に間近で見ることができて感激しました。

素敵な刺激

仕事が忙しかったり、疲れていたりで、なかなかタイミングが合わず疎遠になっていましたが、やっぱりコンサートホールで生演奏を鑑賞するというのは良い刺激になり、厳かな雰囲気の中に身を置くことで心が研ぎ澄まされ凛とするので、これからはこういったコンサートになるべく足を運ぶように心掛けようと思いました。
この地域は、芸術的なことに取り組んでイベントを開催する人や、そういった催しに興味を持ち、鑑賞する人がとても多いと私は感じています。
今年は画期的な新劇場もオープン予定で、芸術面では更に恵まれた環境になるので、音楽に限らず演劇やアートの鑑賞にも、以前の様に積極的に行くようにしようと思いました。

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お散歩と美術展

次の日は祝日だったので、美術展に行きました。
気持ち良く晴れた暖かい日で、美術館まで娘とお散歩がてら歩いて行きました。
館内はかなりの人で溢れており、私たちは前売券を持っていたので、チケット売り場の行列には並ばずに入場できましたが、展示会場に入ってすぐの作家の経歴パネルの前で多くの人が読み入っている為、そこで行き詰っている状態でした。
私は、展示されている作品を眺め、気に入った作品をしっかりと目に焼き付け、その印象大事に持ち帰ることに重きをおいているので、解説パネルなどは読むのを諦めて、作品を展示しているコーナーに進むことにしました。

お気に入りの作品

流れが止まって人混みになっているのは会場の入り口付近だけで、そこをすり抜けて奥の方に進むと、割とゆったり観ることができました。
版画の大作が多かったのですが、タイミング良く、混雑していない状態で全体をしっかりと眺めることができました。
その作家は、ゴッホの作品『ひまわり』と同じ構図で油絵も描いており、今回の展示ではその作品が話題となっているようでしたが、私にはその作家の特徴ともいえる、ふっくらと丸みのある人物画の方が印象的でした。
ねぶた祭り』を描いた長い巻物になっている作品と『弁財天』を描いた作品が私は特に気に入り、それらは長い行列に並んでじっくりと鑑賞しました。

親子の不思議

私は、女性の優しさや優雅さを引き出し、最も艶やかに美しく描いた画家はルノワールだと思っているのですが、この作家の描いた『弁財天』の柔らかで穏やかな美しさに、ルノワールの作品と共通するものを感じました。
どの作品が印象的だったかを娘と話すと、二人とも同じ作品で、私がルノワールの作品と共通する雰囲気があったと感じたことに、娘も「あ、わかる!」と言っていて「やっぱり親子だねぇー!」と一緒に笑いました。
私は、美術鑑賞後はいつもワインが飲みたくなり、作品の印象によって赤ワイン、白ワイン、シャンパと飲みたいものが違ってくるのですが、今回は『和』テイストの美術展だったからか、お蕎麦が食べたくなりました。

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版画の授業

作家の地元の小学校での版画の授業の様子などが紹介されている映像を見て、私は小学校で版画を作成していた頃のことを思い出しました。
『版画コンクール』への出展を意識していたからか、先生たちもが入っており、白黒の刷り上がりを考えた、のびのびと見える下絵作りから、くっきりと輪郭線でメリハリをつけるのではなく、彫り方をいろいろと工夫して、顔の表情や風景の表現を豊かにすることまで指導され、けっこうな完成度を要求されていました。
彫刻刀を使っての作業は、小学生にとってはなかなか簡単には進まない難しさがあり、冬休みに家でも作業しないと間に合わないくらい大変だったことを覚えています。

娘のセンス

娘も小学校で板版画を作ったようで、完成したものを持って帰ってきましたが、私が子供だった頃の様式とは違い、白黒ではなくカラフルなインクを使って色がついた紙に刷るので、新しい感覚の明るいアートで楽しそうでした。
私は、娘が小さい頃から彼女の色彩センスがとても好きで、今回の版画も「とても綺麗な色の組み合わせで洒落てるなぁ。」感心しました。
娘は学校の成績でも、芸術や技術の面で良い評価を受ける傾向にあり、私と同じで感性第一で生きているのかなぁと感じました。
もう少し体力と時間に余裕ができたら、お料理の他にも娘と一緒に何か創作活動
ができたら面白いだろうなと思っています。

アートの影響力

音楽鑑賞と美術鑑賞思考と気分の転換になったことに加えて、暖かい陽ざし春の匂いが私たちをワクワクした気持ちにさせ、「お出掛けをして、いろんなことに挑戦しよう!」活力が溢れてきました。
近いので「いつでも行けるし・・・」と思ってばかりで、なかなか行けていない観光地にも今年こそは行って、以前から気になっていたガラス工房オリジナルのグラス作り挑戦しようと思います。
ワイン葡萄栽培も、今年は娘と二人で作業に参加して、大自然の中での創作活動に取り組むつもりです。
芸術的な要素インプットが、こんなにもやる気満々のポジティブアウトプットに繋がるなんて、アートの影響力って凄いなぁと思いました。

よろしければ、娘氏のブログもどうぞご覧下さい(^-^)

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楽しい春の始まり


ささやかで穏やかな幸せ

老猫ちゃんと娘に続き、私も先日お誕生日を迎えました。
『お誕生祝いに欲しいものは何だろう?』と考えてみたときに、私も娘も思い浮かぶ物がありませんでした。
以前はいろんな物に興味があり、ショッピング好きな物の収集が趣味でしたが、今は欲しかった物もだいたい手に入っており、特に不自由を感じることもなく、食べたいときに食べたい物も美味しく食べれているし、たまにお洒落なお菓子お高級なグルメを頂くという嬉しいサプライズにも恵まれ、愛しい老猫ちゃんは今も元気で私たちをいつも癒してくれ、そういったささやかな幸せが溢れているので「お誕生日だからといって、プレゼントに欲しいコレといった物なんて別にないんだよねぇ・・・」「うん、私もそう。」と二人で話しながら、平和で穏やかな日々を送れているのはとてもありがたいことだなぁと思いました。

肩透かしな選択

金曜日の夜は2週連続で、映画のテレビ放送を見ました。
ちはやふるという、漫画が原作の『競技かるた』をする高校生たちの青春ストーリーで、興味津々で張り切って見ている娘とは対照的に、私はただ何となく一緒に見ていただけなのですが「娘もあと何年かしたら、お友達とこんな風に高校生活を送るようになって、いろんな青春を経験していくのかな・・・」
母親目線でしみじみ考えていたら、どんなストーリー展開になるのかとすっかり夢中で見入っていました。
そして土曜日は久しぶりに劇場で映画鑑賞をしようと娘と盛り上がり、娘が選んだのはちはやふる~結び~』ではなく、まさかの『グレイテストショーマン』
「あ、そこは『ちはやふる』の~上の句~と~下の句~からの流れで~結び~を観るワケではないんだ・・・」肩透かし気味に感じながら、映画館へと向かいました。

映画館での誤算

『グレイテストショーマン』ミュージカル仕立ての作品で、一人の裕福ではない男が、持ち前の創造力、発想力、行動力を発揮して個性あふれる特別な劇場をつくり、富や名声を手にして生活が変わり、それと引き換えに失うものも出てくる中で、本当に大事なものに気づくといったストーリーでした。
「見た目や肌の色の違いで差別されてきた私たちも、やっと居場所を見つけた!幸せになる権利は誰にでもある!私たちはもう視線を恐れない!」という力強い歌詞とダンスに感動し、「そうだ!頑張れ、負けるな!」と熱く応援しながら涙を拭き拭き観ていました。
家で老猫ちゃんと一緒にのんびりと過ごしながらDVD鑑賞をする方が快適だからと、しばらく映画館に行っていなかったので、つい家にいる調子で飲み物を飲み過ぎた私は、あろうことか映画の途中でお手洗いに行きたくなってしまいました。


天の助け

あぁ、大人なのにうっかりした行動をしてしまった!これじゃあ、せっかくの映画鑑賞が台無しだ!オーマイガッツ石松降臨、ヨイショーッ!!(←言ってみたかっただけ)と焦りながら、お手洗に立っても目立たないシーンになるのを待つ間、一人でソワソワしていました。
列の真ん中あたりの座席だったので「映画の途中に席を立って移動すると、目の前を通られる人たちが迷惑するよなぁ・・・」と思いながら自分の隣から通路までの席をそっと見ると、なんと奇跡的に全部空席「おぉっ、天が私に味方してくれている!」と大袈裟に感謝しながら、そそくさとお手洗へ向かいました。
「映画館は迫力がある音と画像が楽しめていいんだけど、自由が利かないのがちょっとなぁ・・・」と思いながら、お手洗を後にし上映シアターに向かっていると前方のシアターの扉が開きました。

忙しい映画鑑賞

そこではちはやふる~結び~』を上映していたようで、出てきた大勢の学生たちに私は一瞬で飲み込まれてしまいました。
「面白かったよね!」「泣いた?」「えー、泣いたのぉ?!」と話しながらキャッキャとはしゃぐ学生たちの波に流されながら「いったい、なんてタイミングなんだ・・・早く映画の続きが観たいのに・・・」トホホな気持ちで少しずつ前進し、ようやくシアターに戻りこっそりと席に着きました。
歌とダンスのシーンが始まったところで、お腹まで響く深い歌声カッコいいフォーメーションのダンスにすぐに引き込まれました。
「少し見逃してしまったけど、大事なシーンは観られて良かった。」と思いながら、再び感動しては泣き、懲りもせずまた飲み物を飲み、歌に聞き惚れてダンスに見とれ、そしてまた泣くのを繰り返し、何だかとても忙しい映画鑑賞となりました。

久しぶりのお蕎麦

映画が終わり、いつもの流れでお寿司屋さんに行くと残念ながら改装中で、私も娘も完全に『寿司モード』だったので、何を食べるかしばらく悩み、娘のリクエストで珍しくお蕎麦を食べることになりました。
店長お薦めの『鴨そば』を注文し、細くて白い綺麗なお蕎麦を、柚子の皮が入った熱い鴨汁で頂きました。
お出汁がよくきいた具だくさんの鴨汁が細いお蕎麦によく絡みとても美味しく、大盛りをペロリと頂きました。(えっ、麺類って大盛りが基本じゃないんですか?!)
「そういえば、昔はよくあちこちの美味しいお蕎麦屋さんを巡ったなぁ・・・」と、板ワサ天ぷらをおつまみにビールを飲んだり、洒落たバーオーナー自慢の手打ち蕎麦赤ワインを頂いたり、蕎麦打ち体験をして細く切るのが難しく手こずったことを懐かしく思いました。


それぞれのミッション

食事の後は、映画の半券を握りしめクレーンゲームのコーナーに行き、娘とそれぞれ1回ずつプレイをして、私は小さなお菓子を8個ゲットしました。
新年度になるので、娘の新しい靴や文房具を買う為に各フロアを回ると、珍しくお天気の良い週末だったからか物凄い人混みで、レジの長い行列に並んでいる内にグッタリと疲れてしまいましたが、娘が気に入ったペンケースやスニーカーが買えたと喜んでいたので良かったなぁと思いました。
スニーカー3足と文房具でけっこうな荷物の量になり、早く家に帰りたかったのですが、私には重要なミッションが残っていたのでそうもいかず、お休憩に春らしい『苺のフレッシュジュース』を飲みながら気を取り直し、余力を振り絞って目的の場所へと向かいました。
そのミッションとは『iPhone』のバッテリー交換でした。

『勿体ない』と思う気持ち

私は、5年程前に使い始めた『iPhone5』を現在も愛用しています。
バッテリーの調子が悪くなり、この機会に機種変更もチラッと考えたのですが、カバーに入れて壊れないように注意して使ってきたので傷もなく綺麗な状態で、使用上の不都合も特にないのに、使い慣れた古い『iPhone』不要な物にしてしまうのが何だか勿体ないような気がして、バッテリー交換をして使用し続けることにしました。
現代社会では変化や進化が目まぐるしく、それはきっと良いことでもあるのですが、その流れで人はどんどん新しいものを手に入れ、古いものをすぐに手放し、『古いは恥ずかしい』という風潮になっている気がします。
まだ使える物を簡単に捨てるというのが私はどうも苦手で、便利さだけが追求され、日本人が昔から大事にしてきた『勿体ない』と思う気持ちが薄れているのを残念に感じています。

『iPhone』の修理

インターネットで調べ、iCracked(アイクラックト)という、本社がアメリカにあり日本に店舗が多数ある『iPhone』修理のお店に持ち込みました。
予約なしで行ったのですが運良くすぐに対応してもらえました。
とても感じの良い親切な店員さんの説明を聞くと、そこでは比較的安価で修理を受けられるのですが、一度そこで修理をするとアップルストアでの修理補償は使えなくなるという条件がありました。
『iPhone5』アップルストアの修理補償期限がもう既に切れている製品の為、アップルストアでの修理代は安くはならないとのことだったので、私は特に迷うこともなく、そのお店でのバッテリー交換をお願いしました。
通常料金は3800円なのですが、保険に加入すると2800円になるというプランもあり、保険についても詳しく具体的に教えてもらいました。


私の『iPhone5』

その保険は月々700円で、修理の補償を回数の制限なく年間最大10万円まで受けられ、『iPad』やノートパソコンなどの端末も1契約で3台まで保証可能な、お得な保険でした。
加入しようか考えましたが、そのお店の修理料金自体が比較的安価なので、実際に壊れたときに通常料金で修理してもらい、いよいよ大幅に壊れてしまったときは機種変更を考えるのもありかと思い、今回は保険には加入せずに通常料金で修理を依頼しました。
修理が完了し、今まですぐに電池が減ってしまう状態だった私の『iPhone5』正常な状態になり、現在も問題なく使用できています。
最新の製品に比べれば機能は劣るとはいえ『iPhone』自体が簡単に持ち運べる高性能なコンピューターなのだから、私はこの『iPhone5』可能な限り使い続けたいと思っています。

春の始まり

やっと家に辿り着くと、ぐっすりと眠りながらお留守番をしていてくれた老猫ちゃんが起きてきて「今までどこにいってたんニャー!すぐに撫でろニャー!」お怒りのご様子だったので、娘と二人で謝りながら撫でました。
そして、最近『入浴』に凝っている私に上司お誕生日祝いとしてプレゼントしてくれた、芳醇な香りナウい(←お気に入りの昭和の死語)『バスボム』を使ってゆっくりとお風呂に浸かり、早々に寝ました。
厳しい冬もようやく終わり、久しぶりに娘と『街ブラ』をして、映画、食事、お買い物と活発に過ごしたお天気の良い休日は、楽しい春の始まりを告げているような気がしました。

皆様も、映画館での水分の摂りすぎにはどうぞお気を付け下さいませ★

よろしければ、娘氏のブログもご覧ください(*^^*)
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『ワイン体験レポート2月』


特別なスパークリングワイン

私は、2016年の11月から『ワイン造り』に携わらせてもらっています。
2016年の秋にワイン葡萄の収穫が終わり、2017年のワイン葡萄栽培の為の準備ともいえる『選定作業』からスタートしたワイン葡萄作りは、その時期その時期のいろんな作業を経て順調に進み、2017年の秋には立派な実りのワイン葡萄の収穫に至りました。
そのワイン葡萄たちは、ワイン葡萄栽培の指導をしてくれている近所のワイナリーのオーナーに託され、今年もスパークリングワインへと華麗な変身を遂げました。
『ワイン造り』に携わることができるというだけでも私にとってはプレミアムな体験ですが、やはり実際に出来上がったワインを味わうことこそが一番の醍醐味だと思います。
今回は、私が携わって完成したスパークリングワインについて、記そうと思います。

ダイバーシティ―なワイン葡萄栽培

私は、本格的なワイナリーではなく、とある地域の大自然の中にある施設の一角にあるワイン葡萄畑で、その栽培作業に参加させてもらっています。
ワイン葡萄の栽培を指導してくれるのはプロのワイン醸造なのですが、実際に栽培作業に関わっているのはほぼ素人で、しかも毎日のように栽培作業をするのはその施設の少数のスタッフだけで、あとは有志のメンバーや何らかのイベントでその施設に訪れた人がカリキュラム内で少しずつ作業をするという具合で、とにかくたくさんの人の手によってなされたワイン葡萄栽培でした。
2016年にワイン葡萄の栽培を再開するまでずっと放置されていた畑だった為、土壌のコンディションが良くない上に『剪定』『棚上げ』などの要所要所の作業も、担当する人のセンス手先の器用さにより仕上がりにバラつきがありました。


不思議な可能性

そんな状態の栽培作業でも立派なワイン葡萄を実らせ、無事に収穫することができたのは、長年の経験と勘で天候によるワイン葡萄への影響を常に先読みし、適切な対応のアドバイス栽培指導をしてくれたワイナリーのオーナーと、素人ならではの好奇心と作業に対する慎重さ上手く絡み合った成果だと私は思います。
除草は楽しい作業ではありませんが、たまの機会に無心になってひたすら草をむしることで、日常のストレスや邪念から解放されたい人にはうってつけの作業となり、薬を使わない害虫駆除はとても手間と時間を要する作業ですが、子供たちの手にかかれば紙コップ片手の『虫集め競争』になり、自然の中で楽しめるゲームに早変わりです。
こんな風に、手掛ける人により様々な作業も大自然の中のアクティビティーの一つになるのが、この施設の魅力なのかもしれません。

いろんなイベント

2017年10月に収穫されたワイン葡萄は、2017年12月にスパークリングワインになりました。
2016年に収穫されたワイン葡萄で作られたスパークリングワインがその年の12月にできたときは、初の試みということもあり『試飲会』が行われ、私はできたてのスパークリングワインを飲むことができたのですが、今年は有料のイベントに参加した人だけが飲めるというシステムに変わり、私はそのイベントには参加しなかったので、残念ながらできたてのスパークリングワインを味わうことはできませんでした。
有料のイベントが嫌という訳ではなく、行われるイベントは内容がいろいろで、自分の好みに合わないものもあるので、自給自足を方針としているその施設に会員登録はしていても、参加するかどうかは内容によって決めています。


複雑な気持ち

2017年の夏にその施設に仲間入りした羊たちがおり、3頭は夏が終われば返却する除草目的のレンタル羊でしたが、もう1頭食肉用に購入された子羊でした。
今回、参加を見送ったイベントは『飼育して育った子羊を食肉に加工して皆で頂く会』的なもので、レストランのシェフが料理したその子羊の肉を、2017年産のできたてのスパークリングワインと一緒に味わうといった内容でした。
私と娘は、夏にその施設を訪れたときに羊たちといっぱい遊び、その子羊とも仲良くなっていたので、スパークリングワインを味わうことを優先して、その子羊を食べるイベントに参加する気にどうしてもなれず、参加を見送りました。
イベント後に『皆で美味しいお料理とスパークリングワインに舌鼓を打ちました!』という報告のお知らせを読んだときも、何だか複雑な気持ちでした。

『若き日のカルメン

できたてのスパークリングワインを味わうことはできなくても、会員には1本ずつもらえることと、別に購入することもできるので、スパークリングワインの販売のお知らせを楽しみに待っていました。
2月に入り、ようやくそのお知らせが届いたので、早速3本を購入し、会員としてもらえる分と合わせた4本が手元に届きました。
2017年産のスパークリングワインは前年のものとは違い、ボトルが緑色ではなく透明で、スパークリングワインの色がダイレクトに見えるようになっていました。
前年は淡い桜色『つつましやかなプリンセス』といった印象だったのに対し、2017年産は皮もしっかりと漬け込む製法で、美しい葡萄色に仕上がっており、そのインパクトと艶のある赤色はスパークリングワインの味の濃さと豊潤さを想像させる、まるで『若き日のカルメンといった印象でした。


味わいと余韻

2月中旬頃が飲み頃だと、造り手のワイナリーのオーナーが言っていたので、まずは2月11日18日に飲んでみました。
手作り感溢れる王冠キャップを開けると、強めの泡が勢いよく弾けだしました。
前年よりも状態の良いワイン葡萄皮まで漬け込んで醸造したからなのか、ボトルの中の発酵のパワーが凄いなぁと感じました。
チューリップ型のシャンパングラスで頂きました。
グラスから香りをとると、100%の葡萄ジュースそのままのフレッシュさ酵母が混ざったような香りがしました。
ルビーのように真紅に光るそのスパークリングワインは、その色に負けない程の濃い果実味と葡萄の皮のコクを感じさせ、舌の上で楽しみがいがある深めの味わいで、後味に葡萄のフレッシュな香りが残り、一口一口の余韻を楽しめる興味深いスパークリングワインに感動しました。

ワイン造りの醍醐味

「やっぱり、ワイン葡萄の栽培に携われることの醍醐味は、実際にできあがったワインを味わうことにこそあるよなぁ・・・」としみじみ思いながら、こんな素晴らしい体験ができていることに改めて感謝し、2018年はどんな風にワイン葡萄栽培に携わっていこうかと考えながら、特別なスパークリングワインを味わいました。
2016年産のスパークリングワインは7月になっても味に大きな変化のない状態で頂けましたが、2017年産のものはボトルの中の発酵のパワーが強く、あまり長く置いておくと味が大幅に変わるような気がしたので、残り2本のスパークリングワインも近いうちに頂いておいた方が良いと感じました。
ちょうど、3月3日は老猫ちゃんの21歳のお誕生日で、3月10日は娘の11歳のお誕生日だったので、お祝いのめでたいお酒として頂くことにしました。

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ボトルの中の変化

3月3日は2月の中旬に頂いたときと比べて「あれっ、果実味と香りのインパクトが減ったかな・・・?!」という程度だったのですが、3月10日に頂いたときは既に果実味がアルコールの味へと変わり、香りもフレッシュな葡萄の香りではなく発酵が進んだアルコールの香りに変わっていました。
嗜好品ですし味の感じ方は人それぞれですが、私の味覚と好みとしては2月中旬の味がベストに感じられました。
375mlのボトルを4本購入し、わざと間隔をあけて頂いたのは、人為的にいろんなモノを加えずに、自然の恵みを最大限に生かした直球勝負の製法で造られた『生きているワイン』ボトル内で変化していくのを確かめてみたかったからなのですが、「こんなにも早くアルコールが前面に出るのなら、もっと早い時期から味わった方が良かったかも・・・」と思いました。

試行錯誤と貴重な経験

その施設のワイン葡萄栽培とワイン造りはまだ2年目『600年前のワイン造り』をテーマに、余計なものを加えず、人の手と収穫した葡萄だけでワインを造るという目標のもと行われているので、醸造家でありワイン栽培の指導者でもあるワイナリーのオーナーによると、この先数年は試行錯誤が続くだろうとのことでした。
2018年のワイン造りは、葡萄の皮は漬け込まずにスパークリングワイン本来の『白仕立て』にするそうなので、今回のように発酵と味の変化が速く感じられる濃厚なスパークリングワインを味わうのは貴重な経験になると考えられます。
にまたこのスパークリングワインを頂いて、どこまで発酵してどんな風に味が変わるのかを実験的に確認してみるのも一つかなと思っています。
また、次年のスパークリングワインは、12月から購入できるように提案しようとも考えています。

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