『福祉系資格』の取得


社会への復帰

私は「人生で一度は自分で事業を展開してみたい」という夢を持っています。
ですが具体的な案は固まっておらず、今は企業で働き経験を重ねて学ぶ時期だと考えています。
結婚、出産を経て育児に専念する生活を長く送ってきたので、私が社会で働くことから離れていた約10年間で時代は大きく変わっており、今から5年前「そろそろ社会に復帰して仕事をしよう」と思った私は、竜宮城から帰ってきた浦島太郎のようでした。
将来的に自分で事業を展開する為に、いろんなことが自分でできるようになりたいと思い、過去に経験のない一般事務職での就職を考えましたが、時代にすっかり置いて行かれている状態ではかなり厳しいということに気がつき、私はまずパソコン教室に通ってワード・エクセルパワーポイントの講習を受け、3級以上の資格を取得しました。
もともと持っていた資格にパソコンの資格が加わったことで仕事の選択肢が広がり、とある経済団体で初めてのオフィスワークを経験させていただくことができました。


福祉への関心

規模の大きい職場だったので、仕事の内容も量も多く忙しい毎日でしたが、広報誌の数ページを一から編集して仕上げ、ホームページの編集やイベントの起案、集客、実施など多様な業務をこなす度に自分がスキルアップできていることを実感でき、とても充実したオフィスライフでした。
そんな日々の中、通勤時やプライベートで目の不自由な方を度々お見掛けすることがあり、電車の乗降や歩行のお手伝いをしている内に「私が展開したいのは福祉に関連する事業なんじゃないか」と感じるようになりました。
すぐに転職を考えた訳ではありませんでしたが、いずれは福祉関係の仕事に携わりたいと強く思い始め、具体的にどんな仕事があるのか、自分にもできる仕事は何かと考えていました。
そんな折、障がいのある方々が社会と繋がりながら健康的な生活を送る為のスポーツ活動を推進し、スポーツイベントを開催して発表の場を作っている公益性の高い社会福祉事業所での仕事のお話しをいただき、その事業所で働けることになりました。


貴重な経験

4年に1度の国内冬季大会の実行委員会事務局での経理事務とイベント補助が私の仕事で、大会周知パレードへの参加、有名アスリートを迎えての採火式(神宮にて聖火をいただく式典)の開催、各都道府県から参加団体の代表者を集めた競技場現地説明会の実施、参加選手や来賓等への大会関連のご案内など、スポーツの大会ならではの開催準備に関わり、新鮮で学びの多い日々でした。
大会を前に準備万全の状態だったのですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、残念ながら開催日の数日前に大会中止が決定されてしまい、検討されていた事務局存続の話も流れてしまったようで、私は今年の4月でその事業所を後にすることとなりました。
大会の急遽中止に伴い、多方面へのお知らせやお詫び、キャンセル料の精算、返金等の後処理に追われ慌ただしい状況になりましたが、人命を第一に考えた大会中止の決定は英断だったと私は思いましたし、大会中止による独特な事務処理もなかなかできない貴重な経験と思いました。

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『福祉の精神』

次はどんな仕事をしようかと考え始めた頃は、新型コロナウイルス猛威を振るっている真っ只中で、テレワークが推奨されたり学校のお休みが続いていたりで世の中が混乱した状況でした。
需要が高まる業種と衰退する業種の明暗が分かれたりもしていたので、私は自分の今後のことは少し様子を見てから決めることにしました。
福祉関係の事業所で働いてみて、福祉の仕事といっても幅広く様々な職種があることや、仕事によって必要な資格が違うことを知り、私は「福祉関係の仕事がしたい」と言いながらも福祉についてほとんど知らないことに気づきました。
そこで、まずは福祉について勉強して『福祉系資格』を取得し、福祉施設で助けを必要としている人と実際に関わることで『福祉の精神』を知ることができるのではないかと考えました。
口先や理想だけではなく、本物の福祉の心を持って自分に向き合うことができれば、きっと自分が目指すべきものが見えてくるはずだと思った私は、さっそく情報を収集して資格取得に向かい動き始めました。


久しぶりの学生生活

そして9月から学校に通い始め、平日の朝9時から夕方5時ぐらいまで、1コマ1時間の授業を6時間びっしり受けています。
分野別の分厚い教科書6冊を使い6か月間で3つの『福祉系資格』を取得するコースで、1クラスの生徒は約30人です。
座学実技の授業があり、資格取得試験では筆記試験実技試験が連日で実施されます。
通学開始から2か月以内に1つ目の資格取得試験があるのですが、学習期間が短い割に試験の範囲が広く、分野の違う教科書4冊の中からランダムに問題が出されるので、講師陣も自分が教える担当のページ数が多いと「はい、ここからここまでは各自で読んでおいて。」という具合で、飛ばされたページは独学あるのみという過酷な授業もありました。
人体の機能、老化による症状と予防策、人権や尊厳の法律、福祉制度、コミュニケーション術など、覚える内容が盛りだくさんで、学生時代のテスト勉強と同じ勢いで深夜まで机に向かっていました。


波乱の試験

実技の試験で、私は順番が1番になってしまい、学校についてすぐアワアワしながら臨むハメになりましたが、何とか大きなミスもなく合格できました。
筆記試験は6割正解で合格となるので、あれだけ勉強したんだからそれなりの点数が取れるんじゃないかと思いながら臨みました。
広い試験範囲の全てを覚えるのは困難だった為、講師が授業中に話したポイントを重点的に覚えたのですが、想像していた問題の内容とは違い、早い段階からショックで震えていました。
67問中の60問以上が5つの文の中から正しいものや誤ったものを選択するタイプのテストで、選択問題なら楽だと思いきや、全ての文を読むだけでも結構な時間が取られる上に引っ掛けの文が多く、最後の問題まで行きつくだけで必死でした。
試験に向けて、お酒を飲まずにひたすら勉強をしてきたので、試験が終われば肩の荷が下りて美味しくお酒が飲めるとワクワクしていたのに、試験の結果を聞くまではそれどころではありませんでした。


選ぶべき道

結局、合格することができたのですが7割しか正解できず、3月に受ける9割正解が必須の試験不安を感じ、勉強の仕方を変えなくてはと思いました。
今回の試験勉強では特に人体の仕組みや衰えについて興味を持ち、熱心に教科書を読み、インターネットでも関連情報を集め、その分野だけでマイノート3冊作りました。
自分にも思い当たる症状や将来的に心配な症状について学んでまとめたそのノートを、今後の人生に役立てていこうと思っています。
特に糖尿病の怖さや内臓の下垂、血流については、講師陣の話や自分で調べた知識を踏まえ、最近は夜の糖質摂取量を見直し、授業中や食事中は常に姿勢を正しく保って背中や脇腹の筋肉を意識し、第二の心臓といわれる下肢の筋肉(ヒラメ筋)を鍛える為になるべく歩くように心掛けて生活をしています。
このタイミングで自分の健康について改めて考える機会が持てたのも『福祉系資格』の取得を目指したからだと思うと、今私が進んでいるこの道はやはり選ぶべき道だったに違いないと感じます。


福祉施設での実習

試験の次は福祉施設での数日間の実習があり、キャリアコンサルタントの先生が生徒それぞれに合いそうな実習先をセッティングしてくれました。
私の実習先は設立されて間もない新しい施設で、自宅から徒歩40分くらいの場所にあり、普通ならバスを利用するのですが、第二の心臓を鍛える為に私は毎日歩いて通いました。
お天気にも恵まれ、青空と綺麗な山の紅葉を眺めながらの気持ちの良いウォーキングでした。
1つ目の資格は取得したものの、未経験者の私に福祉施設での実習を終えられるのかと心配でしたが、職場はフレッシュな雰囲気で溢れ、職員の方々も実習生の私を快く受け入れてくれました。
実習先によって実習内容は異なり、私の場合は業務の見学施設利用者との交流がメインだったのですが、過去に接客業をしていた経験を活かし多くの方々と明るく接し、無事に実習を終えることができました。
思いやり親しみを持って接することで相手に想いが伝わり自然と笑顔が広がる様子に、人と心で繋がる大切さ醍醐味を感じました。


新たな前進

今回の実習で、私は職員の方々の業務をほとんど見学しているだけでしたが、福祉施設の現場には笑顔だけではこなせない大変な仕事も多く、私もいずれ働くようになれば辛いこともたくさん経験するのだと思います。
実際にその立場になってみないと自分がその大変な仕事をこなせるのか想像もつかず不安ですが、困難を乗り越えてでも人を支えようとする気持ちこそが真の『福祉の精神』であり、福祉に関わる人間が持つべき心の強さだと思うので、私は自分の資質を確かめ、自分にできること本当に目指すべきものを知る良い機会と捉えています。
なので、勉強に励み3月までに3つの『福祉系資格』を取得して福祉施設での仕事に挑戦し、更に国家資格の取得も視野に入れながら頑張ってみようと思います。
2020年の書き初めで書いた言葉の通り、私は新たに見つけた修行の道『前進』していきます。

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※ そんな訳でいろいろとあった為、しばらくブログ記事も掲載できていませんでしたが、今後は学校で学び感じたことなどにも触れながら、またいろいろとお伝えしていきたいと思います (^-^)