最近の娘氏


無償の愛

ウチの娘氏は恐ろしいくらいに野比のび太のような資質を持ち、いつもパンチの効いたボケっぷりやダメっぷりで私を振り回してくれます。
平日のフル勤務で、日々、クタクタになるくらい精一杯働きながら育児をしている40代の私にとって、そんな娘氏の行動はかなりの打撃となり、たまに衝撃が大き過ぎて気絶しそうになりますが、それでも私は娘氏を心から愛しています
がっかりして途方に暮れても気を取り直し「愛しい我が子がきちんと社会で生きていける人間になれるように、責任を持ってしっかりと教え、見守り、育てよう!」と強く心に誓う度に、自分の中にある『母親の無償の愛』を感じ、母親として確実に成長していることを実感します。

娘氏の才能

6年生になった娘氏は、学校で1年生のお世話をする機会が増えたことで、責任感と頼りにされる充実感を知り、毎日張り切って登校しています。
1年生の子供たちにとても慕われているようで、いつも「みんな可愛いんだよ」「いっぱい面倒をみてあげたい」と楽しそうに話しています。
認められ必要とされる喜びが後押しをして、委員会やクラブ活動にも一段と積極的になり、仲の良いお友達も増え、いろんなことに活発に取り組んでいます。
娘氏には、子供や動物に好かれる空気感があるようで、それは生まれ持った才能なのだと思います。
人間には皆それぞれ、生まれ持った何らかの秀でた才能がありますが、私は娘氏が『平和的で好かれる才能』を持って生まれてくれたことを嬉しく思います。


万端な準備

すっかりお姉さんになった娘氏の姿を見て逞しさを感じ、安心していた矢先にいつもの残念なハプニングはやってきました。
5月末は大きな学校行事の第一弾として『運動会』があり、子供たちはほぼ毎日ジャージ姿で運動会の為の練習や準備に忙しそうでした。
子供の身体的な成長は早く、靴やお洋服のサイズがあっという間に変わってしまい「買い替えたばかりだと思ってたら、また買い替えなきゃいけないの?!」という感じです。
特に子供たちの学校生活に必需品ジャージやスニーカーは需要が多く、早く買わないと欲しいデザインやサイズが売り切れてしまうので、今年は早めに娘氏のジャージとスニーカーを何種類か購入し「これでこの一年間は大丈夫!」と安心していました。

テヘペロ』とため息

5月2週目のある日、私が帰宅すると娘が「今日、学校の帰り道で転んでジャージに穴があいちゃった!テヘペロー(≧▽≦)」と報告してきました。
『たいしたことないよ感』いっぱいだったので、さほど気にもせずにジャージを受け取って見てみると、膝の部分が大きく裂けていました。
「うわーっ!何なの、この状態は?!これじゃあ怪我も酷いんじゃないの?!」と娘氏の膝を見ると、大きな絆創膏が貼ってありました。
「ちゃんと水で傷を洗って絆創膏を貼ったよ。そんなに痛くないから走れるし。」と自信満々に『ちゃんとしてますから大丈夫です感』を漂わせる娘に「まぁ、痛くないなら何よりだけど、これは『テヘペロ』程度の穴じゃないよね・・・」と、ため息をつきました。


帰れない私

5月3週目のある日、私が帰宅し玄関のチャイムを鳴らすと、いつもはすぐにドアを開ける娘氏が出てきませんでした。
「お友達の家にまだいるのかな?」と思いながら鍵を出してドアを開けると、アチェーンが掛かっていました。
「???」と思い、何度も玄関のチャイムを鳴らしましたが、家の中からは何の反応もなく、ドアの隙間から娘氏を呼んだり、娘氏の携帯電話家の電話に何度もかけたり、しばらくの間あれこれ試みてみましたが、やはり無反応でした。
「具合が悪くて倒れているんじゃ・・・」「不審者が押し入って監禁されていたらどうしよう!」心配になり、これはもうアチェーンを切って家に入るしかないと思い、マンションのすぐ隣にある管理会社へ助けを求めに行きました。

大きな不安

管理会社の人がすぐに鍵屋さんに手配をしてくれ、マンションに到着するのに30分かかると言われ「家の中の人は無事なんですか?」と確認されました。
私は「中に入れなくて連絡もとれないので様子が全くわかりません」と答えながらますます不安になり、「110番に通報した方がいいんだろうか・・・それとも119番だろうか・・・」と考え、その場でもう一度、家の電話にかけて留守番電話に「ちょっと!寝てるの?!起きなさい!!いるなら電話に出なさい!!早く!!」と、管理会社の人が驚いて引くぐらいの大声で話しました。
それでも反応はなく、自宅前で鍵屋さんを待つように言われたのでマンションに戻り、再度、ドアチェーンが掛かったままのドアを限界まで開けて玄関のチャイムを鳴らしまくりました。


寝起きの娘氏

すると、リビングに通じるドアが開き、頬にくっきりと布団の痕をつけた娘氏が『今起きました』という表情全開でのっそりと現れました。
娘氏の姿を確認し「あぁ、無事で良かった・・・」と私は胸を撫で下ろし、ドア越しに「具合悪いの?どこか痛いの?大丈夫なの?」と確認しました。
「大丈夫。どこも痛くないよ。」という娘氏の答えを聞きホッすること二秒、次の瞬間、私の頭にはツノが生え「とりあえず、チェーン外してくれる?」と静かに言いました。
家に入り「えっ?何、寝てたの?!」と問う私に「いやぁ、あの、寝てたっていうか・・・その・・・」とモソモソと答える娘氏。
「私が帰ってくる時間にチェーンをかけたまま爆睡してたの?!(怒)
と更に問う私に娘氏は何とかとぼけようと必死の様子でした。

無情のゴング

「管理会社に行って、鍵屋さんをキャンセルしてもらってくる。」と言って、私は再び管理会社へと向かい、無事に家に入れたことを伝えて何度も頭を下げ、一歩一歩を踏みしめながらマンションに戻りました。
とても心配した分、何も考えずにぐっすりと気持ち良く眠っていた娘氏の自由過ぎる所業への怒りは大きく、家に近づくにつれ私の頭のツノは伸びていきました。
私のただならぬ殺気が伝わったようで、娘氏は私が玄関のチャイムを鳴らす前に「さぁママ、どうぞお入り下さい!」とばかりにサッとドアを開けて、素早く私を迎え入れました。
疲れ果てた身体40分近く締め出された私の怒りがそんな気遣い程度でおさまるはずもなく、ドアを閉めると同時にゴングが無情に鳴り響きました。


ハートの強さ

「一体どういうことなのか説明してもらおうか・・・」と問う私に「違うのママ、これは違うの・・・」とアワアワする娘氏。
「何も違わない!!」という言葉を皮切りに、娘氏の頭上にが落ちたのは言うまでもありません。
眠っていただけでこっぴどく叱られた娘氏を可哀相に思う方もいるでしょう。
ですが、娘氏はしょんぼりと反省している姿を見せていたと思いきや、夕食の準備が整う頃には「今日は何の動画見るー?!イエーイ★」iPadを手に、まるで何事もなかったかのようにウキウキとはしゃいでおり、私は娘氏のハートの強さ感心したり呆れたり脱力したりで、もはや何も言う気力もないまま白目で放心状態でした。
きっと、ハートが強い人間に勝る者などこの世にいないのだと、私はしみじみ感じました。

行方不明のジャージ

5月4週目のある日、仕事の帰りに娘氏を空手教室まで迎えに行きました。
娘氏はこの春から護身の為空手を学ぶと自ら決め、楽しそうに通っています。
練習が終わり着替えて帰る支度をする頃に、娘氏が「ジャージがない」と言い出しました。
「着替えたジャージって、普通なくなる?!まさかその辺に脱ぎっぱなしにしたの?!」と娘氏に言いながら、着替えた場所を探してみたのですが見つかりませんでした。
受付でジャージのことを尋ねるよう娘を促すと、受付の若い女性に「ここにはありません」即答
され、涙目で私にすがってきました。
娘氏も来年からは中学に通うので、そろそろ自分の意思や主張を相手にしっかりと伝えられるよう訓練しなくてはと考え、私は助言だけして見守ることにしました。


残念なタイミング

「自分の管理ミスで失くしたんだから、見つかるように自分でベストを尽くしなさい。ないと即答されてすぐに諦めるのではなく、どんなジャージをいつどこで失くしたのかを詳しく伝えて、見つかったら連絡をもらうようにするとか、自分なりに頭を使いなさい。」と私は娘氏に教えました。
その週の土曜日には運動会があり、それに合わせて予備の分も考え二着のジャージを準備したのに、運動会前に一着は転んでズボンを台無しにし、もう一着は空手教室で紛失するなんて一体どういうことなんだと、私は悲しい気持ちになりました。
結局、娘氏は運動会に古いジャージで参加し、空手教室で失くしたジャージは運動会後に見つかり娘氏のもとへ戻ってきました。

必要なストレスと体力

結果オーライと言えばその通りで、娘氏は「あぁ、良かった!私ってラッキー★」と相変わらずのスーパーポジティブな反応でしたが、そんなミラクルなタイミングの悪さを持つ娘氏を見ていると、母親としては「もうちょっと何とかならないものかなぁ・・・」と思ってしまいます。
人間には適度なストレスが必要なので、幸せな日々を送っている中、娘氏の残念な行動により与えられるストレスは、私にとって必要なのかもしれません。
とすれば、現在40代で体力的に年々衰えを感じている私に反比例し、どんどんパワフルになって、ますます破壊力を増していくであろう娘氏の行動の影響に、しっかりと耐えられる体力だけは何としてもキープしていかねばと思う今日この頃です。
娘氏よ、お手柔らかに頼みますぞ( ;∀;)