『実務修行』が6か月過ぎて

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6か月分の成長

昨年末の研修から始まった、私の『オフィスワーク』の実務修行が無事6か月を過ぎました。
最初の頃は久しぶりの勤務初めてのオフィスワーク緊張しまくりで、目の前の仕事をこなすのが精一杯の毎日でした。
少しすると異常なくらい忙しい日々が訪れ、時間内に仕事をこなせずに、負け犬気分お腹いっぱい味わいました。
その後は段々と状況が落ち着き、全体の流れを理解する余裕ができ、仕事の仕方を少しずつ自分流のスタイルに変えて、進行状況をきちんと把握できるようになり、0からスタートして6か月間『実務修行』に値するくらいの妥当な成長はできているように思えます。

憧れの仕事

新しくできるようになったことが増える度に自信がつき、この『実務修行』充実していることを実感できます。
新しい仕事のチャンスをくれる上司と、自分の時間を割いて指導してくれる先輩のお陰です。
オフィス内にはいろんなセクションがありますが、より幅広い業務内容の今の自分のポジションに就くことができて本当に良かったと思いながら御縁感謝です。
私にとって、とても興味深い企画があるのですが、私の現状ではあまり携わることができないので「もっと実力がついて、いつかあんな企画にも携われるようになれたらなぁ・・・」夢見たりもしています。

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1年後の理想像

教えてもらって身についたいろいろな仕事は、慣れるまではどうしても時間がかかるので、7か月目のこれからは処理のスピードをテーマに『実務修行』をしていきたいと思います。
来年またあの恐ろしく忙しい時期がきたら、初めてのことでアワアワしていた今年と比べて、どれだけ迅速かつ正確に仕事がこなせているかを比較するのが今から楽しみです。
『効率よく合理的に時間内にサラッと業務をこなせている自分』実務修行を始めて1年後になっていたいと思う理想像です。 フフフフフ。

厳しい現実

6か月間鍛えられたお陰で、通勤の満員電車の乗りこなし方も身につき、以前ほどは通勤でクタクタにならなくなりました。
家に帰ってからは疲れ果てて、食後は気がつくと眠ってしまっていたのですが、最近はお酒を飲んだりしても尚且つ起きていろんな作業ができるくらいまで体力がついてきました。
『毎日健康で美味しく食べれる』のが一番の幸せだと思っているので、ダイエットなどいっさい考えていませんが、あわよくば『通勤』という毎日のウォーキングで少しでも痩せたらなぁ・・・と思いつつ、増えた10キロもの贅肉はそう簡単になくなるものではないという厳しい現実をそっと見つめている今日この頃です。

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必要な感覚

『戦闘モード』で仕事をしいるうちに、危機管理能力機転を利かせる応用力など、今までのんびり生活してきた中ですっかり忘れていた『仕事に必要な感覚』が徐々に蘇えってきました。
独身時代の仕事では、自分の下にいるスタッフを教育する立場にいたので(といっても年齢は私より皆10~15歳くらい上でしたが)、スタッフが手掛けた仕事の最終チェック完璧にこなすのが私の役目でした。
自分が教育し、最終チェックをしている以上、何か問題が起こったとしたらそれは自分のミスで、責任は全て自分にあると自覚して、常に言い訳なしの仕事をしてきました。

人の上に立つということ

その、注意深さ、正確さ、潔さを要する役割を通し「人の上に立つとはこういうことで、それをきちんとこなすからこそ上下の信頼関係が築かれるものなんだな・・・」と学びました。
ふと職場で、やる気に溢れた新卒の新人さんたちの配属先を見ると、皆それぞれ「この人の下で育ったら伸びない訳がない」というくらい優秀な先輩の下に就いていて、何となく親心的な気持ち「良かったねぇ・・・」としみじみ思いました。
新しく学ぶ人のやる気や仕事の実力、心構え教育する側次第良くも悪くも変わるので、人事担当者の洞察力はさすがだなぁと思いました。

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慎重なチェック

今回、一番下の立場として働き始めた私は「教えてもらいながら、きちんと仕事のチェックもしてもらえて、なんて安心なんだろう。上の人の指示に忠実に従う分、責任をもって守ってもらえるんだから、一番下って気が楽だなぁ・・・」と過去の自分の立場との精神的なギャップ心地良く感じていました。
でも、いつまでもぬるま湯に浸かっていては修行にならないとハッと気付き、実際は上の人にチェックしてもらっても、自分が仕事の最終チェックをする役目だと想定して、今後は責任と緊張感をもって見直すことにしました。
甘い考えで周りに負担を掛けながら働いていたダメな自分反省です。
(このバカタレがっ!このっ!このっ!)

いずれ自分で事業をすることになったら、最終的な責任は全て自分にあるという状況になるので良い訓練
になります。

意味のない謝罪

人間なので残念ながらミスは起こってしまうものです。
だからこそ、その防止の為のチェックが欠かせなく、その役割は重要です。
ミスには内部でカバーできるものと、取引先からの苦情に発展してしまうものがあるので、特に後者のミスに関しては再発防止の対策を練り、注意を払わなければなりません。
そのミスのせいで相手が誰かに激怒され低い評価を受けたり、せっかくの貴重な時間が台無しになったりしたとき、謝罪したところで相手にとっては全く意味がなく、何の解決にもならない大迷惑なことだからです。
『ゴメンで済んだら警察いらない』って、実は凄く真面目な教訓だと思います。

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あてはまる教訓

自分に対して苦情を言っていなかったから相手は怒っていないものと判断するのはとても危険なことです。
「苦情を伝えてきたお客様が1人いたら、同じ気持ちのお客様が他に20人はいると思え。1人は幸いにも苦情を伝えることに自分の時間と労力を費やしてくれたが、他の20人は何も言わずに自分を見切って去って行ったのだ。それは自分が謝罪のチャンスも与えてもらえない程の最低な評価をされたのだと理解しなさい。」と、前の職場で教わりました。
それは普段の人間関係にもあてはめることができる教訓だと思っています。

実は残酷な仕打ち

仕事は仲良く楽しくだけでは成り立たないので、ときに厳しい対応や態度も必要となるのは仕方のないことです。
その厳しさをただの不機嫌な意地悪ととるかメッセージととるかはその人次第で、良い方へ向かうも悪い方へ向かうも結局は全て本人の意識次第なんだと思います。
よく知る間柄で、本当は言ってあげた方が良いとわかっているのに「せっかくの関係が悪くなるから・・・」とか「恨まれると嫌だから・・・」助言も指摘もせず笑顔で『放置』して、なぁなぁにするパターンってよくありがちですが、一見『良い仲間』『味方』のように見えても、実際物凄く薄情で残酷な仕打ちだと思います。

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キーパーソンと『苦さ』

『良薬は口に苦し』で、指摘や注意を聞くのは耳が痛く嫌なものですが、そんな嫌われ役をしてくれるのは自分の非を正してくれる貴重な人だと思います。
無茶や理不尽な行動振り回す厄介な人がいたら、上手く関わる技を身につけることで自分が人間的にスキルアップできるという解釈もできます。
身近にいて何も正してくれない人がいたり、耳が痛いことをズバリ言う嫌な人がいたりすることを考えると、『本当の敵は身近にいる』という説と『自分にとって嫌な人、厄介な人こそが実は人生のキーパーソン』という説に大きく頷けます
(もちろんキーパーソンは親しい人の場合だってあります)
私には圧倒的にパンチのきいたキーパーソンが存在し、そのお陰で大幅に成長できていると思われます。
『学びの喜び』『苦い思い』などいろいろありますが、大人だからこそ良さがわかるビールの苦みワインの渋みのように『苦い経験』もじっくりと味わいながら更なる成長逞しく続けていきたいと思います。
(ビールもワインも嫌いじゃないんで・・・キメッ★ ピーマンだって余裕で丸かじり! イエスッ★)

私の海外デビュー

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海外旅行<温泉旅行

若い頃の私は国内旅行派でした。
社会人になり、友人や同僚たちが海外旅行デビューをして、有名なリゾート地を訪れて観光し、免税店でブランドのバッグなどを購入するというお約束の旅行を楽しんでいても、私は全く海外旅行に興味がありませんでした。
(ブランド品は、品質の良さに惚れ込んで愛用していますが・・・)
私にとっては、大好きなおばあちゃんと一緒にあまり実家から遠くないエリアの温泉を巡る方が有意義で、洒落た温泉旅館に宿泊して素敵な露天風呂に浸かり、その土地の美味しいものを頂いてのんびり過ごすのが幸せでした。

30歳前の思いつき

20代後半になり「もうすぐ30歳になるのに、自分の国しか知らないというのも、大人としての経験値を考えるとなぁ・・・」と思い、一度ぐらい海外に行っておこうと思いました。
私は動物が大好きなので、その国独特の動物がたくさんいるオーストラリアを行き先に選び、さっそく計画を立て始めました。
一般的なツアーに参加するという手もありましたが、せっかく初めての海外旅行に行くのだから、うんと楽しめる合理的なプランにしようと思いました。
楽しむことにかけてはいくらでもアタマと労力を使えるタイプなので、なかなかのプランが完成しました。

条件付きの長期休暇

あれこれ詰め込んだ結果、オーストラリアに2か月半も滞在するという盛りだくさんなプランとなりました。
そんなに長いお休みをもらうのは難しいだろうと思い、上司に「実は2か月半ほどオーストラリアに行きたいのですが、長期休暇は難しいと思うので会社を辞めて行くしかないと考えています。」と話したところ、意外にもお休みをもらえることになりました。
「ただし、過去にそういう長期休暇の例はない為、周りからの当たりが強くなることが予想されるが、そういった状況は自分で対処しながらきちんと業務を続けること。」という条件付きでしたが、百貨店でスタッフも来店客もほぼ女性だけという『大奥』のような特殊で厳しい環境のフロアに身を置き、何年も鍛えられてきた私には全く問題ありませんでした。

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実例を目に学んだこと

その『大奥』のような特別な環境では常に気が抜けなかった分、本当にいろんなことを学び、とても逞しく成長させてもらったと思います。
仕事のことだけではなく、本音と建て前の見極め方、相手が自分をどう見ているかの読み取り方タイプ別の対応方法感情を抑えることと敢えて相手に見せることの使い分け方、その他にも多くのことを、大ベテランの大御所から若手まで、良くも悪くも多くの人の様々な実例を目にしながらしっかりと勉強させてもらいました。
結果、人生経験を積んで自分より長く生きている人には敬意を払い学ばせてもらう姿勢でいるべきだと、常に心して生きています。
いざというときに役に立つのは、試験に合格する能力エリートな学歴・肩書きよりも、経験値と度胸なんだと理解しました。
あの特別な場所で得た知識経験値は、今もずっと私を助け続けてくれていると思います。

オリジナルのスタイル

オーストラリアでは、まず1か月間ブリスベン英語の個人教師の家にホームステイをし、ホストファミリーとしてお世話をしてもらいながら日常英会話の実践練習をしました。
机に向かってのレッスンではなく、料理お出掛けなどでコミュニケーションをとりながら学ぶスタイルを提案しました。
クイーンズランド州方面に強いホームステイ斡旋会社だったのでブリスベンに滞在が決まったのですが、当たりはずれの激しい中とても良いホストファミリーに恵まれて私はラッキーでした。
日本でも英語教師の経験があるイギリス出身のご夫婦で、英語の発音に訛りがなく、お陰で私は「英語の発音が綺麗だ」と今もたまに褒めてもらえることがあります。

カルチャーショック

初めて訪れた海外は、景観生活様式環境も、全てが刺激的でした。
私はオーストラリアでの滞在を充実させたくて、日本人らしいキッチリとしたスケジュールを立て、予定通りに毎日を過ごしたかったのですが、ざっくりとしているオーストラリア人の感覚では、何でも規則正しく行動する日本人が理解できないようで、ホストマザーに「この機会にオーストラリア流の過ごし方をしてみたらどう?!人生にはフレキシブルさが大事だし、その方が楽しめるものよ。」と言われました。
行きたい観光スポットには全て予定通りに行きつつも、予定を入れないでその日の思いつきで行動する日を作ってみたり、憂鬱な毎夕のサンダーストーム(雷雨)を逆手にとって、テラスで淡い紫色の空に走る稲光を眺めながらワインを飲んだりと、上手く力を抜くことができている自分段々と気に入ってきました。
『フレキシブルさ』を上手に満喫することが、私にとって最大のカルチャーショックだったと思います。

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交流と出会い

ブリスベンの後は1か月半ほどケアンズでホームステイをし、1か月間だけ現地の語学学校に通いました。
勉強目的ではなく、たくさんの人と英語を使った交流を楽しむ為で、アジアやヨーロッパから来ている多くの生徒たちと実際に会話をして一緒に過ごすことで多様な文化を知ることができました。
ほとんどの生徒は20歳前後でしたが、私と同じような目的で通学しているバケーション中の社会人もいて、ヨーロッパから来ている人が多かったです。
私はオーストリア人の社会人女性と仲良くなり、よく行動を共にしていました。
帰国してからもずっと連絡を取り続け、数年後、オーストリアのウィーンに住む彼女の所へ遊びに行き、1か月半ぐらい滞在させてもらい、そこを拠点としてヨーロッパの何か国かを巡りました。
とても素晴らしい出会いに感謝でした。

夏のクリスマス

ケアンズでの滞在期間はクリスマスのシーズンだったので、私は南半球の『夏のクリスマス』を初めて体験しました。
私のホストファミリーの『夏のクリスマス』のメイン料理はコールドディッシュ(冷たい料理)で、エビのカクテルでした。
コース料理の前菜で小さなグラスに盛られているようなものではなく、ガラスの大きなボウルにエビが山盛りになっていて、何種類かのカクテルソースが用意してありました。
エビが大好物な私がお腹いっぱい食べてもなかなか減らないそのエビの量に圧巻でした。
他にはハムやチーズ、フルーツやゼリーなど、全体的に涼しげなクリスマスのメニューでした。

ミクスチュアな文化

ケアンズの語学学校の職員で、フィリピンから移住してきた女性と知り合い、招待されたクリスマスディナーではホットディッシュ(温かい料理)が振舞われ、ローストチキンなどクリスマスの定番料理を頂きました。
雪はなくても住宅街のクリスマスライト北半球と同じで、サンタや雪だるまなどのキラキラしたイルミネーションが綺麗でした。
二度目のオーストラリア滞在の際にパースで過ごした『夏のクリスマス』では、ロブスターのアメリケーヌソース掛けがメインディッシュで、しかもそのロブスターは深く美しい青色で、熱湯に入れると赤になるという初めて見る種類でした。オーストラリアは国が大きいうえに、いろんな国から人々が移住してきているので、料理の文化も食材もかなり珍しくて面白いなぁと思いました。

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本当に必要な力

初めての海外旅行をきっかけに、私は海外にとても興味を持ち、世界の美しい場所をなるべく多く訪れたいと思いました。
そして、まだまだ見足りないオーストラリアに、今度はワーキングホリデイビザを利用し1年間滞在することにして、その計画を実行するまで1年かけて語学力向上なども含め、諸々の準備をしました。
英語検定の資格は学生時代に取得していましたが、生活に必要な実用英会話とテキストに出てくる英文はまた別で、オンタイム会話のテンポに遅れず内容を理解し、自分の考えを英文にして口に出すという、アタマの回転の強化訓練が必要でした。
こういった場面でも、やはり生きていく為に本当に必要なのは応用力・コミュニケーション能力・度胸なんだと実感しました。

重要視すべきポイント

海外に行くと、言葉が通じない美しい人より、美しくなくとも言葉が通じて上手にコミュニケーションがとれる人の方がダントツにモテるなぁと、海外デビュー以来いろんな国を訪れてみて私は感じました。
言葉が通じる環境では、美しい人の方が人目を引いたり人気があったりする傾向が一般的ですが、国が違えば文化も美的感覚も違うので、意思の疎通が図れるかどうかが重要視されるように思います。
言葉が通じず、意思の疎通が図れなさすぎて、お互いに気まずくなり自然と距離ができてしまうということは、友人間でも男女間でもよくあるパターンです。
語学力とコミュニケーション能力を身につけることは、自分のフィールドと可能性を広げることに繋がると私は考えているので、学校の成績がどうあれ、とにかく娘には語学力とコミュニケーション能力だけはしっかり身につけて、広いフィールドで思いきり楽しんで生きて欲しいと思います。

ワイン体験レポート『6月』Vol.2

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予定変更の土曜日

2017年6月10日(土)から一泊二日でエコビレッジにお邪魔しました。
いつもはワイン葡萄の栽培作業を土曜日にしていたのですが、今回は雨が降ったり止んだりの不安定な天気で、雨の降り方もかなり強かったので、作業は日曜日に延期となりました。
予定が変わり、急に時間が空いてしまった土曜日でしたが、そのお陰で今まで行ったことがなかった地元のワイナリーを訪れてランチや施設見学を楽しんだり、エコビレッジ新しく仲間入りした動物たちを観察しながら過ごしたりと、なかなか面白い展開になりました。

お食事会

夜は、エコビレッジと関わりのある近所の農家などの人たちが集まり会議をした後にお食事会が開催されました。
各家庭から手作り料理を持ち寄ってみんなで頂くというシステムで、テーブルの上には大きな容器に入った様々な料理が並びました。
私はお食事会用の差し入れとして、シードル(林檎のスパークリングワイン)ジュースなどの飲み物と、おつまみのポップコーンを用意しました。

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様々な家庭料理

エコビレッジゲストスタッフとして来日していた韓国人男性お手製の本場のチヂミと、3人の男の子のお母さんが作った栄養満点のチヂミ、以前は飲食店で料理を担当していたという女性の色鮮やかな五目ご飯、中学生の女の子がお家の人と一緒に作った旨味たっぷりのハンバーグ、ハイハイ上手な赤ちゃんのお母さんが作った大きなおにぎり、その他にも自分の畑でとれた野菜をふんだんに使ったそれぞれの自慢料理の数々に感激しました。
久し振りに、人が作った温かい家庭料理を味わいながら、エコビレッジのスタッフのチェロ演奏を聴いたり、地元の人たちと交流できた素敵な夜でした。

パワーチャージ

一週間フルで働いた後の盛り沢山の土曜日だったので、新しく仲間入りしたニワトリの鳴き声夜中も響いていましたが、ぐっすりと眠れました
朝方は雨が降っていたようですが、雨が止み曇り空へと変わったので、午前中にワイン葡萄の栽培作業ができそうだということで、安心した気持ちで朝食を頂きました。
ニワトリが生んだ新鮮な卵を納豆やなめ茸に和えて、炊き立てのふっくらとした白米と一緒に頂きました。
甘みのある濃厚な生卵と、何種類かの美味しいお漬物、温かいお味噌汁を頂いて、作業をする為のパワーをしっかりとチャージしました。

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鮮やかなワイン葡萄畑

食後のコーヒーを飲み終えた頃に、ワイン葡萄の栽培作業の指導をしてくれるワイナリーのオーナーが到着しました。
急いで上下の雨具に着替え、しっかりフードをかぶって軍手をはめ、ワイン葡萄畑に向かうと、雨を浴びたワイン葡萄の木たちは一段と鮮やかで艶のある緑色に見え、より強く生命力を感じさせてくれました。
レクチャーを受けながら、私が今までに参加した『剪定』『棚上げ』の作業とは少し違い難易度が高くセンスが問われる作業だと感じ、緊張してきました。

特別な事情

葡萄の房の超ミニチュアといった感じの、可愛らしい葡萄の芽が意外とたくさん出ていて感動しました。
でも、一つの木が摂れる養分の量に対して芽があまりありすぎると、養分が分散されてしまい一つ一つが栄養不足の状態で育ってしまうので、芽の数を減らして育つ葡萄の数を調整してあげるという作業が『芽欠き』です。
毎年きちんと規則正しく整えられた葡萄の木々であれば、どの木もだいたい同じ状態にすれば良いので『芽欠き』簡単順調に進むのですが、エコビレッジのワイン葡萄の木は事情が違うので作業が大変そうでした。

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快挙の収穫

エコビレッジのワイン葡萄の木たちは、実は昨年栽培を再開するまでしばらく放っておかれていたので、だいぶ荒れた状態だったそうです。
それをその年その年の手入れを繰り返し修正をしながら、葡萄の木も土も良い状態にしていかなければならない段階なので、どの年も気が抜けない大事な時期とのことでした。
それを考えると、昨年このワイン葡萄畑で収穫し、美味しいスパークリングワインを立派に造り上げたというのは物凄い快挙だと思いました。

基本的な『芽欠き』と『除葉』

『芽欠き』は上に向かってしっかり育っている芽を残し、下向きやおかしな向きに育っている芽は取り除きます。
更に、一つの木に対して残す芽の数がだいたい決まっているので、規則正しく均等なバランスになるように取り除きます。
『除葉』は、育てる芽のすぐ下の葉っぱを取り除き、育てる芽(残す芽)日光から遮ってしまっている葉を取り除き、混み合っていて風通しが良くなく、霜などの湿気でカビを発生させてしまいそうな余分な葉を取り除きます。
また、葉には害虫がついている場合があるので、それもチェックしながら害虫も取り除きます。

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エコビレッジ編『芽欠き』と『除葉』

でも、エコビレッジの葡萄の木たちは痩せ細っていて元気がまだまだ足りないらしく、一つの木に育つ葉っぱや芽の量が足りないぐらいで『芽欠き』は必要なのですがあまりマニュアル通りに減らしてしまうと、実る葡萄の数がほとんどなくなってしまうとのことで、『減らし過ぎるよりは残し過ぎる方が良い』というイレギュラーな注意事項のもと、減らすか残すか迷いながらよく考えて決断しなくてならない、体力よりも精神力を使い、尚且つ理解力とセンスを問われる作業でした。
葡萄の木の枝からではなく本体から生えている芽は、立派な枝として育つ可能性があるので、とりあえず残しておくとのことでした。

害虫vs私

葉の表や裏をよく見てみると、緑色の小さい青虫茶色の小さいしゃくとり虫がくっついて、たくさんの葉が食べられて穴だらけになっていました。
葉もマニュアル通りに取り除いてしまうと少なくなりすぎて困るので、よほどグッタリとしおれていなければ、穴があいていても葉は残したまま虫だけを摘まんで『地面にバーン!長靴の底でドーン!』という作業を繰り返しました。
ワイン葡萄の木たちを守り育てる為の大事な作業なので、ワイナリーのオーナーの指導のもと、心をオニにして遂行しました。

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ワイン葡萄の植え替え

ワイン葡萄棚の一番下の段の高さでの作業がほとんどなので、中腰だったりしゃがんだりで、とにかく腰が痛くなる作業でした。
これからどんどん葡萄の枝やツルが伸びれば、ワイン葡萄棚の二段目、三段目へと高さが変わっていくので、楽な姿勢で作業が出来るようになるのだと思うと、ワイン葡萄の木たちの成長が更に待ち遠しくなりました。
しばらく放っておかれている間にすっかり枯れて死んでしまったワイン葡萄の木もあり、その木を抜いて新しく植え替える為の苗木が他の作物の苗と一緒にコンテナにたくさん並んでいて、ぜひワイン葡萄の苗木の植え替え作業に参加したいと思いました。

貴重なチャンス

毎年の作業を繰り返すことで少しずつワイン葡萄の木たちを良い状態にしていくという段階から栽培作業に関われたことはとてもラッキーなことだと思っています。
既に良い状態のワイン葡萄畑も美しくて素敵ですが、変化の過程に実際に関わって試行錯誤を共にすることができるのは、滅多にないチャンスだと思うからです。
なるべくこのワイン葡萄の栽培作業に参加して、この畑がどんな風に変わっていくのかを、じっくりとこの目で見ていきたいと思いました。

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地球を楽しむ体験

また雨が降り始め、段々と強くなってきたので一旦作業を中断しました。
コーヒータイムをとりながら面白い体験談を聞き、人にはそれぞれいろんな環境と選択肢がありますが、やはり経験は人生の宝だなぁと思いました。
私は、せっかく地球で生きているのだから地球上の美しい景色や興味深い場所をなるべくたくさん見たいと思い、いくつかの国を訪れ素晴らしい宝を得ました。
娘にも将来、地球単位の刺激をたくさん得て、『様々な体験』というを手にして欲しいと思っています。

意識の変化

雨が小降りになったので作業を再開し、黙々と集中しながらワイン葡萄の木たちと向き合いました。
慣れない決断に頭を悩ませ「この芽は残した方がいいし・・・この葉は邪魔になるし・・・でも葉が少ないから残さないとまずいし・・・」と考えに考えた分だけ、思い入れもますます強くなったように思いました。
葉を取り除くときも、変に力を入れると細いツルは簡単に折れてしまうので、そっと大切に扱い『お世話をしている』という感覚で、前回の『アート作品を作る』という感覚とはかなり違っている自分の意識の変化不思議でもあり、面白いと思いました。

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充実感がもたらすパワー

ランチは野菜が中心の料理で、塩麹や生姜で味付けされていて、とても健康的でした。
このところストレス味の濃い物やジャンクフードをつい食べてしまい、腎臓の調子が微妙だったのですが、エコビレッジの食事はそんな私の身体にデトックス効果をもたらしてくれそうな気がしました。
帰りに駅前まで送ってもらうと、街はお祭りで賑わっていましたが、もうクタクタだったのでバスに乗って帰りました。
大好きな日本海の景色を車窓から眺め終わると、すぐに眠りに落ちました。
体力的にはかなり疲れましたが、充実した幸せな週末満足感と元気をもらい、また次の日から頑張れる気がしました

エコビレッジ情報 http://ecovillage.greenwebs.net/


ワイン体験レポートシリーズ

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ワイン体験レポート『6月』Vol.1

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久し振りのエコビレッジ

2017年6月10日(土)から1泊2日でエコビレッジに行き、ワイン葡萄の栽培作業に参加してきました。
5月はGWのお出掛けがあったり、エコビレッジがいろんな行事や来客で忙しかったこともあり、ワイン葡萄の木たちに会えずに過ぎました。
4月に、葡萄棚の一番下の針金にワイン葡萄の枝をアートのように美しく(?)巻き付けて以来、どんな風に成長しているのかを見るのがとても楽しみで、その週末の天気予報は雨だったのですが、エコビレッジ行きを情熱と根性で決行することにしました。

エコビレッジ情報 http://ecovillage.greenwebs.net/

あいにくの雨

いつも私がエコビレッジで作業をするときは、天気予報が雨となっていても運良く晴れてくれていたので、今回もまた同様にイイ感じで作業ができるのではないかという希望的観測と共に、長靴姿スーツケースをガラガラと引きながら、土砂降りの中張り切って出掛けました。
1時間半ほどバスに乗っている間、雨が段々と弱くなってきていたので「これなら今日の作業もきっとイケるんじゃないかな・・・」と思っていました。
でも、ずっと雨が降ったり止んだりの繰り返しだったので、作業の指導をしてくれるワイナリーのオーナーの判断で、その日のワイン葡萄の栽培作業は次の日に延期となりました。

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ワイナリー訪問

お昼前にエコビレッジに着くように行き、一緒にランチをとる予定だったのですが、午後に何もすることがなくなってしまったので、他の予定を入れて時間を潰してからエコビレッジへ向かうことにしました。
その地域にはワイナリーが幾つかあるのですが、私は今まであまり訪れたことがなかったので、これはいい機会だと思い、レストランと見学施設がある一般観光客向けのワイナリーに言ってみました。
中庭の芝の緑建物の赤い屋根が綺麗な、広々とした敷地でした。

素敵なランチ

まずはレストランでランチをとることにしました。
シンプルで落ち着いた造りの店内は広く、奥に見えるキッチンにはシックなレンガ製のビザ窯がありました。
にしようかパスタにしようかピザにしようかずいぶんと迷った末、娘はレストランの人気メニューのビーフハンバーグを、私はその土地の食材を組み合わせたピザに決めました。
パン・サラダ・スープ・ドリンクのビュッフェがセットになっていて、ボリューム感がありました。

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驚きと感動のピザ

ピザはニシンキタアカリ(じゃがいも)チーズがのっていて、地元の大自然の恵みを丸ごと頂いているようでした。
「ピザにニシンをのせるなんて大胆な発想だなぁ」と思いつつ一口食べてみると、その美味しさに驚き「おぉー!」と声を出して感動してしまいました。
塩焼きのように仕上がったニシン小骨もきちんと取り除かれており、ふわふわした食感で、とても手間が掛けられているのがわかりました。
ニシンにはアンチョビほどの塩辛さとクセの強さがないので、ホクホクのじゃがいもと程よい濃さのチーズに上品にマッチして、とても優しい味なのですが、独特の余韻を感じさせる奥深さもある不思議で美味な逸品でした。
夏の暑い日に、このピザと冷たいグラスビールを頂いたら最高だろうと思いました。

パンの食べ過ぎ

せっかくなので白と赤のワイングラスでそれぞれ一杯ずつ頂いたのですが、お料理と一緒に頂くとなぜかアルコールの香りと味が強く前面に出てくる印象を私は受け、パンと一緒に頂くのがそれらのワインを味わうベストな方法だと勝手に思いました。
ワインを飲みながらビュッフェのいろんな種類のパンを食べ、食後のコーヒーを飲みながらデザートに甘いパンを食べ、パンだけでもかなりお腹がいっぱいになりました。
レストランのワイングラス私の好みとは違ったのがちょっぴり残念でしたが、新感覚のピザ焼きたてのパンがとても魅力的なレストランでした。
紅茶のダイスチョコゴロゴロと贅沢に入っている『紅茶パン』イチオシです。

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ワイナリーの施設見学

その後はワイナリー施設の見学をしました。
今の時期は何も作業が行われていないとのことで、静かな施設を見て回りました。
ワインをボトルに詰める機械や、ラベルをボトルに貼る機械など、動いていなくても十分に興味深かったです。
たくさん並んでいる樽を見ると、秋の収穫樽の中で眠っているワインのイメージ膨らんで、なんだかワクワクしてきました。
敷地のなかにはベーカリーカフェもあり、地元の葡萄で作った『ナイアガラソフトクリーム』というメニューがありました。
お腹が既にランチのパンでパンパンだったので(←なんちゃって★プププ・・・)そのソフトクリームは食べられませんでしたが、次回また訪れた際にはぜひとも食べてみようと思いました。

ワイナリー情報 http://yoichiwine.jp/

新しい仲間

夕方前にエコビレッジに着くと、新しく仲間入りしたニワトリと羊を見つけました。
もう雨もすっかり止んでいたので、娘と一緒に動物たちに挨拶に行きました。
「やっぱり大自然の施設には動物がいなくちゃ!」と、動物好きな私たちはテンションが上がりました
羊は『レンタル羊』で、いろんな場所で人間にすっかり慣れているようで、私たちが「羊ちゃーん!」と声を掛けながら柵まで行くと、全員が物凄い勢いで走って寄ってきたので「あ・・・あげるエサとか何もないのに、あんな情熱的な目期待されて、どうしよう・・・」少しひるみましたが、とりあえずその辺の草ブチブチちぎって羊にあげながら、ふわふわの毛並みを撫でて戯れました。

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ワイン葡萄の木たちとの再会

その後、私は羊エリアの奥にあるワイン葡萄棚を見に行きました。
細々とした木が結わえ付けられているだけだった寒々しい景色が、ワイン葡萄のフサフサの葉っぱ明るい緑に彩られたボリュームのある景色に変わっていて、自然の生命力と大地の力強さを感じました。
夜は地元の農家などの人たちエコビレッジに集まり、会議とお食事会があるとのことで、ワイン葡萄の栽培作業を指導してくれるワイナリーのオーナーが畑にきていたので、一緒にワイン葡萄の棚を見て回りました。

ワイン葡萄の木たちとの繋がり

4月に葡萄の木を葡萄棚に結わえ付ける作業で、私が手掛けた所の出来を聞いてみると「なかなかの出来で良かったよ」と言ってもらえて、とても嬉しかったです。
エコビレッジのワイン葡萄は、心配だったけど思いのほか順調に育っている。」とのことでホッとしました
実際に自分が関わっているワイン葡萄の木たちを、私はなんだか家族の様な、仲間の様な、そんな『繋がりのある大事な存在』と感じています。
冬に入る前の剪定作業から参加しているので、前回の作業のときも「雪の下でよく頑張って一冬を越したねぇ・・・」という気持ちでした。

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『芽欠き』と『除葉』

今回する作業は『芽欠き』と『除葉』で、作業は次の日にすることになっていたので、方法は実際に作業するときに教えてもらうことにして、なぜその作業が必要なのかを教わりました。
『芽欠き』は、たくさんの葡萄が養分を取り合って痩せることがないように、その木に育つ葡萄の数を調整する為の作業で、そうすることで葡萄が十分な栄養を摂ることができ、より良く育つからとのことでした。
『除葉』は、葉っぱがあまりたくさんありすぎで、芽が日光から遮られてよく育たなくなるのを防ぐこと、葉っぱ同士が重なってカビが生えるのを防ぐ為風通しを良くするという意味があるとのことでした。

難しいミッション

次の日に実践する『芽欠き』と『除葉』の作業がとても楽しみでしたが『カビ』というキーワードから、葡萄の木たちがカビや病気でダメにならないように注意しながら管理していかなければならないという難易度の高いミッションがあることに気付き「自分はこの葡萄たちを少しでも良い状態で育つようにケアしてあげられるのだろうか」と、不安になりました。
ワイン葡萄に限らず、農作物を栽培している人たちは毎年そういった心配や天候振り回されたり悩まされたりしながら、なんとか上手く乗り越えられるよう努力しているのだと思うと、農業の大変さと農業を営む人たちの精神力の強さを感じました。

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パワフルな人々

6時半になるとエコビレッジと関わりのある農家などの人たちが集まり、会議が行われました。
これからみんなで一緒に作り上げていくイベントのことなどについて話し合い、アイディアを出して煮詰めていました。
集まっているメンバーは、ほとんどがこの地域の特性に魅力を感じて、遠くから移り住んできた人たちのようでした。
『自分で望んで選択してこの地域にきた』皆さんは、とてもイキイキとしていて、充実感に満ち溢れているように見えました。
私は端の方でただその様子を眺めていただけなのですが、ここに集まっている人たちが末永く素晴らしい仲間として、様々な発展をして欲しいなぁと思いました。

ワイン体験レポート『6月』Vol.2に続く

ワイン体験レポートシリーズ

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おばあちゃんの教え

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信念と心構え

私の100歳のおばあちゃんは、私が子供の頃からいろんな事柄に対する心構えを、何度も繰り返し言い聞かせて教えてくれました。
ゴールデンウィーク帰郷したときにその教えを久しぶりに聞いたのですが、老齢の為、少しずつ『ボケ』の症状が出てきていても、その教えの内容は常に一貫しているので「人の信念ってすごいなぁ」と思いました。
私は自分が母親になり育児をしていく中で、度々おばあちゃんの教えを娘に言い聞かせ、自分の口から言葉にして発することによって再度噛みしめて心に刻んでいます。
正しい教えというのは子供にだけではなく大人にも必要なのだと思います。

心に響く言葉

おばあちゃんの教えの中でも一番多く耳にしたのは『自分がいくら出来るからといって威張っているような人間は必ず敵が増えて争いになり、自分も痛い目に合うし憎しみも生まれる。例え出来るとしても奢らずに、自分に対して威張ってくる人間がいたら相手にせず「凄いですね、貴方が一番です。とても敵いません。」とやり過ごす賢さを持ちなさい。『能ある鷹は爪隠す』というように、実力がある人間はその力を見せびらかすような真似はしないし、そんな必要もないものだ。馬鹿のフリをして人に頭を下げられる人間ほど、実力と余裕を兼ね備えた賢い人間なんだ。』という教えです。
この教えは、若い頃のとても気が強かった私に何度もブレーキをかけてくれました。
そして最近は、戦闘モードで仕事に猛然と立ち向かっている自分に、戒めとして度々深く響いています。

実力発揮のタイミング

私はその教えに加え、実力は隠すだけではなく、発揮するタイミングを見極めることも大事だと考えています。
『能ある鷹』が爪を隠すのは、狩りを成功させるという『達成すべき目的』があるからだということを忘れてずっと隠し通してしまっては、意味や結果が違ってくるように思います。
私の知り合いの職場には女性の先輩がいて、いつも「私は旦那さんの前ではわざと馬鹿っぽくて何もできない妻を演じているの。いつかイザというときがきたらビシッと賢い姿を見せつけて驚かせるつもりなの。人間はギャップに弱いから、きっと感激して私に惚れ直すはずよ。」と話していたそうです。

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残念な結果

数年後、その女性は離婚することになり、その『いつか驚かせる作戦』は実行されることがないまま、最後までダメな妻として評価され続け、別れ際に「君は何もできない女性だから、これからの人生で苦労が多くて気の毒だと思うけど、頑張って生きて下さい。」と同情されるという、残念な結果に終わってしまったそうです。
「本当は出来るのに見せ場がないまま終わってしまったから、私は未だに彼の中では物凄くダメな女として記憶されてしまっているのよー!」と、一緒に飲む度に嘆いているというその女性を、私の知人も私も不憫に思えてなりません。
やはり実力は発揮してこそのもので、そのタイミングの見極めが重要なのだと思いました。

おばあちゃんの育児方針


おばあちゃんの教えはとても役に立っていますが、一つだけ賛同できないものがあります。
育児方針についてです。
おばあちゃんは『子供は怒るとむくれて離れていってしまうから、いつでも「良い子だ」と褒めて持ち上げて育てる方が良い。』と言い、実際に自分の娘である私の母親のことをいつも褒めて育ててきたとのことでした。
母が結婚してからもずっと母とおばあちゃんは同居しているので、私の母は70年以上ずっと自分の母親に「良い子だ」と褒められ続け、何があっても味方についてもらっている状態です。
仲良し親子で何よりですが、そのせいもあってか私の母には昔から、明らかに自分に非がある場合でもそれを認めて潔く謝らないという困ったところがあります。

私の育児方針

私が育児を始めて間もない頃、おばあちゃんの教えでは『悪いことをしたら正直にちゃんと謝り、反省しなさい。相手の身になって考えられるようになりなさい。』なのに、どうして私の母にはそう教えなかったのかと聞いてみると「何度も繰り返し言い聞かせて教えてきているけど、何で謝れないのかねぇ・・・」と言っていました。
「いやいや、やっぱりそれは、悪いことをしても謝らないのに、叱らないで『良い子だ』と言いながら味方し続けてきたからじゃないでしょうか?」若干食い気味に言いそうになりましたが「今更それを言ったところでね・・・」と思い、何も言いませんでした。
ただ、自分は「良い子だ」と褒めてばかりではなく、ダメなものはダメだと厳しく叱ることもしながら娘を育てていこうと密かに心に決めました

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困った母親

私は人前でもどこでも、娘が何か悪いことをしたらいつもと変わらず厳しく叱るので、娘が小学校低学年ぐらいの頃まではその機会も多く、周りのお母さんたちに『厳しくて怖いお母さん』と思われていました。
実際に娘には厳しくて怖いのでその見方は合っていますし、他人にどう思われても全く気になりませんでしたが、たまに「まだ小さい子供だから・・・」子供が悪いことをしても叱らず「ちゃんと良い子にしてないと、あの怖いお母さんに怒られるよ。」と、私を利用して自分の子供をおとなしくさせようとする母親がいるのには困りました。

教えることの大切さ

私が娘を叱って厳しく躾をするのは我が子を愛しているからこそであって、叱るのが趣味だからでも叱らずにはいられない性格だからでもありません。
子供の躾や教育各家庭の責任下でされるもので、それぞれの方針において保護者よく考えて取り組むのが当たり前のことと思っています。
ルールやマナーが守れている子供「お利口さんだね」と褒められて良くしてもらえ、それが子供自身にとって良い影響になりますが、ルールやマナーが全く教えられていなかったり守れていない子供「なんて子なの!」と嫌がられたり避けられたりし、それは子供自身にとって良い影響にならず、その子供もきっと悲しい気持ちになると思います。
なので、子供にしっかりとマナーやルールを教えるということは、子供自身の為にも保護者がしっかりとしてあげた方が良いことだと思います。

ミッションの丸投げ

小さな子供ルールやマナーを教え、それができるまでにするのは、かなりの時間と労力と忍耐力を要する大変な仕事です。
「まだ小さいから・・・」教えないか、「小さいうちから教えていかないと!」教えるかの選択は、きちんと責任を持って各家庭で決めればいいと思いますが、保護者としてのその大切なミッション丸投げして、どこかの怖そうな他人が都合よく自分の子供を叱って躾けてくれると思うその考え方については、私は全く理解できませんでした。
「あのお母さんに叱られるわよ」と言っている母親たちを見る度に「ご期待し沿えず申し訳ございませんが、わざわざお宅様の為に自分の時間と労力を費やすつもりはないですよ・・・」と、困惑していました。

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親切な行動

おばあちゃんは『情けは人の為ならずといって、いつか自分も人に助けられるのだから、人にはなるべく親切にしてあげなさい。』ともよく言っていました。
私もその考えには賛成で、日頃から親切を心掛けています。
見返りを目的に親切な行いをしている訳ではありませんが、娘が生まれてからは「いつか娘もこんな風に誰かに助けてもらえますように」と願うようになりました。
最近は心身共に逞しいお年寄りが増えていて、電車で席を譲る「私は結構ですから!」強めに断られ「ヒィィィィィッ、余計なことをしてすみませんでしたぁぁぁ。」となることもたまにあり、声を掛けるのもヒヤヒヤしたりしますが、そういったささやかな親切めげずに続けていこうと思います。

心の蓄積

繰り返し言葉で何度も聞かされただけではなく、私は実際におばあちゃんの堅実で誠意ある姿を見ながら育ったので、おばあちゃんの教え自分の中に残っているのだと思います。
『正しいこと』=『守れること』ではないので、おばあちゃんの教えの中には理解はできていても、自分が未熟なせいで実行できずにいたこともありました。
でも、その教えや実際に見せて示してくれた姿心に蓄積されてさえいれば、いつか必要なときに心に響いて自分を助けてくれるものだと思います。
私はおばあちゃんの教えを思い出して自分なりに考えながら、娘にも引き継いでいきたいと思います。

★『おばあちゃん最強伝説』的な記事も、
 よろしければ是非どうぞ(^-^)

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仕事の勲章

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無難な選択

私はファッションが大好きで、子供の頃からいろんなデザインの洋服に興味を持ち、コーディネイトを考えることに夢中でした。
就職を決める際に、本当はファッション業界ヘアスタイリストへの道を選択したかったのですが、両親や周りの大人たちに揃って反対されました。
当時はまだ子供で、反対を押し切って自分の考えを通す自信も勝算もなかったので、周りの大人たちが強く進める堅実な金融機関に就職するのがきっと無難なのだろうと思い、そちらを選択しました。

自分の為の決心

同期入社の同僚たちは、数字が好きで正確な事務処理にやりがいを感じていて、銀行業務の資格取得にも積極的に取り組み、競い合うようにどんどんスキルアップをしていましたが、私は自分があまり興味を持てない仕事だからか、全く積極的になれませんでした。
私にとって職場で過ごす時間は『色味の無い白黒の世界』で、その中でずっと生き続けることを想像すると、心から笑うことができていない自分しか思い浮かばず、なんだかとても怖くなり「このままでは自分が抜け殻みたいになってしまう!」という危機感から、思い切って自分の好きな道への転職決心しました。

新しい世界

運良くハイブランドのアパレル会社に就職することができ『カラフルな世界』での新しい生活が始まりました。
高級感とセンスのある空間で綺麗なものたちに囲まれて過ごす日々は、私にとって理想的でとても刺激がありました。
『好きこそものの上手なれ』で、金融機関にいた頃の私とは別人のように積極的に仕事で役立つ知識と技術を自己啓発で身につけ、速いペースでスキルアップできたように思います。
人とのコミュニケーションはもともと得意だったので接客楽しさとやりがいを感じました。

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次の目標

その会社で経験を積み、今度はもっと専門的な知識を学びたいと思い、同じアパレル業界での転職を試みました。
またもや運良く、マナーや品格が重視される『フォーマル』のアパレル会社に就職できました。
老舗の百貨店の『サロン』として特別に区切られた空間での勤務となる為、礼儀や所作にも一段と高度なレベルが求められ、採用対象は30代以上となっていました。
『フォーマル』はアパレル業界の中でも特殊で、人生経験がある年齢の方が信頼されるので有利な傾向にありました。

覚悟とチャンス

私は当時20代だったのですがダメもとで会社に電話をして「面接だけでもどうぞお願いします」と頼んでみると会ってもらえ、「こんな風にアピールをしてくる人は珍しい」興味を持ってもらえて採用が決まりました。
「30代でもまだひよっこ扱いされている中に20代で飛び込むのだから、雑用は全て引き受け気を利かせて可愛がってもらい、育ててもらうという気持ちで仕事をしなさい。」という上司の言葉それ相応の覚悟をして手に入れた、とても貴重でラッキーなチャンスでした。
「人間、何事もまずは行動するのが大事だなぁ・・・」と思いました。

プロ意識と訓練

同僚にも接客にも細心の注意を払う日々でしたが、厳しい環境は私にプロ意識を持たせることとなりました。
とにかく目配り気配りが必須で接客における気遣いとサービスの向上は勿論のこと、同僚をさりげなくフォローをしながら、相手の顔を立てつつ提案をして仕事を円滑に進めることも習得できたと思います。

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改善の提案

毎月の売上予算があり個人売上を計上していたので、競合会社との間にだけではなく同じ会社の同僚同士でも売上の競い合いがあり、ギスギスした雰囲気がありました。
競争となると、足を引っ張り仕事を妨害するなど人の心の醜さが見える場面もありました。
その非建設的なシステム悪影響でしかなく、チームワークを失わせる一番の原因だと常々思っていた私は「試しに個人売上ではなく店舗の売上として計上し、3か月連続で予算を達成したらお食事会を開いてて頂けませんか?」と上司に提案してみました。

『ニンジン』とモチベーション

その提案が通ったことで私たちのモチベーションは一気に上がり、チームワークと勢いで予算を次々とクリアし、豪華なお食事会を何度も勝ち取りました。
人間の士気を高めるには優れた統率者の存在が重要ですが、やはり一致団結して目指したくなるような『ニンジン』の存在は魅力があり効果がある気がします。
社長がとても大らかで独特なパワーを持った方で、私はとても尊敬していました。
会社も先進的な柔軟さがあり、私は本当に良い時代
良い環境で育てて貰えたと、その御縁に感謝しています。

『事件簿』その1

あるお客様が礼服を購入し、ゆとりを出すお直しをしたのですが、体調を崩しているとのことでなかなか受け取りにみえず、ようやく来店したときには随分と痩せていて、お直し上がりの礼服はかなりブカブカの状態になっていました。
試着室から出るなりそのお客様は私の胸ぐらを掴み「こんなんじゃ着れる訳ないじゃないのよ!」と、ヒステリックに叫び、私を勢いよく後ろに突き飛ばしました。
運動神経が悪くないお陰で何とか倒れずに済みましたが、私は少しの間、自分の身に何が起こったのか理解できませんでした

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嵐が通り過ぎて

気を取り直してお客様に、時間が経って体型が変わった可能性をお話しして、ベルトをして着て頂くことや、身幅を詰めるお直しを提案しました。
すると、私に当たることで少しは気が済んだのか、または罪悪感からか「もういいわ!持って帰る準備をしてちょうだい!」と、今さら引っ込みがつかなそうな態度で、商品を持ち帰りました。
理由がどうあれ、それは暴行であり、私は理不尽な目に遭いましたが、私はそのお客様を非難できませんでした

ストイックな反省

体調を崩しているから受け取りに来られないということは、注意深く頭を働かせていれば、体型の変化もあり得る気づくことができたはずですし、お直し上がりを早めに確認してもらう必要性を考えれば自宅へ発送するという方法をお客様にお勧めすることも出来たはずだからです。
送料を会社で負担してでもお届けすることを上司に相談指示を仰ぐことも可能だったと思います。
自分の気遣い物事を予測する力がまだまだ不十分だと痛感し、この『事件』を教訓にもっと自身をレベルアップしなくてはと思いました。

『事件簿』その2

百貨店の担当者が決まっているお客様にパーティー用のシルクのロングドレスの着丈をお直しして発送したことがありました。
ロングドレスは合わせる靴のヒールの高さを決めてから着丈を調整するのですが、ご年配のお客様は「これと同じくらいのヒールの靴を履いて着るわ。」と言い、試着用の靴を履いて着丈を調整しました。
創立記念のパーティーがあり大勢の招待客の前で挨拶をするとのことで、とても大事なご用意でした。

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地獄のひととき

イベント当日にお客様から「こんな引きづるドレスは、パーティーに着れない!」お怒りの連絡が入りました。
採寸したときのように靴を履いた状態で試着しているかの確認しようとしても、怒りで聴く耳を持たない状態で、仕方がないのでお客様の自宅に伺い、私が仮縫いでとりあえず着丈を直すという、異例の運びとなりました。
張り詰めた空気の中、会社に報告をしてお客様へのお詫びの菓子折りを用意しているとお客様から「ヒールの靴を履いてみたら背筋がピンとして着丈がピッタリになったから、このまま着て行くわ。」という連絡が入りました。
「対応も採寸もきちんとした記憶はあるものの、万が一ミスがあったとしたら・・・」と、不安でいっぱいの地獄の様な時間でした。

努力の結果

「自分のミスではないのに、不満を言わずに迅速に柔軟な対応を心掛けてくれて有難う。若いのにしっかりしてるね。」と百貨店の担当の方からお礼を言われ、後日そのお客様からは「この前のドレスはとても好評だったから、また頼むわね。あなたのこと気に入ったから。」というお言葉を頂き、それ以来その担当者の全てのお客様のフォーマルのご用意には、必ず私が指名されるようになりました。
日頃、ストイックに仕事をしていたことが報われ信頼を得られたのだと思うと嬉しかったです。
常に気遣い向上心を忘れない仕事のスタンスを貫いてきて正解だったと思いました。

簡単な逃げ道

クレーマーという言葉をマスコミなどがよく使うようになってから、『あいつはクレーマーだから』と相手を安易に非難する傾向になったように感じていました。
相手のことを悪く言って自分たちは正しいという体でやり過ごすことは簡単ですし、人を蔑むことで(歪んだ)優越感に浸ることができるかもしれませんが、事実から逃げてばかりでは気付きのチャンスを逃してしまいます。
『自分の対応は何も悪くなかった!』言い切れるほど、本当にその人は完璧な思慮や気遣いで行動ができていたのでしょうか。
実際にクレーマーも存在すると思いますが、よく考えた上で判断をせずに相手を批判攻撃しているばかりでは、仕事の実力も人間力も向上しないと思います。

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引き継がれるもの

後に続く人たちは、先人の姿を見ながら学び成長していく訳ですから『お手本』になっているという先人としての自覚を持てる人が増えてくれたらいいなと思います。
気遣いと思慮深さを感じさせる素晴らしい仕事ぶりの若い人たちを見かけると、感心すると同時に嬉しくなり、自分も身が引き締まる思いです。
きっとその若い人たちには良いお手本がいて、そこには信頼と尊敬の関係性があり、今後はその若い人たち良いお手本となって後に続く人たちを育てていくのだろうと思います。
『禅』や『和』の文化が世界から注目されている日本に、今後も変わらずそういった精神脈々と受け継がれていくものと信じて願います

有り難いオファー

とても充実した職場での日々でしたが、私には海外で生活をするという夢もあったので、ビザが取れる期限が過ぎる前に1年間オーストラリアに行くことにし、会社を辞めることにしました。
会社からは「1年後に帰国するなら、それに合わせて東京の本店にポストを用意するから、復帰しないか。」と、とても有り難いオファーを頂きました。
老舗百貨店の本店勤務滅多に例がない光栄な大抜擢でしたが、せっかく新しいことを始めるのにイムリミットがあっては思い切った冒険ができませんし、お世話になり良くして頂いた会社に、後になって「やっぱりできません」と言うような不義理はしたくなかったのでお断りしました。

勲章と財産

そのオファーをされたという事実は私にとって『実績が認められた勲章』であり『自分を誇れる自信』として励みとなっています。
この仕事で得た経験値価値ある財産です。
特に職業柄で鍛えられた洞察力は、生きる上で役に立っている気がします。
今の仕事では、絶対に教わって引き継ぎたい仕事があります。
早くスキルアップし、新たな財産として身につけることができるよう頑張りたいと思います。
仕事に動きがあれば状況や感情にも当然それなりの変化があり、毎日が心穏やかとはいきませんが、スキルアップのチャンスをくれる上司と先輩への感謝は忘れずにいたいと思います。

40歳を過ぎた新人ですが、新たなフィールドで日々ひたすら頑張ります・・・★(^_^;)★

ゴールデンウィークの旅

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嬉しい5連休

4月の月末に根性で何とか仕事をビシッと片付けて、すがすがしい気持ちゴールデンウィークを迎えることができました。
今年は祖母の100歳のお祝いを兼ねて、5月3日からの5連休で里帰りの予定でした。
以前は里帰りも楽だったのですが、今住んでいる場所からは実家までの移動が大変で、2~3日程度のお休みでは帰郷しても移動だけで終わってしまうので、今回の5連休はとても助かりました。

100歳の祖母と20歳の老猫

100歳の祖母に会いに行くためには、我が家の20歳の老猫にお留守番をしてもらわなくてはならないので、早めにペットシッターさんの予約をし、猫には少しお高めの缶詰をあげてモリモリ食べさせ、体重が減らないような対策をとりました。
猫のお留守番は、夏は暑くて体調が心配ですし、だからといって冬に旅行を計画すると雪で飛行機が飛ばなかったりとリスキーですし、秋はそんなに長い連休がないので、結果ゴールデンウィークしか長いお出掛けのチャンスがありません。
老猫を家に残して旅行に行くのは心配なので、私としてはもうそんなに出掛けなくても良い感じなのですが、100歳の祖母にもいつ会えなくなるかわからないので、今後はどうしたものかと悩むところです。

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旅行のストレス

帰郷のためには、まずタクシーに乗って駅に行き、そこから電車で空港へ向かい、飛行機に乗り、飛行機を降りて空港から電車で街に向かい、長距離バスに乗ってようやく故郷に到着します。
最後の行程の長距離バスが限られた便数なので、飛行機に乗り遅れたり飛行機がアクシデントで遅れるとアウトなのです。
そんな訳で、里帰りをするときは予定通りに移動ができるか、いつも気を抜けずピリピリしてしまいます。

ゆとりの午後便

飛行機を利用する旅行といえば早朝の便を予約するので朝4時起きでしたが、今回は出発の前日まで仕事だったので、少し時間にゆとりが持てるよう、午後の便にしました。
空港の飲食施設がリニューアルされたので、空港で昼食をとることにしました。
空港内には子供に人気のキャラクターパークがあり、そのエリアを眺めながら食事をするレストランを選びドラえもんカフェ』に入ることにしました。

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私=ジャイアン

可愛いオリジナルメニューがたくさんあり、ずいぶん悩んだ末に娘はドラえもんのポケット型ピザを、私はお勧めのカレードリアを注文しました。
カレードリアにはキャラクターの顔が描いてあるチーズがのっていて、私はてっきりドラえもんだとばかり思っていたのですが、実はどのキャラクターになるかはお楽しみで、運ばれてきた私のドリアにはドドーンジャイアンの顔がありました。
「メインのキャラクターではない上に、しずかちゃんでもスネ夫でもなく、まさかの剛田タケシとは・・・」としばらく眺めていると、向かいの席で娘が「ママにはやっぱりジャイアンだよねー!」と楽しそうに笑っていました。
娘よ、私のイメージはジャイアンなのか・・・
ならば私も空き地でリサイタルをしなくてはなるまい!
「皆さん、熱い想いを込めた曲を聴いてください!『お前のモノは俺のモノ』」とか。

ビール休憩

ゴールデンウィークで空港はかなりの混雑でしたが、飛行機は予定時刻通りに運行しているとのことで、ひとまずホッとしました。
1時間半ほど飛行機に乗り、空港から街に移動する際にちょうど快速電車に乗れたので、予定よりも少し早く街に着くことができました。
長距離バスの出発まで1時間ほどあったので、バス乗り場のすぐ近くにあるお気に入りの牛タン屋さんに行き、ビール休憩をとることにしました。
乗り継ぎだらけで疲れる移動なので、ビール休憩でもとらないことには正直やってられません。

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いよいよ故郷へ

久し振りの牛タン懐かしい美味しさに、ビールが一段としみわたりました。
時間があまりなかったので、味わいながらも素早く頂き、壁に貼ってある魅力的なご当地メニューを見ながら「帰りはまたここに寄って、大好きなおつまみでゆっくり飲もう・・・」と計画を立て、早々にお店を後にしました。
牛タンとビールを堪能した満足感と、無事にバスに乗れた安心感で、バスの中ではめずらしくリラックスし、少し眠りました。
途中、雪解けが遅いことが有名夏スキーが楽しめる山が見えてきて、まだたっぷりと残っている雪を眺めながら「いよいよ故郷へ近づいているんだなぁ」と実感し、何だか嬉しくなってきました。

お墓参り

私が実家に帰る目的は、家族の元気な顔を見ること、仏壇に手を合わせること、ご先祖様のお墓参りをすることです。
3つの墓地を巡り、お墓の前で手を合わせると何だかとても気持ちが落ち着きます。
お寺の幼稚園に通っていて、幼い頃から毎日お数珠を手に拝んでいたからか、大人になってからも神社やお寺に行ったり、仏像を目にしたりすると心が安らぎます。
あるお寺で、桜の木の下の池亀たちが気持ちよさそうに日向ぼっこをしていて、その姿にほっこりしました。

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春の陽と 花びら浴びて 眠る亀
静かな水面 心和ます

貴重な御守り

私の故郷の寺院には二体の即身仏が祀られてます。
前回娘と拝観したときは、二体の即身仏の存在感に圧倒されて御守りを頂くのを忘れてしまっていたので、今回こそは必ず頂こうと再度拝観に訪れました。
僧侶としての仕事を全うした後に、自ら即身仏になる道を選び、山で何年間も体力を使う修業をしながら、木や山菜などを食し自ら腐りにくい身体を作った上で、土の中の穴に入り即身仏となったのだそうです。
穴の中に入っても、湿気などで身体が腐ってしまい即身仏になることができなかった方々もいるのだとか。
二体の有り難い即身仏が身につけているお召し物の一部が入った御守りを頂いてきました。

『あごダシ』のラーメン

帰郷した際には必ず地元のラーメンを食べます。
『あごダシ』という飛び魚のダシで作るスープと、とろけるようなワンタンが有名で、美味しいラーメン店が何店舗もあるのですが、短い滞在期間ではそんなに行けないので、1店舗を厳選して食べに行きます。
今回行ったお店は、スープの味が以前と少し違うような気がして、あまり感動できませんでしたが、せっかくなのでとりあえずワンタンメンの大盛りを完食しました。
100歳のおばあちゃんが、前はそんなに食べなかったのにラーメンをだいぶ食べ続けていて、美味しくてどんどん食べているならいいのですが、もしかしたら年齢によるボケなどで満腹メーターがきかなくなってしまったのではないかと、少し心配になりました。

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温泉と豪華な料理

午後から、おばあちゃんの100歳のお祝いに、家族で海辺の温泉旅館に宿泊しました。
温泉にゆっくりつかって身体の芯からポカポカになった後は、久し振りの地元の魚介類や山菜料理をお腹いっぱい頂き、みんな笑顔で幸せな時間を過ごしました。
次の朝は豪華な朝食を頂いてから、旅館の近くの観光名所に行きました。
浜辺から架かる赤い橋を渡って島に着くと釣り堀があり、たくさんの人が並んでいました。
大きな魚を釣っている人もいて、娘も私も挑戦してみたかったのですが、あまりの行列の長さに並ぶのを諦めて、島をぐるりと一周することにしました。

故郷の海

この島はお散歩ができ、夕陽も楽しめる、私のお気に入りの場所です。
景色が綺麗で風が気持ちよく、娘も「アスレチックみたいでおもしろい!」とはしゃいで遊歩道をどんどん歩いていました。
娘は岩場でヤドカリを捕まえるのに夢中で、その隣で私は故郷の思い出の景色をのんびりと眺めて過ごしました。
私は海が大好きで、いろんな国の海の素晴らしい景色を見てきましたが、やはり故郷の海が一番だなぁ・・・としみじみ思いました。
田舎すぎて不便なことも多かったですが、純朴さが溢れる美しい土地で過ごした子供時代は、人生の宝だと思っています。

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暮らしやすい街

次の日は映画を観たりお土産を買ったりして過ごし、あっという間に帰る日になりました。
午前の長距離バスで来たルートを戻り、私は計画通りまたあのお気に入りの牛タン屋さん昼ビールでもゆっくり飲もうと思っていたのですが、娘が遊園地に行きたいと言うので、新しくできた地下鉄に乗り、街から20分程で行けるようになった遊園地に行ってみました。
この街は規模そんなに大きくないのですが、わりと何でも揃っていて、温泉、遊園地、動物園、美術館、野球やサッカーの観戦場など、どこへでもすぐに行けるので、とても便利で暮らしやすいのが魅力です。

娘と遊園地

半日しか遊ばないのにフリーパス券を買うのはどうかと思ったのですが、娘の分はフリーパス券を買いました。
ウチの娘は勉強も運動もさほどできないのですが、遊園地では絶叫系の乗り物も平気で、しかも一人でも乗れるので、フリーパス券の料金分を遥かに超えるほど活発にたくましくアトラクションに乗りまくっていました。
「できればこの情熱と勢いが、少しでも勉強やもっと違うことに発揮されるとうれしいんだけどなぁ・・・」激しく思いました。

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『ホヤの塩辛』

閉園ギリギリまで遊んでいたので、牛タン屋さんに寄る時間が少ししかなくなってしまいました。
仕方がないのでお食事だけにしようと思ったのですが、どうしても『ホヤの塩辛』だけは諦められず、牛タンと麦飯を食べた後に追加注文し、ビールと一緒に頂きました。
牛タンもさることながら、やはりこの『ホヤの塩辛』独特な渋みこそが、私にとってはご当地の味そのものなのです。
『ホヤの塩辛』を食べている間、いつも気取り気味の私が本当に美味しいと感じたときにだけつい口にしてしまう「うんめぇー!」という言葉が止まりませんでした。

新たなお店発見!

本当はホタルイカの沖漬け』も食べたかったのですが、飛行機に間に合わないと困るので諦めてお店を後にしました。
空港に着き、待ち時間に私の心を掴んで離さない魅惑の『ずんだシェイク』を飲み、またもや「うんめぇー!」
連発
全くこの地域ときたら、どれだけ私の心を鷲掴みにするつもりなのか・・・(?!)
飛行機に乗り、自宅に帰ってきてからも『ホヤの塩辛』の味が忘れられず、ネットで検索してみると、こちらでも『ホヤの塩辛』を出すお店を見つけました。
今年の春と夏は、そこのお店で決まりだなと思いました。


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いろんなお気に入り

こうして私のゴールデンウィークの旅は無事に終わりました。
今回、自分が今まで暮らしていた場所を巡ってみて、一つの場所に落ち着いて暮らすのも慣れ親しんだ安心感があっていいけど、いろんな場所で暮らしてみるのも、それぞれ違った思い出やお気に入りの味などができて楽しいのかもしれないと思いました。
もしいつか、また違う場所で暮らすことになったとしたら、きっとこの地域のお気に入りの味などを懐かしむ日がくるのでしょう。
なので、今はこの場所でたくさんの経験をして、食の面でも文化の面でも充実した日々力いっぱい楽しもうと思います。