『ワイン体験レポート2月』


特別なスパークリングワイン

私は、2016年の11月から『ワイン造り』に携わらせてもらっています。
2016年の秋にワイン葡萄の収穫が終わり、2017年のワイン葡萄栽培の為の準備ともいえる『選定作業』からスタートしたワイン葡萄作りは、その時期その時期のいろんな作業を経て順調に進み、2017年の秋には立派な実りのワイン葡萄の収穫に至りました。
そのワイン葡萄たちは、ワイン葡萄栽培の指導をしてくれている近所のワイナリーのオーナーに託され、今年もスパークリングワインへと華麗な変身を遂げました。
『ワイン造り』に携わることができるというだけでも私にとってはプレミアムな体験ですが、やはり実際に出来上がったワインを味わうことこそが一番の醍醐味だと思います。
今回は、私が携わって完成したスパークリングワインについて、記そうと思います。

ダイバーシティ―なワイン葡萄栽培

私は、本格的なワイナリーではなく、とある地域の大自然の中にある施設の一角にあるワイン葡萄畑で、その栽培作業に参加させてもらっています。
ワイン葡萄の栽培を指導してくれるのはプロのワイン醸造なのですが、実際に栽培作業に関わっているのはほぼ素人で、しかも毎日のように栽培作業をするのはその施設の少数のスタッフだけで、あとは有志のメンバーや何らかのイベントでその施設に訪れた人がカリキュラム内で少しずつ作業をするという具合で、とにかくたくさんの人の手によってなされたワイン葡萄栽培でした。
2016年にワイン葡萄の栽培を再開するまでずっと放置されていた畑だった為、土壌のコンディションが良くない上に『剪定』『棚上げ』などの要所要所の作業も、担当する人のセンス手先の器用さにより仕上がりにバラつきがありました。


不思議な可能性

そんな状態の栽培作業でも立派なワイン葡萄を実らせ、無事に収穫することができたのは、長年の経験と勘で天候によるワイン葡萄への影響を常に先読みし、適切な対応のアドバイス栽培指導をしてくれたワイナリーのオーナーと、素人ならではの好奇心と作業に対する慎重さ上手く絡み合った成果だと私は思います。
除草は楽しい作業ではありませんが、たまの機会に無心になってひたすら草をむしることで、日常のストレスや邪念から解放されたい人にはうってつけの作業となり、薬を使わない害虫駆除はとても手間と時間を要する作業ですが、子供たちの手にかかれば紙コップ片手の『虫集め競争』になり、自然の中で楽しめるゲームに早変わりです。
こんな風に、手掛ける人により様々な作業も大自然の中のアクティビティーの一つになるのが、この施設の魅力なのかもしれません。

いろんなイベント

2017年10月に収穫されたワイン葡萄は、2017年12月にスパークリングワインになりました。
2016年に収穫されたワイン葡萄で作られたスパークリングワインがその年の12月にできたときは、初の試みということもあり『試飲会』が行われ、私はできたてのスパークリングワインを飲むことができたのですが、今年は有料のイベントに参加した人だけが飲めるというシステムに変わり、私はそのイベントには参加しなかったので、残念ながらできたてのスパークリングワインを味わうことはできませんでした。
有料のイベントが嫌という訳ではなく、行われるイベントは内容がいろいろで、自分の好みに合わないものもあるので、自給自足を方針としているその施設に会員登録はしていても、参加するかどうかは内容によって決めています。


複雑な気持ち

2017年の夏にその施設に仲間入りした羊たちがおり、3頭は夏が終われば返却する除草目的のレンタル羊でしたが、もう1頭食肉用に購入された子羊でした。
今回、参加を見送ったイベントは『飼育して育った子羊を食肉に加工して皆で頂く会』的なもので、レストランのシェフが料理したその子羊の肉を、2017年産のできたてのスパークリングワインと一緒に味わうといった内容でした。
私と娘は、夏にその施設を訪れたときに羊たちといっぱい遊び、その子羊とも仲良くなっていたので、スパークリングワインを味わうことを優先して、その子羊を食べるイベントに参加する気にどうしてもなれず、参加を見送りました。
イベント後に『皆で美味しいお料理とスパークリングワインに舌鼓を打ちました!』という報告のお知らせを読んだときも、何だか複雑な気持ちでした。

『若き日のカルメン

できたてのスパークリングワインを味わうことはできなくても、会員には1本ずつもらえることと、別に購入することもできるので、スパークリングワインの販売のお知らせを楽しみに待っていました。
2月に入り、ようやくそのお知らせが届いたので、早速3本を購入し、会員としてもらえる分と合わせた4本が手元に届きました。
2017年産のスパークリングワインは前年のものとは違い、ボトルが緑色ではなく透明で、スパークリングワインの色がダイレクトに見えるようになっていました。
前年は淡い桜色『つつましやかなプリンセス』といった印象だったのに対し、2017年産は皮もしっかりと漬け込む製法で、美しい葡萄色に仕上がっており、そのインパクトと艶のある赤色はスパークリングワインの味の濃さと豊潤さを想像させる、まるで『若き日のカルメンといった印象でした。


味わいと余韻

2月中旬頃が飲み頃だと、造り手のワイナリーのオーナーが言っていたので、まずは2月11日18日に飲んでみました。
手作り感溢れる王冠キャップを開けると、強めの泡が勢いよく弾けだしました。
前年よりも状態の良いワイン葡萄皮まで漬け込んで醸造したからなのか、ボトルの中の発酵のパワーが凄いなぁと感じました。
チューリップ型のシャンパングラスで頂きました。
グラスから香りをとると、100%の葡萄ジュースそのままのフレッシュさ酵母が混ざったような香りがしました。
ルビーのように真紅に光るそのスパークリングワインは、その色に負けない程の濃い果実味と葡萄の皮のコクを感じさせ、舌の上で楽しみがいがある深めの味わいで、後味に葡萄のフレッシュな香りが残り、一口一口の余韻を楽しめる興味深いスパークリングワインに感動しました。

ワイン造りの醍醐味

「やっぱり、ワイン葡萄の栽培に携われることの醍醐味は、実際にできあがったワインを味わうことにこそあるよなぁ・・・」としみじみ思いながら、こんな素晴らしい体験ができていることに改めて感謝し、2018年はどんな風にワイン葡萄栽培に携わっていこうかと考えながら、特別なスパークリングワインを味わいました。
2016年産のスパークリングワインは7月になっても味に大きな変化のない状態で頂けましたが、2017年産のものはボトルの中の発酵のパワーが強く、あまり長く置いておくと味が大幅に変わるような気がしたので、残り2本のスパークリングワインも近いうちに頂いておいた方が良いと感じました。
ちょうど、3月3日は老猫ちゃんの21歳のお誕生日で、3月10日は娘の11歳のお誕生日だったので、お祝いのめでたいお酒として頂くことにしました。

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ボトルの中の変化

3月3日は2月の中旬に頂いたときと比べて「あれっ、果実味と香りのインパクトが減ったかな・・・?!」という程度だったのですが、3月10日に頂いたときは既に果実味がアルコールの味へと変わり、香りもフレッシュな葡萄の香りではなく発酵が進んだアルコールの香りに変わっていました。
嗜好品ですし味の感じ方は人それぞれですが、私の味覚と好みとしては2月中旬の味がベストに感じられました。
375mlのボトルを4本購入し、わざと間隔をあけて頂いたのは、人為的にいろんなモノを加えずに、自然の恵みを最大限に生かした直球勝負の製法で造られた『生きているワイン』ボトル内で変化していくのを確かめてみたかったからなのですが、「こんなにも早くアルコールが前面に出るのなら、もっと早い時期から味わった方が良かったかも・・・」と思いました。

試行錯誤と貴重な経験

その施設のワイン葡萄栽培とワイン造りはまだ2年目『600年前のワイン造り』をテーマに、余計なものを加えず、人の手と収穫した葡萄だけでワインを造るという目標のもと行われているので、醸造家でありワイン栽培の指導者でもあるワイナリーのオーナーによると、この先数年は試行錯誤が続くだろうとのことでした。
2018年のワイン造りは、葡萄の皮は漬け込まずにスパークリングワイン本来の『白仕立て』にするそうなので、今回のように発酵と味の変化が速く感じられる濃厚なスパークリングワインを味わうのは貴重な経験になると考えられます。
にまたこのスパークリングワインを頂いて、どこまで発酵してどんな風に味が変わるのかを実験的に確認してみるのも一つかなと思っています。
また、次年のスパークリングワインは、12月から購入できるように提案しようとも考えています。

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