イルカとの触れ合い
オーストラリアのブリスベンに滞在していた際に、スノーケリングやイルカに自分の手から餌の魚をあげる体験ができる島へのツアーに参加しました。
昼間はスノーケリングをしたり食事をしたりしながらビーチでのんびり過ごしました。
夕方になりイルカのアクティビティーの集合場所に行くと、浜辺にとても近くて浅くなっているところに数頭のイルカたちが集まっていました。
野生のイルカとの触れ合いな為、時間はざっくりと『夕方』となっているうえに、絶対に毎日イルカが来てくれるという確約はないアクティビティーなので、イルカたちが来てくれてホッとしました。
野生のイルカを見るのは初めてで、しかもとても近い距離だったのでその大きさに圧倒されました。
フレンドリーなイルカたち
何頭かいるイルカの中で私が並んでいた列のイルカは一番大きく、笑っているような可愛らしい表情の口元も、近くで見るとびっしりと並んでいる歯と口の大きさにちょっぴり怖さを感じました。
私がスタッフの人から餌の鯵を受け取ると、目の前のイルカは「はい、口に入れて。」と親切に口を開けてくれたのですが、その大きな口の迫力に『ヒェェェェ』と動揺してしまい、夢中で素早く鯵をイルカの口の中に放り込みました。
イルカはクルクルした目で私を見ながら鯵を食べ、スタッフの人に2匹目の鯵を手渡されると、また口を大きく開けてくれました。
今度は気を取り直してフレンドリーに「はい、どうぞ。」と話しかけながらあげることができました。
黒くて丸い、優しい目がとても印象的でした。
新たな野望
ブリスベンから近いゴールドコーストには海がテーマの『ウォーターワールド』、大阪にある『USJ』のような『ムービーワールド』、絶叫系の乗り物が揃った『ドリームワールド』の、3つのテーマパークがあり、私は『ウォーターワールド』と『ムービーワールド』へ1日ずつ行きました。
『ウォーターワールド』では、プールの中でイルカと一緒に泳げるアクティビティーがあり、数人の客がイルカと一緒にプールで遊んでいました。
人数制限があり事前予約が必要なアクティビティーで、私はそれを知らず残念ながら参加できませんでしたが、海の動物のショーがたくさんあり、あっという間に時間が過ぎたので「かえって参加できなくて良かったのかな」と思いました。
そして「いつか必ず野生のイルカと一緒に泳ごう!」と心に決めました。
グレートバリアリーフ
ブリスベンでの1か月の滞在を終え、次はケアンズに1か月半ほど滞在しました。
夏本番の照り付ける暑さに、毎日ビールがすすみました。
ケアンズは海のアクティビティーが多く、ダイビングのライセンスを持っていない私はグレートバリアリーフの『ダイビング体験ツアー』に参加してインストラクターと一緒に潜りました。
ダイビングスポットまで行くにはしばらくボートに乗るのですが、私は三半規管が弱く乗り物にも酔いやすいので、目的のポイントに到着したときには気分が悪くなっていました。
水中では上手く耳抜きができず、咥えっぱなしの酸素用マウスピースに『オェッ』と気持ち悪くなってきて、サンゴ礁や美しい水中の景色を楽しむどころではなく、結局その日は散々でした。
それ以来、私はダイビングは諦めてスノーケリングだけをすることにしました。
スノーケリング
浜辺に近いところでもいろんな魚がたくさんいて、泳いでいるタコにも遭遇し「へぇーっ、タコってこんな風に泳ぐんだぁ!確かに『デビルフィッシュ』って言われるだけあるかも!」と感動するなど、スノーケリングでも充分に楽しめました。
気持ちよさそうに泳いでいるウミガメを見つけ静かに後をついていくと、私に気がついたウミガメは「ついてくるなよ、あっちに行けよ!」と言いたそうに何度も振り返りながら去ってしまいましたが、一瞬でもウミガメと一緒に泳げてとてもラッキーだと思いました。
『野生のイルカと一緒に泳ぐ』という夢もでき、またオーストラリアを訪れる気満々だった私は、更にオーストラリアの海を満喫できるようにと、日本に帰国してすぐにスキンダイビング(スノーケルを使った潜水)を習い始めました。
クロコダイルパーク見学
『クロコダイルパーク』というワニの養殖場を見学に行くと、柵で囲われたエリアにはたくさんのワニが寝そべっていました。
子供のワニと写真撮影ができるブースがあったので、小さなワニを両手で水平に持った状態で写真を撮りました。
口を開けないように口の先端がセロハンテープでぐるぐる巻きにされた40センチぐらいのワニは、写真撮影に慣れているようでおとなしくて、とても可愛らしかったです。
『クロコダイルショー』という、大きなワニが、高い位置にぶら下がった丸ごとのニワトリの肉をジャンプして食べたり、スタッフの人が大きく開けたワニの口に頭を入れて見せたりするショーがありました。
ワニが口を閉じると『パーン』という乾いた音がしました。
なんて危険で命知らずなことをするのかと肝を冷やしました。
クロコダイルバーガー
とても広い池にもワニがたくさんいて、ボートに乗りながら水に浸かっているワニや泳いでいるワニを見学しました。
ボートを下りるとすぐにレストランがあり、ワニの肉を使ったメニューが幾つかありました。
「ワニを見ながらワニを食べるのって、どうなんだろう・・・」と少し気が引けもしましたが「でもせっかく海外まで来たんだから、話のタネにここは食べておくべきでしょう!」と思い、私は『クロコダイルバーガー』を注文しました。
バンズに挟まれたワニ肉は白く、弾力が強めの鶏ササミといった感じでした。
肉の臭みや味のクセをとる為なのか、スイートチリソースがたっぷりと塗ってあり、ワニの肉の味よりもソースの甘辛い味の方が強く印象に残っています。
いろんなコウモリ
ケアンズは熱帯気候なのでトロピカルなフルーツの木が多く、夜になるとその木々に『フルーツバット』という大きなコウモリが果実を食べに来て、木の枝にぶら下がっているのを見かけました。
大きなコウモリというと『吸血鬼の仲間』という怖いイメージがありましたが『フルーツバット』はおとなしく無害で、ただ果実を食べるだけだそうで、何だか可愛いなぁと思いました。
自然の中を行く『洞窟探検ツアー』に参加した際に、それほど高さがない洞窟を進み、ふと頭上をライトで照らしてみると、頭のすぐ上に小さなコウモリが集団でぶら下がって寝ていて、あまりの近さに焦りましたが、寝ているところを突然ライトで照らされたコウモリたちの方が焦ったに違いないと思い直し「ごめんね」と囁きながら通り過ぎました。
自然いっぱいのホームステイ
私がケアンズでホームステイをしてお世話になったホストファミリーの家には、人懐っこいゴールデンレトリバーが1匹いて、私はよく一緒に遊びました。
プールがある広い庭があり、私が深いプールで泳ぎながらアワアワしていると水に飛び込んで助けに来てくれる、とても優しいワンちゃんでした。
その家は街から離れた自然が多い地域にあったので、雨上がりには道路が大きなカエルでいっぱいになるのが恐怖でした。
茶色で大きなそのカエルは毒を持っているのですが、その地域に引っ越してきたばかりの中国人の一家がそれを知らずに、自分の国で食べている食用ガエルと似ているので、たくさん捕獲して食べたところ、カエルの毒で亡くなったそうで、私もアジア人だからか「カエルは捕まえて食べないように」と念を押されました。
カンガルーの赤ちゃん
ホストファミリー宅のクリスマスパーティーのゲストに動物園の飼育員の女性がいて、カンガルーの赤ちゃんを連れて来ていました。
母親が交通事故で死亡した為、保護された赤ちゃんカンガルーのお世話を、クリスマス休暇中もずっと任されているとのことで、お母さんのポケット代わりとして作った布の袋を首からかけて、その中に赤ちゃんカンガルーを入れていました。
動物好きの私が興味を持つと「じゃあ、この袋を私の代わりに首からぶら下げて抱っこしてあげて」と袋ごと赤ちゃんカンガルーを渡されました。
袋に入っていると落ち着くのか、赤ちゃんカンガルーはとてもおとなしく、哺乳瓶でミルクを飲ませると、哺乳瓶に両手を添えながら上手に飲んでいました。
素敵なサマークリスマス
子犬を『パピィー』、子猫を『キティー』というように、カンガルーの子供のことは『ジョイー』ということから、その赤ちゃんカンガルーの名前はそのまま『ジョイー』でした。
人生初の夏のクリスマスは豪華なパーティーの他に、カンガルーの赤ちゃんとの『スペシャルな体験』のサプライズもあり、本当に素敵で忘れられないクリスマスになりました。
私はオーストラリアが大好きになり、その国で実際に情報を得ることで体験してみたいことや訪れてみたい地域が増え、日本に帰国した約1年後に仕事を辞めて、またオーストラリアに戻り『ワーキングホリデイビザ』を利用して1年間滞在しました。
動物と関わりながら最高の1年間を過ごすために計画を練って準備を進め、更にたくさんの経験をしました。
そのお話は、また『オーストラリアの動物たちと』Vol.3にて・・・