めでたい長寿
ウチの猫は今年の3月3日で20歳になります。
なので今年、我が家ではお誕生日と雛祭りと成人式(?!)のお祝いが同時に行われる予定です。
ずっと室内で生活していることもあり、大きな病気をすることなく、元気に過ごしてくれています。
ゴハンは数年前からシニア用のものをあげたり、ちょっと高価な腎臓に優しい栄養食をあげたりして、腎臓がなるべく弱らないように薬を毎日あげたりと、少し気を遣いながら様子を見ていますが、有り難いことに毎日無事に良く食べ、良く眠り、良く甘えています。
みえみえの作戦
昨年の5月5日に、ずっと一緒に育ってきた姉妹の猫が旅立ってしまいました。
それ以来、1匹でお留守番をすることになったのが淋しいようで、私が外出して帰宅すると物凄くお怒りのご様子です。
外出用の洋服を一瞬ベッドの上に置くと、いつも素知らぬ顔でノッサリと私の洋服の上に寝そべり、着替えることを許可しない構えです。
知らんふりをしていても、隠しきれていない洋服が思い切りはみ出している様子が何だか可愛らしくて、時間がないときでもついナデナデしてしまいます。
お出掛け前のお約束
でも着替えて出掛けなくてはならないので「ごめんね、ベイビーちゃん・・・」と申し訳なさそうに言い、その言葉とは裏腹な結構な勢いで一気に洋服を引き抜きます。
すると猫は「うわぁ」という顔でベッドの上をゴロゴロと転がって「完璧に隠していたはずなのに、なぜ見つかってしまったんだ?!」という感じで、動かず残念そうに考え込みます。
そしていよいよ出掛けるときには、とびっきりの不機嫌な顔でふて寝をします。
それが我が家のお出掛け前のお約束なのですが、そんな様子が健気に見えたり、全く学ばないおバカさんに見えたりで、とにかく愛おしくてたまりません。
「来い指令」の発動
人間は歳をとると子供にかえり、段々とワガママになってくるといいますが、猫も同じで年々ワガママになってきます。
ウチの猫が10歳のとき私の娘が生まれ、そのときに猫がすっかり赤ちゃん返りをしているので、歳をとってワガママな上にとても甘えん坊で何気に手が掛かります。
最近は寝起きが悪くて、起きると必ず「来い」とばかりに大声でキレ気味に鳴き叫びます。
昼も夜も関係なく、起きたときは必ずその「来い指令」が発動されます。
今流行の「恋ダンス」なら可愛いのですが、「来い指令」はちょっと・・・という感じです。
非情な猫のツメ
夜中でも急にナデナデして欲しくなると、寝ている私の頭や顔を手でトントンと叩いて起こしにかかります。
最初の内は丸めた手で「ポフポフ」としたソフトで遠慮気味な感覚なのですが、熟睡中でなかなか起きないと少しずつツメを出し始め、最終的にはツメ全開で頭や顔をキッと握られて、痛くて起きるという有様です。
「痛い!」と私が怒った声で言っても、猫は私が起きたということがとにかく嬉しくて、かなり大きめの音量で激しく「ゴロゴロ」と喉を鳴らし始めるので、結局「はいはい、わかりましたよ・・・」と眠いのを我慢しながらしばらくナデナデしてあげます・・・いいえ、ナデナデさせて頂くのです!
そして翌日、私の顔には猫のツメ痕が残っていたりします。
女王な猫のしもべ
冬は夜中に寒くなると、ベッドで寝ている私の所に来て、耳元で「ニャーニャー」と私が起きるまで鳴き、私の頭の上にノッサリと横たわります。
私はひんやりと冷たくなった猫の足の肉球を、手のひらで包んでギュウッと温めてあげます。
すると猫は「ゴロゴロ」とボリューム全開で喉を鳴らし、しばらくして体が温まるとサッサと自分の好きな場所へ移動して寝ます。
そんな女王な猫のしもべとして仕える私は、朝までぐっすりと眠らせてもらえることが滅多にありません。
猫=小悪魔
しもべの私が生意気にも眠いからと女王を無視して眠り続けると「そちらがその気なら、こんなこともこんなこともしちゃうもんねー!」とばかりに、ビニールをかじって体に悪いイタズラを始めたり、押し入れの高い所に上って物を落とし始めたりと、あの手この手で命令に従わないしもべを困らせます。
そして私は「はいはい、すみませんでした。すぐに起きない私が悪かったです。」と、結局起きて女王のお世話をさせて頂くのです。
ウチの猫は本当に「小悪魔」そのものです。
溢れる魅力と威力
私がスマホをいじっていると、自分よりもスマホに私の注意が向いているのが許せないらしく、スマホの上に座って隠したり、時にはスマホを持っている私の手の上に強引に座って、手とスマホを自分の体で封印したりします。
それでも私がスマホの使用をやめないと、私の顔を見ながら「フンッ」とわざとらしく大きな溜め息をついて淋しげなアピールをしながら去っていきます。
その姿を見て「わかりましたよぉ」と、結局すぐに猫の後を追う私。
猫の魅力あふれる仕草にはどうしたって敵いません。
猫の癒しの力
猫が喉を鳴らす「ゴロゴロ」という音は「1/Fの揺らぎ(えふぶんのいちのゆらぎ)」があり、人をリラックスさせる効果があるのだと聞いたことがあります。
他には波の音や、風に揺れる木々の音などもそうらしく、確かにそれらの音を聞いていると心が癒される気がします。
猫は自分が嬉しくて幸せな気持ちだから喉を鳴らし、それを聞いて私も心が癒される。
最高のポジティブなサイクルだと思います。
可愛いおバカさん
その癒しに加え、ウチの猫はおバカさんな行動で私をますますホッコリとした気持ちにしてくれます。
棚の上で気持ち良くお昼寝をしている猫の姿を「今日はそこですか、可愛いなぁ・・・」と見ていると、いつもベッドやカーペットの上で寝ているときのように大きく体を伸ばし優雅に寝返りをうち、「あっマズい、そういえば棚の上だったんだー!!」という顔で落ちそうになりながらジタバタと態勢を整え、棚にツメを出した両手をかけて、落ちないように必死にしがみついたのですが、努力もむなしくそのまま棚から「ズズッ・・・ズズズズーー」と落ちてしまいました。
ごまかす猫
恥ずかしさで猫のプライドが傷ついたようで、しばらく呆然としている猫に「大丈夫?!」と声を掛けると「は?!何が?!何のこと?!別に何もありませんけど。」という表情で平静を装いながらベッドに移動し、一生懸命に毛づくろいをして自分を落ち着かせていました。
人間と同じように恥ずかしい状況を何とかごまかそうとしている姿と、猫なのに棚から落ちたという事実に、オモシロカワすぎて完全に胸を撃ち抜かれました。
危機管理と距離感
普通、猫は人や物を確認するときに、まずは匂いを嗅いで確認し、その上で安全か危険かを判断します。
なのに、ウチの猫は昔から距離の取り方が下手で、私がケーキを食べようとテーブルの上に置いていたりすると、「これは一体、何だ?!」と早速その確認に取り掛かるのですが、確認の為に鼻を近づけるその距離を間違えて、匂いを嗅ぐ前に既に鼻がケーキにぶつかってベタッとクリームがついてしまうという、残念なことになっていました。
もしそれが自分にとって危険なものだったとしたら、匂いで確認も何も既に鼻にくっついてしまっているのはダメだし、そんな調子で猫として大丈夫なのかと、私はいつも心配していました。
舌のしまい忘れ
どんなに利口そうな顔をしている猫でも、たまに舌をしまい忘れて、舌の先がちょっぴり出たままのことがあります。
ウチの猫がそんなことになっていると、私と娘はなかなか見られないものを見られたと大興奮で、こぞって近くで見て写真を撮りまくります。
猫は自分の舌が出ていることに気付いていないので、急にキャーキャー言いながら騒ぎ出した私たちを不可思議な目で見つめるのですが、そのシリアスな表情をしている間もずっと舌の先が出たままなので、間の抜けた表情にずっと釘付けです。
私と娘にとって猫のその表情を見られるチャンスというのは、四葉のクローバーを見つけるよりも幸せで嬉しいことです。